吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

HIBRIA(ヒブリア) ”DEFYING THE RULES” (2004年11月28日リリース)

2018-06-28 07:18:50 | 洋楽邦楽を問わず音楽はイイ
 前回DragonForce(ドラゴンフォース)を紹介したところ、読者の皆様方から『イマイチ物足りーん!』というお叱りを頂戴したので、手持ちのアルバムの中から『これでどうじゃ!』というものを捜してきましたよ!

 メンバーの大量脱退でもはや解散かというウワサのHIBRIA(ヒブリア)ですが、そのデビューアルバム "DEFYING THE RULES" をご紹介しますっ!


※HIBRIA "DEFYING THE RULES"・・・タイトルは暴走族風に『反則上等』とでも訳しますか。
 イラストが結構イイ加減(バイクなのにトラクターみたいなタイヤ!とか)なのはデビューアルバムならではです。

 1."Intro" – 1:56
 2."Steel Lord on Wheels" – 3:54
 3."Change Your Life Line" – 4:25
 4."Millennium Quest" – 6:51
 5."A Kingdom to Share" – 5:37
 6."Living Under Ice" – 3:45
 7."Defying the Rules" – 5:49
 8."The Faceless in Charge" – 6:58
 9."High Speed Breakout" – 5:01
 10."Stare at Yourself" – 7:45
 11."Hard Ride" – 3:48 (Pantera cover) (Japanese reissue only)
 12."Painted Skies" – 5:14 (Crimson Glory cover) (Japanese reissue only)

 ブラジルのパワーメタルバンドですが、このデビューアルバムは凄いですっ!
 世界中のメタルファンがこれを聴いて文字通り『ぶっ飛んだ』というからタダごとではありませんっ!



 とりあえず2曲めの "STEEL LORD ON WHEELS(スティール・ロード・オン・ホイールズ)" でその凄さを味わっていただきましょう!

HIBRIA "STEEL LORD ON WHEELS" - 10th ANNIVERSARY EDITION


 いかあっすかぁ。まさに『これならどうじゃ!』です。
 ANGRAといいブラジル凄いです。ブラジル恐るべし!

DragonForce "Reaching into Infinity(リーチング イントゥ インフィニティ)" 2017年リリース

2018-06-25 07:14:25 | 洋楽邦楽を問わず音楽はイイ
 どちらかというと激しい音楽が好きなのですが、聴くのはイギリス系のバンドが多いのです。
 同じ島国だからか?それとも湿気の高い風土に育つ者同志、感性が似るためなのかどうか?
 このテのアメリカのグループは単純な『力への信仰』モロ出しで『コイツ等絶対アタマ悪いだろう!』と思ってしまうことが多い(←私の偏見です。分かってます⤵)。

 という訳で(どーゆーワケよ!)、今回はイギリスのバンド『ドラゴンフォース』をご紹介します。


※アルバム "Reaching into Infinity(リーチング イントゥ インフィニティ)"

 収録曲は
 1."Reaching into Infinity"
 2."Ashes of the Dawn"
 3."Judgement Day"
 4."Astral Empire"
 5."Curse of Darkness"
 6."Silence"
 7."Midnight Madness"
 8."WAR!"
 9."Land of Shattered Dreams"
 10."The Edge of the World"
 11."Our Final Stand"

 疾走感というのがヘヴィメタのウリですが、このバンドはハンパないよー。
 単純な速弾きではさらにツワモノはタクサンいますが、これだけ疾走感溢れる曲の連続でアルバムを構成してしまうのはこのバンドくらいでしょう。題名からして無限に手が届いているそうですから・・・とりあえず1曲聴いてもらいましょう!

DragonForce - Ashes of the Dawn


 このバンド、"Queen"のように頽廃的で耽美ぢゃないし、"Judas Priest"のように悪魔に呪われているワケでもない、未来を信じて突っ走るような雰囲気のバンドです(そこが私にはイマイチ気に入らない点ではあるのですが・・・で、発売から1年が過ぎての購入となりました)。『今日はちょっと体調が・・・』なんて時に聴くと元気になりますかしらん?

 日本版にはボーナストラックが付いてます()。
 この曲はZiggy"Gloria"のカヴァーですが、オリジナル曲と比べてみるとこのバンドの特徴がよく分かると思います。


 私の読者になって戴いている方の中には『クラシックしか聴かない』なんてヒトもいるので、あえて書きますと『カラヤンが指揮したぐらい速い』です。
 あ、途中で『私、英語の意味がワカルようになった!』と思っちゃマチガイです。
 そこは日本語の歌詞が一部残ってます(笑)。

川田喜久治『ルードヴィヒⅡ世の城』株式会社朝日ソノラマ(昭和54年9月29日初版発行)

2018-06-21 06:32:56 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護


 今では『ロマンチック街道』などと銘打たれて俗な観光地の代表となっている『ノイシュバンシュタイン』その他の城に関する写真集。



 この本の発行当時はこれらの城を知る人はごく少数だった。



 ノイシュバンシュタイン, ホーエンシュバンガウ, リンダーホフそしてヘレンキムーゼーの4城の写真が配され、これに(あの)澁澤龍彦が解説を寄せています。

 玉座の間に玉座がなかったように、あの豪華な歌手の間の舞台でも、少なくとも王が生きているうちは、一度として演奏会が開かれたことはなかった。一度として廷臣がここに群がり集まったことはなかった。
 そういう意味で。ノイシュヴァンシュタインはまさしく空虚な城なのである。ワグナーの主題による壁画を眺めながら、巡礼のように部屋から部屋を歩きまわるのは、ただひとり、この空虚な城に住む幽霊のような神経症の王だけだったのである。




 とはいうものの、城づくりに熱中するあまりバイエルンの財政を傾け廃された王に対する芸術家たちの評価は高い。
 そして建設当時『壮大な無駄使い』と評されたこれらの城が今ではバイエルンを支える観光資源となっているのだ。


 
 この写真集の冒頭にもポール・ヴェルレーヌの王を讃える詩が掲げられています。

 王よ、この世紀唯ひとりの真の王者たる、陛下よ、敬礼を受けられよ。御身は政治の事がらや、家の中に闖入する「科学」の狂気から、御身の理性が蒙った屈辱の、恨みを晴らしつつこの世を立ち去りたいと望まれたのだ。
 「祈り」と「歌」と「芸術」の、そしてあらゆる「抒情」の暗殺者たる、かの「科学」。そして御身は単純率直に、しかも花咲き匂う抒情にみちて、これをば屠り倒されたのだ。
 御身は詩人であり、戦士であった。諸国の王たちが取るに足らぬものに成りさがっている現世紀の、唯ひとりの王者であった。そして「信仰」に従う「理性」の「殉教者」であった。
 御身の比類を絶する栄誉に対して、恭しく敬礼。そして願わくば御身の霊魂が、壮麗にして晴れやかなるワグナー楽の調べにつれて、黄金と鉄のきらめく、誇らしき儀仗の葬列を従えられんことを。



※湖に立つ十字架がルードヴィヒⅡ世終焉の地を示す。

ふっかつ!藍井エイル 『流星 / 約束』発売!初回生産限定盤

2018-06-14 08:06:35 | 洋楽邦楽を問わず音楽はイイ
 誤嚥性肺炎という『80代かっ!』という病名で無期限休養していた藍井エイル(あおいえいる)が『ふっかつ』しました。"ソ-ドアートオンライン" シリーズの主題歌となった『流星』で活動開始、公式サイトも再始動です。

 夜中のTVCMで知って(いつのまに「好評発売中」!?)さっそく買ってきましたっ!


※藍井エイル 『流星/約束』発売!初回生産限定盤(CD/DVD/ブックレット付き)

 Disc1 CD
 1.流星
 2.約束
 3.ヒトカケラの勇気
 4.流星 instrumental

 Disc2 DVD
 1.流星 Music Video
 2.約束 Music Video

 伸びやかな高音健在、満足の出来です(どの曲も同じに聞こえるっちゃあその通りなんですが・・・)。

 ええもう聞いていただきましょう!


 武道館は行けませんが、関西であれば・・・行きます!


※出番を待つペンライト・・・もちろん青色!




【追記です】
 私は "ソードアートオンライン" は見ません。主人公がゲームの世界に・・・なんて使い古されたストーリーは今更ゴメンです。現在放映中のアニメ、ワタシ的トップ3は・・・。

 ①.ゴールデンカムイ:アイヌが集めた莫大な砂金の在処を示す地図は分割され脱獄囚たちの入れ墨になっている!?
   財宝をめぐってって日露戦争の英雄 "不死身の杉本" とアイヌの娘アシリパのコンビが繰り広げる冒険活劇。
   これに第七連隊の残党と、五稜郭の戦いで死んではいなかった土方歳三がカラム!・・・実に面白いンです。

 ②.ひそねとまそたん:少女たちがドラゴンを操縦して空を飛ぶ。
   空自は戦闘機に偽装したドラゴンを飼育していた(!)。
   違憲組織を描いているのが気に食わないが、これだけ荒唐無稽なら許す。
   操縦方法は何と、ドラゴンに呑み込まれて胃の中から操縦・・・って大丈夫かよ!?
   ときどき服が溶けてしまうのは、コレお約束!?。で、エンディングが実にお洒落!

 ③.魔法少女サイト:魔法のステッキを託された少女たちが(ステッキの渡し主である)サイト管理人と対決する。
   サイト管理人が不幸な少女たちに渡す魔法のステッキ・・・使った代償はなんと寿命。
   来るべき "テンペスト" 等ストーリーはまだまだ謎が多いのだが・・・。
   主人公の兄をはじめ "ゲス" な人間のオンパレードで、これが結構やみつきに・・・。

龍膽寺雄『風-に関するEpisode』奢覇都館1976年11月30日発行

2018-06-12 07:23:02 | 紙の本を読みなよ 槙島聖護
 私の愛蔵本から一冊紹介します。


※龍膽寺雄『風-に関するEpisode』奢覇都館1976年11月30日発行(美本/オリジナルセロハンカバー付)

 キリコの絵を表紙にするこのセンス、いいなあ。

 かつて神戸に奢覇都館(さばとやかた)という出版社があって、愛書家のための本造りをしていたのをご存知でしょうか?(いま気が付いたが住所は渦森台って・・・うわ、凄い近所!)この本はフランス装で、袋とじになったページを一枚ずつ切り分けて読むという手間の掛かる本なのです。当時の新刊(1,400円)を買ったのですが、いま見ると結構な値(古書価格)になっているようです。

 龍膽寺雄(りゅうたんじゆう)といってもご存知ない方が多いと思います。
 作家活動を行ったのはわずか6年間。「放浪時代」でデビューし次々と話題作を発表するも、派閥悪を実名で批判して文壇を去り、その後まったく沈黙したまま世を去った作家なのですから。

 この本については川端康成による評があるので、それを読んでもらうのが手っ取り早いでしょう。

 龍膽寺氏のメルヘンは、大部分が近代的な視覚から成り立っているのであって、それを裸にしてしまえば、思いの他に古いロマンチシズムの骨組が、新しいメルヘンの魂を支えているのを見ることもあるが、今度の「風」は、最も美しく成功したものであろう。廃港の海辺の広場と、木馬館と、貿易店と、高原と、軽気球と、風見の鶏と、甃路の旋風と、それからいろいろな科学器具で、華麗なアラビア風なメルヘンを織る作者の作風は、その価値を今の文壇で十分認められることが、あるいは少ないかもしれないけれども、作者自らの楽しさがそれをつぐなうに足り・・・・・・(昭和7年2月「新潮」掲載の「文芸批評」より)


 物語はこの木馬館を舞台に展開します。木馬館の女主人である壺婦人(つぼふじん)から、借金のカタに木馬館を手に入れた主人公は、そこを気球の格納庫にして、気流の研究に余念がありません。かつてこの街で悪名の高かった壺婦人も、今では木馬館の一室に家賃住まいをして、毎月の家賃も滞りがち(というか一度も支払っていない!?)、娘の真奈児の稼ぎで(・・・って何をさせているのか?)ほそぼそと暮している。意図的なものか偶然なのか、真奈児の見せる姿態に主人公はどうしようもなく誘惑されていく・・・。


※真奈児ってこんな感じ?①(アニメ「地獄少女」より)

 真奈児(まなご)は「放浪時代」に登場する断髪の美少女「魔子」を原型としているのでしょうが、その名前から雨月物語(蛇性の淫)を連想させます。ひょっとしたら娘を操っているのかもしれない壺婦人と真奈児の関係はヘロデヤとサロメにも似ているでしょうか・・・(ヘロデヤ『公主(ひめ)はようしてくれました』―――サロメより)。


※真奈児ってこんな感じ?②(山口小夜子)

 ラストの一節はこのように終わります。

 昼間の君のあの言葉のとおりだ。ワナは意外なところにある!そうだ、もしかするとわたしの足元に。でも、わたしもまた血の悪徳を信じるよ。そして、だから、断じて、危険と、―――
 そのくせわたしの眼は、華奢な女の子の頸すじに、皮膚を透してピキピク動いている、青い繊(ほそ)い静脈(すじ)まで、月の中で鋭く眺めながら!
 わたしはまた心でつぶやくのです。
「そうだ!何よりも今夜は、風がないからいけないのだ!」