吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

シン・仮面ライダー(幕前/第一幕クモオーグ編)

2023-03-31 10:25:00 | 映画・ドラマを観て考えよう
 劇場へ見に行くの迷ってます。
 TVで「幕前」として、出だし部分をノーカット放映したのを見たので、それだけの感想です。念のため。

 仮面ライダーに熱狂していた時代から考えると余分な知識が増えてしまったので素直に観れないのよねー。ワタシガワルインデス⤵️💦

 仮面ライダー自体がヒトと昆虫の合成怪人という点でもはやツッコミどころ満載ですわ。

 昆虫ってそもそも外骨格。
 カラダの外側に硬い殻があり、中身はスポンジ状の組織で血管がない❗成長するときは脱皮するしかありません。
 血液はカラダの中をなんとなく巡りテキトーに心臓に戻ってくる。構造上の制約からある程度以上の大きさになれない仕組みなんですよねー。文字通り「血が巡らなく」なってしまうンです。

 バッタのカラダを人間に移植するのは難し過ぎる制約があるのです。

 ここは生物に学ぶ構造生物学の手法を取り入れてニンゲンを改造した、と考えるしかなさそうです。
 バッタのチカラを生み出す構造をヒトのカラダで実現する、これです❗

 昆虫の優れた機能を形状から真似るなら仮面ライダーはカタチだけでも外骨格にするべきなのでしょうか❓(←昆虫から学び「筋肉のつき方を変える」ことでチカラの伝達効率を上げようという考えです)。
 その場合は仮面ライダーBLACK(RX)みたいな姿になるでしょう。ヨロイ甲冑姿のようなモンで、闘いには有利かもしれませんが、服が脱ぎにくいったらありゃしない(笑)。
 陣羽織しか着れません⤵️💦
 しかも筋肉が増大したら殻の容量を増やすには脱皮するしかありません。
 ダメだこりゃ⤵️💦

 さて、昆虫は気門で呼吸します。
 カラダの両脇にズラリと穴があり、これで呼吸するのです。
 考えてみれば、これって不便かも❓
 お風呂に入るだけで溺れかねません。石鹸でカラダを洗うなんてもってのほか❗ママレモンを掛けられたゴキブリのように死んでしまいます。

 あ、しかしこの構造はマスクを被るとき息苦しくないから便利かも。仮面の中は息苦しいに違いないですから。激しいアクションでは酸欠になりかねません。

 弁の付いた気門から新鮮な空気を取り込んで鼻孔から排出するように人体を改造すれば、空気の流れが一方通行になり、ガス交換効率は飛躍的に増大するはずです(肺に二酸化炭素の多い空気が一切残らなくなります)。
 おお‼️これはグッドアイデアかも❗

 素顔を隠す以外に仮面を被る意味づけも必要です。
 私は夜間暗視用ゴーグルだと考えればイイんじゃないかと思います。昼間なら被らないでも闘える設定はアリかと。原作コミックではちゃんとマスクを被って「変身した」という扱いになってます(主人公がマスクを手にして被るかどうか悩むシーンがあります)。

 胸の部分とベルトは昆虫の気門に空気を送り込む装置だとすれば理屈は通るかと。
 強制的に空気を圧縮して送り込む装置、つまり過給機です。
 改造された肉体というエンジンに強制吸気するためのスーパーチャージャーだとすれば・・・燃焼効率は飛躍的にアップします。これなら激しい戦闘状態のカラダに燃焼のための酸素を大量に供給することができますから、昆虫人間のニンゲン離れしたチカラの源になりえます。バイクで風を受けるときはカワサキのラムエアシステムみたいな働きをして空気を大量に取り込む・・・これで理屈が通ります。


※シン・仮面ライダー絶賛公開中❗

 いろいろ考えましたがマシンが変形するのだけは理屈が通りません。最初からあの姿でなければ重量的に不利です。バイクの性能が落ちるだけです。しかも6本マフラーって⁉️集合管という考え方はないのか❗

 4ストバイクなら集合管はジョーシキです(サイクロン号のデザインを見るかぎり石ノ森章太郎はバイクに関する知識がなかったとしか思えません)。

 あくまで複数マフラーに拘るならサイクロン号は2ストバイクに落ち着きますね。
 4本マフラーなら実車があります。
 言わずと知れたスズキRG500Γです。
 これをベースにするしかナイでしょう❗


※これがスズキRG500Γ・・・2スト最強バイクです。WWカラーの限定車。

 実は高性能の市販車があればそれをそのまま乗るのがイチバンなのです。しょせんバイクは消耗品なのですから。
 現実の仮面ライダーは「パラパラ」と乾いた音と白煙を残して走り去ることになりそうです。

 さらに疑問はどんどん膨らみます。
 特製バイクってメンテナンスはどうするのでしょう❓陸運局への届けは❓ガソリンは❓

 ライダー『すいません、ガソリン満タンでお願いします』
 店員『あーこれ、改造バイクだね。うちは違法改造車はちょっとねー』
 ライダー『そんなこと言わずにお願いしますよ』
 店員『しかたないなあ・・・』
 ライダー、ガソリンスタンドを出る。
 警察『そこの改造バイク、道の左側に寄せて停まりなさい❗』
 ライダー『💦・・・(無言で逃走)』
 警察『(無線で)こちら警ら5号、違法改造バイクを追跡中、付近のパトカーの応援を要請します』

 これじゃ公道を走れないので、トレーラーで移動(中でメンテナンスできるし便利)し、いざという時だけ発進⁉️
 これじゃ爆走トラック野郎です。
 仮面ドライバー⁉️
 ひとりぼっちでは無理ですね。
 孤独なヒーローにはなれません。
 どう考えても仮面ライダーの活躍を陰で支えるスタッフが必要です。

 あー考え過ぎると楽しめませんねー。
 まだ悩んでます。

H.P.ラヴクラフト『インスマスの影』新潮文庫/令和3年4月20日7刷(その2)

2023-03-25 15:44:00 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
(その1からの続き)
 なお、表題の絵は『幽霊の悪魔(チェンソーマン)』です。念のため。

 では書評に戻ります。

※H.P.ラヴクラフト『インスマスの影』新潮文庫

 第2話『ダンウィッチの怪』
 いよいよヨグ・ソトース神の登場です。
 異世界への門を司る邪神・・・と言ってもこの話、邪神自体は登場しません。
 登場するのはヨグ・ソトース神が白子の女に生ませた息子です。なお、この本ではヨグ・ソトホート神と表記されています。
 これは作者ラヴクラフトが「人間には発音できない名前」を何とか書き記そうと努力したためで、何と発音するのか未だに定説がないのです(笑)。

 山羊を思わせる顔つきをした、どこか人間離れした外見の息子は異常な速さで成長し、自らの出生について調べるさなか怪死します。実はその息子には不可視の兄弟がいるようだ、というのがストーリー。

 何かの拍子にチラと垣間見れることがあるその姿は『幽霊の悪魔(チェンソーマン)』に似ているらしいのです。

 ただし顔は半分しかないらしいです。
 左右どっちなのか、はたまた下半分なのか判然としないのですが、半分はまだ異次元に留まっているのかもしれません。

 この怪物が撃退されるまでがこの話ですが、父親であるヨグ・ソトホート神はどうしているのでしょう。今もきっと異次元からこの世界を窺っているのでしょう。

 あなたもクトゥルー神話のおどろおどろしい世界に触れてみませんか❓
 入門用として最適の一冊です。
 おすすめします。

 (つづく)