吉良吉影は静かに暮らしたい

植物の心のような人生を・・・・、そんな平穏な生活こそ、わたしの目標なのです。

シン・東洋陶磁ーMOCOコレクション③青磁

2024-05-20 08:00:00 | 日々美しいものに触れようよ
②青花・緑釉・その他」からの続き
 見出し写真は青磁陽刻菊花文椀(↑)です。


※青磁水仙盆
 天青と呼ばれ珍重される空の青を写した色を表現した盆です。この色は科学技術の発達した現代でも再現不可能とされています。さーらーにー、この盆は用途不明です。洗面器にしては小さ過ぎる・・・フィンガーボウルか❓はたまた「おまる」だったかも❓(笑)。
 無限に想像が膨らむ謎の名品です。


※青磁輪花椀
 花弁を形どったカタチが美しい椀です。


※青磁陰刻牡丹文輪花形盤
 同じ花弁のカタチを写していますが、こちはら盤です。
 北宋様式を模した高麗青磁です。


※青磁輪花形鉢
 こちらは鉢です。椀も盤も鉢も実にビミョーな違いなんですが名前が変わります。
 翡色青磁の代表作。


※青磁彫刻鴛鴦蓋香炉
 「おしどり」のカタチをした蓋が美しい香炉です。香を焚くと鴛鴦の口から煙が立ち上る造りになっています。


※青磁象嵌牡丹文梅瓶
 梅瓶は色々あります。これは白堆を象嵌して牡丹の花を描いています。


※青磁白堆雲文梅瓶
 瑞雲を描いたおめでたい梅瓶です。


※青磁象嵌竹鶴文梅瓶
 こつはら竹鶴文。中国の六鶴図のモチーフを写したもので、鶴のポーズは全部違います。


※飛青磁花生
 鉄釉で描いた模様が美しい高麗青磁の逸品。
 日本では飛青磁と呼ばれて珍重されました。


※飛青磁を模した抹茶ラテ
 隣接するカフェで注文できます。美味。


※カフェの窓から中央公会堂をパチリ❗
 これにて終了です。お疲れ様でした。



シン・東洋陶磁ーMOCOコレクション②青花・緑釉・その他

2024-05-18 08:00:00 | 日々美しいものに触れようよ


※青花龍波涛文(せいかりゅうはとうもん)扁壺
 明代永楽年間に景徳鎮で作られた扁壺。
 青の発色が鮮やかな逸品。龍のカラダを白抜きで表した斬新な表現です。


※青花龍牡丹唐草文(せいかりゅうぼたんからくさもん)双耳壺
 景徳鎮でもこれは時代が遡って元時代の作。堂々とした龍の姿が目を引きます。


※青花透彫龍文(せいかすかしぼりりゅうもん)紙筒
 こちらは朝鮮の青花。
 精緻な透彫を施した紙筒(しとう)です。


※青花龍文(せいかりゅうもん)壺
 龍の爪が5本あるので最高級の格式の壺になります。皇帝が使用したのかも。


※釉裏紅牡丹文(ゆうりこうぼたんもん)盤
 釉薬の下に銅で絵付けをした釉裏紅の大盤です。柔らかな淡い発色で上品な色合いを醸し出しています。


※緑釉楼閣
 副葬品として製作されたもの。
 四層の巨大な楼閣で、私の想像ですが多分「何分割かしたパーツを組合せたもの」だと思われます。


※三彩獅子
 いわゆる唐三彩。脚を噛む獅子のポーズが何だかネコっぽくて愛らしい作品。



※加彩婦女俑(かさいふじょよう)
 彩色が失われたことで、かえってフォルムの美しさが際立ちました。指に止まった小鳥(失なわれています)の歌声に耳を傾ける様子が愛らしい作品。


※大甕・・・これは日本の作品、越前窯の大甕です。


※ルーシー・リーの器
 東洋陶磁美術館にこれがあるとは知らなかったでしょう。ルーシー・リーの器も置いてあるンですよ。

③青磁」に続く



シン・東洋陶磁ーMOCOコレクション①天目茶碗・青花・粉青

2024-05-16 16:00:00 | 日々美しいものに触れようよ
 大阪市立東洋陶磁美術館にて開催中の「シン・東洋陶磁」展に行ってきました。
 目玉はもちろん国宝油滴天目茶碗ですが、それ以外もスバらスゴい作品ばかりですっ‼️


※これが有名な油滴天目(ゆてきてんもく)茶碗ですっ‼️
 裏面も見られるように台が鏡になってます。


※木葉天目(このはてんもく)茶碗です。
 ホンモノの桑の葉を置いて焼き上げた茶碗で、細かい葉脈まで写し取られています。植物標本のようですね‼️


※青花虎鵲文(せいかとらかささぎもん)壺
 青花はコバルト顔料による絵付けです。
 伸びやかな筆致がいかにも高麗らしい逸品です。


※青花辰砂蓮花文(せいかしんしゃれんかもん)壺
 青い蓮葉はコバルト顔料、紅い蓮花の部分が辰砂です。辰砂と言っても水銀ではなく使われているのは酸化銅です。還元焼成により部分的に緑色に発色しているのも味わいがあります。


※青花草花文(せいかそうかもん)面取瓶
 瓶の周囲を八角形に面取りした作品。
 伸びやかに描かれた野草の絵が愛らしい秋草手の名品です。


※粉青線刻魚蟹文(ふんせいせんこくぎょかいもん)瓶
 ちょっといびつな形に趣のある高麗製らしい作品です。


※粉青鉄絵魚文(ふんせいてつえぎょもん)深鉢
 悠然と泳ぐ魚の絵が素晴らしい作品です。鉢の中にも描かれているので、斜め上からのこの角度からがベストショットです。
 
 実は私、魚の絵付が好きなんです。
 では、青花の名品をムービーでご覧ください。

※青花蓮池魚藻文(せいかれんちぎょそうもん)壺・・・回ってます。

 素晴らしいですね🎵


初夏の六甲高山植物園

2024-05-15 20:16:00 | 日々美しいものに触れようよ
 今年また、六甲高山植物園に行ってきました。

 ミズバショウの花は終わって、ヒマラヤの青いケシには早すぎる、今はどちらかというと「あい」の時節ですが、見るべきものは多いです。


※ミヤマオダマキが咲いていました。

※ミヤマオダマキの株。


※グロブラリア・コルディフォリア


※イリス・クリスタータ
 高山植物なので凄く丈が低いアイリスです。


※タテヤマウツボグサ


※チングルマが綿毛状になっていました。


※ミヤギノハギ


※クリンソウの群落。

※サラセニアの花が咲いていました。

※サラセニアの花のアップ。
 食虫植物ですが可憐な花です。

※ムジナモが水槽の中で揺らいでいました。

※マムシグサの一種。

※これはユキモチソウ。サトイモ科です。

※クマガイソウの花。蘭科の花です。

※クマガイソウの花のアップ。

 穏やかな初夏の一日を楽しみました。






















陰陽師0(おんみょうじゼロ)

2024-05-13 08:00:00 | 映画・ドラマを観て考えよう
 遅ればせながら観てきましたよ陰陽師0‼️
 これは傑作です。

 陰陽師のハナシですから怪(あやか)しの世界をおどろおどろしく描いた作品かと思いきや、さにあらず。
 「陰陽道が当時の最先端科学だった」ことを観客にイヤでも思い知らせるツクリの映画になってます。

 陰陽道の基礎になるのは陰陽五行説です。これは世界を木火土金水の5つの要素から成り、それが巡って循環するという思想です。

 木生火: 木材は燃える
 火生土: 燃えると灰になる
 土生金: 土中に鉱脈ができる
 金生水: 金属は結露する
 水生木: 水で植物は育つ

 ここでヒトは木の属性を持つとされます。これらは物質が循環する組み合せです。これを木→火→土→金→水と五角形に配置して図に現します。五行相生(ごぎょうそうしょう)です。

 五行には相性の悪い組合せが存在します。これを五行相剋(ごぎょうそうこく)といいます。

 木剋土: 植物は土の養分を奪う
 土剋水: 土は池や湖を埋める
 水剋火: 水は火を消す
 火剋金: 火は金属を溶かす
 金剋木: 金属(刃物)は木を傷つける

 先程の五角形に相性の悪い組合せを線で結ぶと見事に五茫星のカタチになります。素晴らしい‼️これでこの世の仕組が明らかになりました。

 このように精緻な理論にて組み上げられた科学的体系こそが陰陽道の本質なのです。
 陰陽道が古代の科学体系であることが分かれば「オカルトとは何か」の答えも明らかになります。
 実はオカルトとは失われた古代の科学体系の瓦礫なのです。その理論が失われ、儀式や儀礼の端々だけが残っている、それがオカルトの本質なのです。


【ストーリー】
 陰陽寮生殺人事件の犯人捜しを任された主人公安倍晴明、彼の信条は「事実だけを見る」ことです。主観に左右される「真実」ではなく、客観的「事実」だけを観察し、合理的判断により事件を推理する、これはまさにシャーロック・ホームズの手法です。足跡を観察し、屍体を検分し、実に科学的に事件の真相を解明していきます。捜査手法自体が近代合理主義そのものを体現していますね~。

 さーらーにー、陰陽道の科学的解明が見事‼️

 呪(しゅ)は催眠暗示、術は無意識世界の心象風景での出来事。無意識の底で皆は繋がっている・・・。
 陰陽道の原理を心理学的に解明し、さらにはユングの提唱する集合的無意識の概念にまで観る者を誘います。

 そして、脇を固める俳優陣の豪華なこと‼️
 主役2人も決して大根ではありませんが、2人の演技が霞むくらいの達人業のオンパレードです。完全に主役を喰っちゃってます。吹越満をタダの門番に使っちゃうなんて完全に「豪華俳優陣の無駄遣い」ですわ(笑)。
 ぜひ観るべき映画です。