昨日この作品の続編「東京SOS」を見たので、こちらも見なければと思い、現在日本映画専門チャンネルで
放送中の「ゴジラ」全作品放送枠で
録画したぶんを見る。やっぱり吉岡美穂より釈由美子のほうがいい。というか、
釈がこの映画のすべてだろう。目力(めぢから)が違う。アニメでこういうのをやると、ひょんなことにしても
ひょんなこと過ぎるだろう系、あるいは百戦錬磨という設定だが細部にリアリティのない、ぶっきらぼうでクールな女が
独善的に暴れ回るのだろうが、そういうのが苦手な俺には、釈の、リアリティの範囲内のキャラクターが魅力的に映った。
宅麻伸の役がちょっと浮かれすぎだが(アメリカ映画のイヤな部分みたいだ)、ナチュラルボーン反抗期・友井は良い。
劇中では科学的な説明がなされているものの、「ゴジラの骨格に肉付けすると、どうしてゴジラと同じような力を
得られるのか」がイマイチピンと来なかった。俺の頭が悪いせいか、芯に骨を使っただけの人形としか思えないのだが。
作品のメッセージを代弁する宅麻の娘役の生意気っぷりは、ホシノ少年系の出しゃばりではなかったので許容。
ただ、死してなお人間に利用されるゴジラの悲劇より、そのゴジラの出現によって犠牲になる無辜の人々の命のほうが
はるかに価値が上だと思うが、そういうことはあまり問題にならないのだろうか。
田中美里と永島敏行らをすんでのところで救う機龍のゴジラへのタックルには萌えた。ビル街などのミニチュアを
はじめ、特撮部分も充実。ゴジラ対機龍のメイン戦は、天龍革命当時の天龍(機龍)対ジャンボ鶴田(ゴジラ)の
ような醍醐味。特に釈の機龍搭乗後は、完全に彼女の独壇場。少年ジャンプ的精神論に至らない程度の熱さが美しい。
たたずまいがカッコいい機龍隊隊長はやっぱり声だけ竹中直人。
メカゴジラには大きく分けて三つあるが、俺にとって一番魅力的なのはやっぱりヒールのメカゴジラ、次いで機龍、
ダントツで一番つまらなかったのはGフォースバージョン(映画館で寝てしまった)。
今回ちょい役で出てくる杉作J太郎は、実はかなりいい声をしている。