※谷口尚規/著 石川球太/画『冒険手帳』光文社知恵の森文庫 / 2018年7月20日第10刷発行
もとの本は1972年に21世紀ブックスから出版されています(その本は私の冒険の友でした)。
※冒険手帳(21世紀ブックス版/1972年)
ポケットに捩じ込んで困ったことがあれば参照する、キャンプ先での夜の読書に使う等荒っぽい使い方をされるのでどんどんボロボロになって行きました。本はもう手元にありませんが私のアタマの中に入っています。
副題は『火のおこし方から、イカダの組み方まで』この本さえあれば何があっても生き残れます!
この本の序文にもありますが、現代社会はどんどんブラックボックス化しています。使い方は分かっても『なぜ、そうなるのか?』は分からないのです。スマホなぞその典型です。
最近『そんなコト考えた事なかったクイズ!トリニクって何の肉!?』というバラエティ番組があるのをご存知でしょうか?
※常識問題のはずが・・・平成生まれの驚くべき回答とは?
このクイズ番組出題のコントが面白いンです。『スマホ以外に興味のない娘にふと聞いてみた→おい!おいっ!→何?→カマボコって何から出来ているか知ってるか?→知らない・・・っていうか考えた事ナイし→娘はカマボコが何で出来ているか知りませんでした』というやりとりです。
あらゆることがブラックボックス化しているのが現代社会です。
自らのチカラで考えること、行動することを辞めたらもはやニンゲンではありません。
少なくとも『私はホモ・サピエンス(ラテン語で「賢い人間」の意)ではありません』と言うべきでしょう。
『看板に偽りあり』です。
この本では13項目にわたって人間が生きるのに必要なことがらを説いてくれます。
冒険者は身体が資本ですが、この本では頭脳の重要性が強調されています(どんなに頑強な身体であっても誤って毒草を口にすると死ぬ・・・というふうに)。
地震や津波などの大災害に遭遇したとき、パニックに陥らず生き残る確率をどう上げるかを考える、電車やバス等の交通機関や通信手段が無くなってもさまざまな代替手段を考える、実は『冒険は身近にある』ことを教えてくれる本でもあります。
一家に一冊常備しましょう。特にオトコノコは必携です。
<目次>
まえがき
プロローグ――自分で考え、自分で作り、自分で行動しよう
1 火をおこす
2 料理する
3 食べる
※『本当にハラが減れば』として『食べられる昆虫』も紹介されています。
4 獲 る
5 寝 る
6 切 る
7 結 ぶ
※映画『ジョーズ』で船長が結んでいたのが左上の『もやい結び』です。
8 歩 く
※インディアン・スライド(疲れない平地の歩き方)も紹介されています。
9 伝える
10 測 る
11 遊 ぶ
12 救 う
※レスキューの基本もこの通り!「いかに二次災害を防ぐか」がポイントです!
13 鍛える
※当然『アタマ』も鍛えなければなりません!