のっけから島へと渡っていくシーンから何やら違和感が・・・。
例によって金田一耕助が船で島へと渡るシーンから始まるのだが、続くタイトルバックの音楽が何とエレキギターの轟音だったのでのっけから『アレ!?』という感じだった。ミスマッチ感を狙ったのかも知れないが、私はこの音楽を聞いた瞬間『これ、彼岸島DELUXの間違いぢゃないよね!?獄門島だよね!?』と思ってしまったのだった。
案の定、何だか情感もヘッタクレもない演出で、ちょっとガッカリ!? SFXの進歩で死体のリアル感は増したものの全然怖くない。因習に囚われた陰湿な日本の田舎の感じが出せないで、単なるサスペンスものになっちゃいました。
長谷川博己の金田一耕助はアツくなり過ぎ、もっと押さえた演技ぢゃないとこのヒトの良さが出ないです。シン・ゴジラ等への出演で、デキる男の役が続いてますが、全然似合ってない。このヒトの真骨頂はダメ人間を演じたときに発揮されるので『家政婦のミタ』の優柔不断なお父さんや『雲の階段』でのニセ医者とかをしたら俄然イイ味が出せるのに、使い方を誤っているよね。惜しい!金田一耕助は探偵としては全くの敗北者(関係者がほぼ全員殺されてしまった後でしか解決できない)なので、そうした手遅れだった感をもっと出して演技するべきでした。
金田一耕助が住職と相対して犯行に関る謎を解いて語るお寺のシーンはキレイでした。印象に残ったのはこのシーンだけかな。
あと『仲里依紗はキャラからしてどう考えても分鬼頭(わけきとう)の後妻をするべきだよね』とか『奥田瑛二は住職にしたら生臭過ぎるよね』等、全体にミスキャストが目立ったように感じました。
島を去るとき金田一耕助宛に電報(アクマガキタリテフエヲフク/タスケコフ/トドロキ)が届いていましたね。次回に期待します。
初出2016年11月21日(16日20時~放映)
再掲2022年09月18日(11時~BSプレミアムにて再放送)