茂平のイチジクには他所にない特徴があった。
二種類のイチジクを栽培していた。
江戸時代に中国からはいった赤トーガキ。(東洋)
明治時代に欧州からはいった白トーガキ。(西洋)
赤トーガキは、生食で出荷。
白トーガキは、干しイチジクに加工して出荷。
白トウガキは糖分が多くつまみ食いをするには、こっちのほうが美味しかった。
が、白い汁がきつく秋になるとよく口が切れていた。
(父の話)
白トウガキは何処の家もうえていたのではない。
赤トウガキに比べると土壌に向き、不向きがあった。
つくるのは赤トウガキよりいたしいくらいじゃ。
水もいるし、新涯みたいなとこでないと採れなんだ。
夏から採って始めていたが、珍しいといって大阪から大学の先生が見にきていた。
秋になると山陽新聞が記事の取材にきていた。
2000年08月01日
(父の話)
イチジク
これの寿命は長い。えださえ切ってやっとればいつまでも大丈夫だ。
茂平のイチジクは色も違う、味も違う。
新涯が主でちょっとだけ塩分を含んだ土地なんで、糖度がよそのより良い。
2000・5・14
予防の薬が良うなった。
薬がかわっただけじゃ。
2000・9・10
いちじくはなんもせんでええ。ほっぽりなげじゃ。
冬の選定、(ありすぎる)葉っぱを落とす。予防する(桃などにくらべ回数がすくない)。あとはほっとく。
楽でゼニになる。
2001・2・11
冬に剪定をして。
肥をして。
肥は昔神戸から人糞をもってきょうた。あれはえかったのう。
冬はよう「くそ船」がきょうた。
新涯の畑の肥壺へはねうつしょうた。その中へ潮水をちょぼっと入りょうた。潮水を入れるとカリがあってええ。
エエ肥になるんじゃ。
春は畑の草取り。
夏に予防して。
芽を間引いて。「めこぎ」。
(実が)成るようになったら水をやる。
秋に出荷。
金になる、相場がええ。
2002年6月23日
「岡山の食風俗」 鶴藤鹿忠 岡山文庫 昭和52年発行
イチジク
笠岡市茂平は産地で干イチジクにして出荷している。
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