「帝国陸軍 戦場の衣食住」 学習研究社 2002年発行 より転記
飲料水の工夫
水の補給が困難な戦場では、兵員各自が腰につけている水筒が命の綱になる。
軍隊の行進は、50分間の行軍ごとに10分間の小休止を取ることになっている。
この休憩時に水分を摂取する際、注意すべき重要なことがある。
激しい行軍で体内の水分が失われているため、急いで一度の水を飲むと胃痙攣(いけいれん)を起こす場合がある。このため一口ずつゆっくりと噛むように飲むことが教育されていた。
また余裕のある場合には、3%濃度の食塩水をいれることが奨励されていた。
野戦での便所の構築
野営ないし露営を行う場合の排泄への対応は、マニュアルである「築営教範」に規定されている。
短期間と長期間に大別し、
短期間の場合は
大便と小便は共通した厠で行われ、兵員30~40名に対して幅30cm、深さ50cm、長さ1mの溝を掘る。
長期間の場合は、
大便と小便は別の設備が設けられ、大便用には12名に対し幅・深さ・長さ、それぞれ1mの溝を掘り、20cm間隔で踏み板を設置する。
短長期ともできる限り既存の資材を利用して囲いを作り、屋根をつけることが理想とされた。
衛生面ではクロール石灰の散布、ないし土をかける。
行軍中や戦闘中の用便は、衛生と防諜の面から地面に穴を掘ってからの排泄が義務付けられていた。
「落とし紙」は毎月150枚配給された。
陣地の便所
野外での排泄時に臀部を蚊に刺されることが原因で、マラリアにかかる患者が急増した。
このため蚊取り線香や火縄、軟膏が開発された。
地下陣地
高温多湿なため、陣地より離れた地上に設けることが多かった。地下にこもる戦闘では一斗缶を臨時の便器にした。
野戦の日用品給与
手ぬぐい 2ケ月毎 1筋
石鹸 同上 1個
歯ブラシ 3ヶ月毎 1袋
落とし紙 毎月 150枚
鉛筆 同上 1本
私製葉書 2ヶ月毎 20枚
角封筒 毎月 10枚
褌 毎月 1筋
飲料水の工夫
水の補給が困難な戦場では、兵員各自が腰につけている水筒が命の綱になる。
軍隊の行進は、50分間の行軍ごとに10分間の小休止を取ることになっている。
この休憩時に水分を摂取する際、注意すべき重要なことがある。
激しい行軍で体内の水分が失われているため、急いで一度の水を飲むと胃痙攣(いけいれん)を起こす場合がある。このため一口ずつゆっくりと噛むように飲むことが教育されていた。
また余裕のある場合には、3%濃度の食塩水をいれることが奨励されていた。
野戦での便所の構築
野営ないし露営を行う場合の排泄への対応は、マニュアルである「築営教範」に規定されている。
短期間と長期間に大別し、
短期間の場合は
大便と小便は共通した厠で行われ、兵員30~40名に対して幅30cm、深さ50cm、長さ1mの溝を掘る。
長期間の場合は、
大便と小便は別の設備が設けられ、大便用には12名に対し幅・深さ・長さ、それぞれ1mの溝を掘り、20cm間隔で踏み板を設置する。
短長期ともできる限り既存の資材を利用して囲いを作り、屋根をつけることが理想とされた。
衛生面ではクロール石灰の散布、ないし土をかける。
行軍中や戦闘中の用便は、衛生と防諜の面から地面に穴を掘ってからの排泄が義務付けられていた。
「落とし紙」は毎月150枚配給された。
陣地の便所
野外での排泄時に臀部を蚊に刺されることが原因で、マラリアにかかる患者が急増した。
このため蚊取り線香や火縄、軟膏が開発された。
地下陣地
高温多湿なため、陣地より離れた地上に設けることが多かった。地下にこもる戦闘では一斗缶を臨時の便器にした。
野戦の日用品給与
手ぬぐい 2ケ月毎 1筋
石鹸 同上 1個
歯ブラシ 3ヶ月毎 1袋
落とし紙 毎月 150枚
鉛筆 同上 1本
私製葉書 2ヶ月毎 20枚
角封筒 毎月 10枚
褌 毎月 1筋