しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

五月五日

2023年05月05日 | 暮らし

「子供の日」の頃は、日本がいちばん季節のよい頃で、
自分が子供だった時も季節感が楽しかった。
新聞紙で兜を折って頭にのせたり、
山に行ってカシワの葉をとってくれば、母が柏餅を作ってくれた。
家の裏にため池があり、そこから菖蒲を少し切り取った父が
束ねて屋根に投げた。
風呂に入れていい香りの湯がしていた。
鯉のぼりを立てる家があったが、鯉は一匹だけ泳いでいた。
今のように三匹いなかった。

 

(笠岡市北木島町 2023.4.22)

 

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「福山市引野町誌」  引野町誌編纂委員会 ぎょうせい 昭和61年発行


五月五日
端午の節句、男の子の祝いで、
よろい、かぶとなどを床に飾り、
鯉のぼり、のぼり旗、吹き流しなどを戸外に立てて祝う。

この日朝早くせんだんの木、よもぎ、菖蒲を束ねて上巳の節句と同じ場所にさす例がある。
せんだんは賢く、
よもぎは病気をしないように、
菖蒲は強く育つようにとの願望からといわれている。
この日は、
ちまき、かしわもちを供え、菖蒲湯をたてて入浴する。

 

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(里庄町つばきの丘 2023.4.23)


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「金光町史・民俗編」 金光町 平成10年発行

菖蒲の節句
五月五日は男の子の節句。
床の間に武者人形や兜を飾り、粽(ちまき)や赤飯を供え、菖蒲を立てる。
神棚にも菖蒲を立てる。
屋外には鯉幟や旗の幟を上げる。
登の上に猿のぬいぐるみを一つ付ける。
菖蒲、茅、ヨモギ、センダンを束にして屋根の四隅に放り投げる。
これは、
火災除け、魔除け、邪気を払うという。

 

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(総社市農マル園芸 2023.5.2)

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「鴨方町史」  鴨方町 昭和60年発行

端午の節供

初節句のとき、嫁の里から鯉のぼり旗、
あるいは武者人形・かぶと・弓矢などを贈って来る。
六条院では、菖蒲にヨモギとセンダの枝を添えて神棚に供え、屋根の上に投げるという。
菖蒲とヨモギを藁でゆわえて屋根に投げるところが多い。
魔除けである。
この日は菖蒲湯をし、
女の人は髪を洗って、菖蒲で束ねて乾かしたという。
鯉のぼりは半月から一か月くらいの間立て、
節供がすむとしまうのが普通。
念の入った家ではノボリも立てた。
一般には、矢車や吹き流しなどはなく、紙幟であった。
だから風が少しあれば真一文字になって、景気のよい音をたててはためいていたという。
子供たちにとっては、
真田組みや農作業の手伝いもなく、飛び回って遊べる日であった。
菖蒲で鉢巻きをして遊んだという。


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