森でスケッチ!
さわやかな五月晴れです。
今日はスケッチブックを持って森へ出かけました。
箕面の森の中で描いてみたい所は沢山リストアップしている
ものの・・・何分、不器用で感性も鈍いので・・・
いくら絵の先生に教えていただいても遅々として進歩しません。
でも、我ながらめずらしく毎週休まずに教室に通っていて、
飽き性の私がもう何年も続いているのですから奇跡です。
外院(げいん)の山里で初夏の風情を楽しんだ後、勝尾寺へ
山越えする旧参道へ入り、二つ目の休憩どころで一休み
しながらスケッチを始めました・・・
東に粟生間谷の集落、茨木から生駒山、金剛山などがくっきりと
見え、絵になる光景です。
リュックからスケッチの道具をおもむろに出すと・・・
急に後ろの方からウグイスが美声で励ましてくれたり・・・
心地よい風当たり、若葉の香り・・・
シ~ン とした森の中で、野鳥のさえずりを聴きながら、
まさに風薫る新緑の季節感を味わいながら描く・・・
もう最高の幸せ感です。
鉛筆でスケッチを描き始めて30分ほどした頃でした・・・
三人連れのオバサンたちが、賑やかにおしゃべりしながら上って
こられました・・・
嫌~な 予感!(笑)
* や~! 絵 かいてはるわ~ 見せて見せて・・・
と、覗き込んできた・・・賑やかに 突然失礼な・・・!
* ふ~ん・・・
それだけ?
そのまま横で人の噂話が始まった・・・
さっきまでの幸せ感が吹っ飛んでしまった。
私はこれを区切りに一枚目を描いたので気分を変えてみることに
して腰をあげました・・・
次はそこから「しらみ地蔵」前を経て、七丁石から南山(407.1m)
山頂に登り、お昼を食べながらスケッチを始めました。
箕面・船場の街並みが下方に見渡せ、その先には大阪の高層
ビル群が、まるで墨絵のように幻想的な雰囲気でたち、
その後方には奈良の山々が連なっていていい構図なのです。
ハイカーの方もいなくて気分も最高です。
やがて谷山を超えて才が原池に着くと、ここも絵になる光景です。
一人、年配のハイカーの方が描いている後を通りながら・・・
* ほ~ ええもんじゃの! ええ趣味でんな!
そう言って、ニコニコしながら帽子を取り、挨拶されていかれた。
こんなささやかな温かさのある交わりが好きだ・・・
余談だが・・・
そもそも私が絵を描いてみたい・・・と思った動機は・・・
もう何年も前のこと・・・
箕面の滝道でキャンバスを立てて油絵を描いていた一人の
画家に出会ったからです。
一目で絵に感動したのだった・・・すごい!
見た瞬間、心揺さぶられる思いがしたのが始まりでした。
気さくな方で、ニュージーランド在住の日本人の方とかで、
奥さんの出産のために箕面に数年住んでいて、もうすぐ帰国する
と話しておられた。
なんとも素晴らしい絵にすっかり心捕らわれて、いつしか自分でも
描きたいと思っていたのだが・・・
あれから数年が経ち、あの思いの日からやっといい先生にめぐり
合い、いまは全くの最初から油絵、アクリル画を教えて
いただいているところです。
そして記念すべき第一作が私の故郷 「信州・安曇野の風景」を
描けた時は、本当に嬉しかったものです。
やがて才が原林道を通り、化石谷の「望海展望台」に着き
最後のスケッチを始めました。
左右V字の山の谷間から双眼鏡で覗くと、遠くの大阪湾の波が
太陽を反射してキラキラと輝き、コンテナ船がゆっくりと漂っている
のが見えます。
緑豊かな箕面の森が、その新しい若葉で生き生きと輝き、
躍動しているかのように盛り上がって見えます。
やがて同年輩の女性ハイカーの方が上がってこられました。
* いい季節ですね・・・ いい絵ですね・・・
と、可愛い? 笑顔で挨拶してくれました。
言葉少なくとも、自然の風景、森の風情、それを描く行為を通して
、何か心が素直になれるように感じました。
自然と絵は、人と人との心をつないでくれるものなんだな・・・
と 実感!
改めて自分のスケッチを眺めながら・・・
下手でも エエ(絵・絵)じゃないか・・・!
来週もまた箕面の森のどこかで、懲りずにスケッチブックを
相手に格闘している私がいそうですが・・・?
'13 5.17