広島県福山市鞆町「沼名前神社」(鞆の祇園さん)
茂平の港に年に一二度、観光汽船が入港していた。
茂平の波止場には、小さな漁船しかなかったので
大きな旅客船が目の前で見えるのは楽しかった。
波止場には乗る人や、見送る人や、見物人でにぎやかだった。
観光汽船は茂平の樋門の前に停まり、
荒神さん側から伝馬船で客を2~3人ずつ乗せて、本船へ運んでいた。
観光汽船は茂平から鞆へ行くということだった。
知らない鞆よりも、観光汽船へ一度乗ってみたい、その願望や気持ちが強かった。
鞆への観光船は、茂平の人たちの日帰りの物見遊山だと思っていた。
広島県・岡山県・香川県・愛媛県の、漁船や海上輸送の人達が、”海上安全”の信仰でお参りしていた、
ということを知ったのは、それから何年も後の事だった。
祇園さん参り
管理人は祇園さん参りに行ったことがないので、
姉に体験談を聞いてみた。
観光船でなく、隣家の漁船で行ったとのことだった。
姉の話・談2023.7.3
隣のおじさんの船に乗っていった。
おとうさんと私と、他に1~2人。
5~6人で行った。(茂平の漁船は定員自体が5~6人)
鞆に着いて降りる時が怖かった。
船からおりて、階段(雁木)を一段づつはいながら道まで上った。
それから鞆の町を歩いたり、お父さんが、土産や酒かすを買った。
帰るときも、船に乗る時がこわくていけなんだ。
管理人記・当時の港にポンツーン・桟橋は極少数で、
船を岸につけたら、船に飛び乗ったり、一枚板の上をあるくのが普通の乗船方法だった。
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鞆の祇園さん参り
「金光町史」
鞆の浦の祇園様に参詣する。
昭和30年頃まで須恵では、毎年一月と六月に参詣していた。
今は7月にバスで行く。
かつては、朝出て南浦港まで歩く。
予約してある運搬船天神丸・八天丸で鞆に行き、
参詣後、阿伏兎観音で御祈念してもらう。
船で北木・白石島を通って南浦港へ帰る。
30~40人ぐらいの一行である。
「金光町史・民俗編」 金光町 平成10年発行
祇園講
祇園講は福山市鞆の沼名前神社、通称、鞆の祇園さんへ参る講である。
祭神は疫病除けの神である。
毎年七月ここへの参詣を続けている地区は多い。
戦前は玉島から船で、戦後はバスで参っている。
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撮影日・2022.10.13
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