吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

刑事フォイル(原題 "Foyle's War")NHK BSプレミアムにて放映中

2019-04-25 05:38:21 | 映画・ドラマを観て考えよう
NHK BSプレミアムで、また放送が始まった『刑事フォイル(原題 "Foyle's War")』、観てますか?

 もう戦争が終わって、フォイル警視の仕事も無くなるのかと思ったら、ヘイスティングス署長を退職してアメリカへ渡るンだとか・・・。そーか、ヒトラーが死んでヨーロッパでの戦いが終わっても、アメリカと日本はまだ戦っているンですものね。

※左から、ミルナー、フォイル、サム・・・フォイル役のマイケル・キッチンが実に渋い!

 4月20日(土)放映の『反逆者の沈黙(第6シリーズ第3話)』のゲストは・・・おお!モリアーティ(アンドリュー・スコット)登場!カンバーバッチ版シャーロック・ホームズでゲイの犯罪王を怪演したあのお方が、自ら死刑を熱望する役を演じて秀逸でした。ストーリーも過去のトラウマが関係して『シャーロック』を彷彿とさせるストーリーでした。
 しかし、フォイル警視の推理はいつも全然ついて行けないわー(フォイル警視に、そんな過去があったとは・・・)。

※犯罪王モリアーティを怪演したアンドリュー・スコット・・・実生活でもゲイをカミングアウト!

 どうやら次回(4月27日(土)放映第7シリーズ第1話『新たなる戦い』)ではあのマンハッタン計画とも絡むストーリーのようで、イギリスのドラマが原爆をどう描くのか、興味のあるところです。
 『戦争で毎日何百人、何千人と亡くなっている中で殺人事件を捜査することに意味があるのか?』と問いかけるこのドラマ、じつに重くて地味ですが、いいドラマです。主演のマイケル・キッチンが実に渋くてカッコいいンです。
 理想の上司かな?ぜひご覧になってください。オススメします。

2019年春季アニメ勝手にランキングしちゃいます!

2019-04-24 06:51:54 | 映画・ドラマを観て考えよう

 最近のアニメ、低調なんじゃナイですかぁ。
 『これは観たいっ!』という作品がナイのです。
 以前から引き続いて観ているのは『どろろ』と『ジョジョの奇妙な冒険』の2つですが、
 ・・・新作がオモシロクないことこの上ない!ゴミばっかですわ。
 そんな中で健闘している作品を3つご紹介します。

 勝手にランキング第3位は『ワンパンマン』です。

※ワンパンマン(第2シーズン)・・・どんな相手にも一撃で勝つ!
 活躍するヒーローの日常とのギャップが楽しい。
 無敵のヒーロー『サイタマ』は一発で敵を倒す『ワンパンマン』(本当に一撃で倒します)。
 そんなんで話になるのか?と思うところですが、これがなるンだなあ。
 抱腹絶倒の第2シーズンです(オモシロイんだけど続篇なので評価を低くしています)。

 勝手にランキング第2位は『Fairy gone(フェアリーゴーン)』です。

※妖精を躯に宿して戦うフェアリーゴーン
 主人公たちは「妖精」を躯に宿してジョジョのスタンドのように戦う、という設定です。
 主人公が軍に所属した所為でハガレン風の展開になっています。
 ストーリーはこれからだけど絵がイイよね。完成度高いです。

 そして栄ある第1位は『鬼滅の刃(きめつのやいば)』です。

※両親のカタキである鬼を捜し、鬼化した妹(口枷されてる!)を連れて旅をする主人公
 正体の分からない「鬼」に両親を惨殺され、たった一人残された妹も鬼に変化してしまった。
 鬼と化した妹を連れて旅をする主人公・・・妹の躯を直し、両親のカタキを討つことはできるのか?
 これからの展開に期待大です。


関連記事:2019年冬季アニメ勝手にランキングしちゃいます!


梅原猛『神々の流竄』集英社文庫/昭和60年12月20日第1刷発行(その②)

2019-04-22 09:47:41 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
 (承前)←その①に戻って読み直したいヒトはこの文字をクリック!

【八岐大蛇(ヤマタノオロチ)伝説】


※出雲のご当地ナンバーは、何と八岐大蛇(ヤマタノオロチ)です(かっけえええ!)。

 八岐大蛇(ヤマタノオロチ)伝説とは何なのでしょうか?
 八つの頭と八つの尾を持つヤマタノオロチ、これはまことにヴィジュアル化しにくい存在です(↓脚註1)。
 なんといってもその姿形が実に特異なのです。

 古事記によると『彼の目は赤加賀智(あかかがち)の如くして、身一つに八頭八尾有り。亦其の身に蘿(こけ)と檜杉と生ひ、其の長は谿八谷狭八尾に度りて、其の腹を見れば、悉に常に血爛れつ』とあり、日本書記にも『期(とき)に至りて果して大蛇有り。頭尾各八岐有り。眼は赤酸醤(あかかがち)の如し。松柏、背上に生ひて、八丘八谷の間に蔓延れり』とあります(↓脚註2)。

 何と『背中に樹木が生えていて八つの尾根と八つの谷に跨る』というのです。
 背中に樹を生やした八岐大蛇(ヤマタノオロチ)をヴィジュアル化すると()こうなります。


※映画『八岐大蛇の逆襲』より・・・米子市街を舞台に八岐之大蛇と防衛隊の攻防戦を描く

 背中に樹木が生えている、これはもはや山そのものです。そのような山があるのでしょうか。
 それは蛇身の神オオモノヌシ(オオクニヌシと同一とされる)を祀る三輪山ではないか、というのです。
 三輪山の姿をよく見ると複雑な稜線と谷があり、あたかも蛇がうねっているように見えます。


※三輪山の姿とその複雑な等高線

 八つの尾根と八つの谷を持っている、と言われればそう見えなくもありません。
 そして出雲神話に登場する神々は本来大和に祀られていたというのです。
 オオモノヌシ・・・(出雲族三輪氏の神)・・ご神体は三輪山そのもの
 コトシロヌシ・・・(オオクニヌシの息子)・奈良県高市郡雲梯(うなて)神社の神様
 アジスキタカヒコネ(出雲族賀茂氏の神)・・葛城山高鴨神社の神様

 伝承を綜合して浮かび上がるのが「オオモノヌシ=オオクニヌシ」と「八岐大蛇=三輪山」という構造です。
 そして『天孫族のニギハヤヒのミコトが神武帝(ニニギノミコト)よりも先に大和に来て出雲族のナガスネヒコとともに大和地方を支配していたが、ナガスネヒコとニニギノミコトの争いが始まると、形成不利とみるやナガスネヒコを裏切って殺し帰順した』という史実を探し当てます。

 且夫(またか)の長髄彦(ながずねひこ)の稟性愎佷(ひととなりすかしまにもと)りて、教ふるに天人(きみたみ)の際(あひだ)を以てすべかざることを見て、乃ち殺しつ。其の衆(もろびと)を帥(ひき)ゐて帰順(まつろ)ふ。(日本書記)


 ニギハヤヒノミコトの裏切りとナガスネヒコの死により天孫族による大和地方の支配が確立したこの事件こそ、オオクニヌシのヤマタノオロチ退治の真相だと同定するのです(↓脚註3)。


※三種の神器(草薙剣、八咫鏡、八尺瓊勾玉)のイメージ

 「鏡を神聖なものとして奉じる天孫族が、銅鐸を奉じる出雲族に勝利し、支配のしるしである草薙剣を手に入れて大和地方を平定した」この一件こそが八岐大蛇退治の真相なのです。
 三種の神器のひとつとされる草薙剣は銅剣で、現在そのオリジナルはニギハヤヒノミコトの子孫とされる物部氏ゆかりの熱田神宮に安置されています。

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※脚註1:八つの頭と八つの尾となると世界にも類のない姿形です。
 頭だけなら七つの首をした「ヒュドラ」や「黙示録の獣」のような例はありますが・・・。

※レイ・ハリイハウゼン監督の映画『アルゴ探検隊の大冒険』から、金羊毛を守るヒュドラ

※脚註2:この本にはありませんが、八岐大蛇の赤い眼と爛れた腹は青銅器鋳造に関係する事実を現しているかもしれません。八岐大蛇の尾から草薙剣は出てくるのですから。
 古代において鍛冶に関する技術は当時最高の軍事機密のため、徹底的な情報統制が敷かれていたと思われます。
 八幡宇佐神宮御託宣集によれば、欽明29年(西暦568年)の託宣に曰く『豊前国宇佐郡菱型池の辺、小倉山の麓に鍛冶の翁有り。奇異の瑞を帯び、一身と為て、八頭を現す。人聞いて実見の為に行く時、五人行けば即ち三人死し、十人行けば即ち五人死す』とあります。これによれば『鍛冶の翁が変じてその頭が八つになり、噂を聞いて見に行った者たちの半数が死んだ』というのです。見に行った者が全員死んでしまっては、話を持ち帰って伝えるものがいなくなるので『きっちり半分だけ殺す』というのです。これ『二度と近づくな』という警告でしょう。

※脚註3:八岐大蛇退治の真実がこの本の通りだとすれば「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征に草薙剣を持って行ったのは偶然ではない」という結論に達します。ナガスネヒコを殺して奪った草薙剣は大和地方を征服した証(あかし)ですから、これを見た東夷たちの戦意を失わせるに充分な効果があったはずです。
 そういえば日本武尊も、素戔嗚尊(スサノオノミコト)と同じく酒の席での騙し討ちで熊襲に勝っています(しかも女装して!)。どうやら天孫族は騙し討ちを戦の常套手段としているようです。

梅原猛『神々の流竄』集英社文庫/昭和60年12月20日第1刷発行(その①)

2019-04-18 07:17:02 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
 梅原日本学のスタートとなった気鋭の論文です。

 改めて読んでみると、今では常識となった感のある部分や明らかな誤りと思われる部分もありますが、この発想の斬新さは素晴らしい!
 虚心に文献を読んだ結果、古代史が覆るような新事実が次々と現れてくる、まさに『知の冒険』の書です。
 自分たちがいかに先入観に囚われていたのかをまざまざと思い知らされます。


※梅原猛『神々の流竄(るざん)』集英社文庫/昭和60年12月20日第1刷発行

 知の冒険は、古事記、日本書記、続日本記の3書を精査することから始まります。
 この3書は成立がごく近いのです。


※年表:古事記、日本書記、続日本記の成立年代

 古 事 記 (和同5年/712年成立) 全3巻 神代から推古天皇の治世まで
 日本書記(養老4年/720年成立) 全30巻 神代から持統天皇の治世まで
 続日本記(延暦16年/797年成立) 全40巻 文武天皇から桓武天皇の治世


※皇統譜(第34代舒明天皇から第40代桓武天皇まで・・・なお、第33代が推古天皇)

 続日本記を読んでみると日本書記のことは(たった一行)記されているものの、古事記については全く記されていないといいます。続日本記の記述は簡潔なものが多いのですが、全くの欠落はありえるのでしょうか?
 これはどういうことだろうか、という問いが生まれます。ひょっとしたら古事記は公にできない記録なのではないか、私たちは古事記の記述を『本当のこと』と思っているが、果たしてそうだろうか、と。
 神代の話は多分に創作であるかもしれないが、何らかの意図をもって書かれたはずなのだから、その意図を探る作業が必要だ、というのです。
 そして出雲国風土記(天平5年/733年成立)に出雲神話の有名な話がほとんど載っていないことに驚くのです。

 これが、記紀に語られた出雲神話なるものであるが、奇妙なことには、このスサノオのオロチ退治の話も、オオクニヌシの国譲りの話も、『出雲国風土記』には、全く書かれていないのである。


 その土地の伝承をまで記した風土記に「スサノオのオロチ退治の話が書かれていない」などということがあるのでしょうか?


※島根県西部および広島県北西部に伝わる石見神楽(いわみかぐら)に登場するヤマタノオロチ

 また、『出雲国風土記』冒頭にはオオクニヌシの奇妙な言葉が記されている、と紹介されています。

 天の下造らしし大神、大穴持命、越の八口を平け賜ひて、還りましし時、長江山に来まして詔りたまひしく『吾が造りまして、命らす国は、皇御孫の命、平らけくみ世知らせと依さしまつらむ。但、八雲立つ出雲の国は、我が静まります国と、青垣山廻らし賜ひて、玉珍置き賜ひて守らむ』と詔りたまひき


 越の国まで平らげ、天下の覇者になったはずのオオクニヌシが、その国を全て皇孫に譲って『出雲の国だけは自分の静まる場所として守らせて欲しい』と乞うている、というのです。

 出雲神話の場所が出雲の国ではないとしたら、それはどこの話だったのでしょうか?
 『それは大和の国の話であった。大和の神々はその祀られた土地を追われ出雲に流されたのだ』というのが、この論文の主張なのです。

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Halford(ハルフォード)『Resurrection(リザレクション)』・・・2000年リリース

2019-04-11 06:50:12 | 洋楽邦楽を問わず音楽はイイ
 今までイロイロご紹介してきた『Judas Priest(ジューダス・プリースト)』 ですが『God(ゴッド)』と尊称される彼らも、これまでの歩みが順風満帆だったワケではありません。

 傑作アルバム『Painkiller(ペインキラー)』 をリリースした後、レーベルとの契約問題から、ヴォーカルのロブ・ハルフォードが脱退するハメになってしまいます。衝撃的な出来事でした。

 ロブは新バンド『Fight(ファイト)』を結成、楽曲はより先鋭的で過激なものになっていきます。
 しかし、程なくして『Fight(ファイト)』は解散、新たに結成した『2wo(トゥー)』は鳴かず飛ばず・・・(↓脚註参照)。アメリカでロブの半ズボン姿(しかも自転車に乗ってる!)が目撃されるに至って「メタル・ゴッドが半ズボンは無いだろっ!」と幻滅したファンも多かったのでした。

 ロブの抜けたジューダス・プリーストはしばらくの休止の後、新たなヴォーカルにティム・オーウェンスを迎えて活動を再開しますが「ええっ?モダン・ヘヴィネスなのかっ?」といった印象で、その方向性は本来のファンの期待を裏切るものでした。当時、ジャギュレイターデモリションといったアルバムがリリースされたのを聴いて「ジューダス・プリースト?最近パッとしないなあ」と離れていったファンが多かったと思います。

 そんな時です。友人たちが騒ぎ始めたのは・・・。
 「ロブが結成した新しいバンド『Halford(ハルフォード)』は凄い!今やこれがジューダスよりもジューダスらしいバンドだ!


※Halford『Resurrection(リザレクション)』2000年リリース

 聴いてブッ飛びました。「俺たちの求めていたのはコレだ!」とかつてのファン達が飛びつきました。
 これがキッカケとなり、ロブ復帰の気運が高まり、ジューダス再生へとつながった記念すべきアルバム、その名も『Resurrection(リザレクション)』文字通り『復活』です。

 では聴いていただきましょう!超音波の雄叫びを!(ライヴ・ヴァージョンでどうぞ!)
 

※Halford - Resurrection (Live at Rock In Rio)

<収録曲>
1.Resurrection     
2.Made In Hell     
3.Locked And Loaded
4.Night Fall     
5.Silent Screams   
7.Cyberworld    
8.Slow Down    
9.Twist       
10.Temptation   
11.Drive   
12.Saviour   
13.Sad Wings
14.Hell's Last Survivor

 オススメは1,2,7,13,14です。

※脚註(ご参考)


※ロブ・ハルフォードの当時のアルバム
 左の2つは『Fight(ファイト)』時代のもの、右端は『2wo(トゥー)』時代のもの(うわっ!売れなさそう!)

<関連記事>
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※Judas Priest "Painkiller(ペインキラー)"・・・1990年リリース
※衝撃に備えよ!・・・Judas Priest 4年ぶりの新作『FIREPOWER』3月7日(水)リリース!
※Judas Priest 4年ぶりの新作『FIREPOWER(ファイアーパワー)』
※JUDAS PRIEST(ジューダス・プリースト)来日公演決定!
※Judas Priest大阪公演のチケットをゲットしました!
※JUDAS PRIEST(ジューダス・プリースト)ジャパン・ツアー2018が始まりましたっ!
※ジューダス・プリースト・ナイト|JAPAN TOUR 2018 /11月26日(月)大阪国際会議場メインホール