森の中のタイムカプセル!
箕面自然休養林の勝尾寺園地で一休みをしていました・・・
五月晴れの空を眺めていると、目の前に高さ20m以上もある
メタセコイヤ(アケボノスギ)の大木が数本見えます・・・
まっすぐに空へ向って胸をはっているような姿は、堂々とした
貫禄です。
この木は何でも中国原産の生きた化石といわれている一種とか・・・
古代からの木で、古い時代に絶滅したとされ、化石の発見しか
なされていなかった種とされていました・・・
それが1945年に中国で自生種が発見されて世界へ広がり・・・
今では日本の各地にも植えられているようです・・・
見事な円錐形に育ち、成長が早く、晩秋には見事な紅葉も見れて、
私はここへ来るといつも見上げているのです。
何気なく西の方向を見たときでした・・・
アレは何だろうか・・・?
丁度、園地の 「エコ トイレ」の裏手にあたり、少し囲いがあり、大きな
切り株のようなものが見えました。
いつもその横手を通って森に入るのに、今まで全く気がつきません
でした。
近づいてみると・・・ やはり巨木の切り株のようです。
そして、少し斜めに切った断面の中央に、何か埋め込まれているよう
です。
よくよく見てみると、御影石のプレートに何か文字を掘り込み、木に
埋め込んであります。
「 タイムカプセル
大青協20
-- 1979年から 1000年後の 木材業界へ --
1979年 3月 17日
大阪営林局
大阪木材青年経営者協議会 」
とあります。
何と30年前に、ここで1000年後の木材業界の人たちへ とした
タイムカプセルが埋め込まれているようです。
土台の切り株をよく見ると、直系は150CMぐらいで、年輪は少し
数えてみても 300以上あり、かなりの歳月を経てきた木のよう
です・・・
付いている樹皮は厚く、クスノキか、トチノキか、ヒマラヤスギか、
マツかのような起伏のある荒々しいものですが、樹種は分かり
ません。
この木の中にタイムカプセルが埋められているのでしょうか・・・ ?
どんなメッセージが入れられているのでしょうか・・・?
俄然興味が湧いてきましたが・・・
それにしても1000年後の未来の人へなんて・・・ 夢とロマンがあり
ますね!
1000年先とは・・・ どんな世界になっているのでしょうね?
このタイムカプセルを開く人はどんな人なのでしょうか?
その時、この箕面の森はどうなっているのでしょうか・・・?
そんなことを思いながら森を歩いていると、いつの間にかどこを歩いて
いたのか? 森の中で迷ってしまいました。
元の山道へ戻りながら再び考えてしまいました・・・
1000年も先の事など私にはSFの世界で、全く想像もつきませんが、
1000年前の過去の歴史なら分かります・・・
今から1000年前は丁度 平安時代ですね・・・
しかも、それよりまだ前の宝亀6年(727年)には、光仁天皇の皇子
「開成」が、この箕面に勝尾寺を創建されています。
さらに平安時代の流行歌を集めた「梁塵秘抄」には、勝尾寺・箕面寺
が「聖の住所」 とし収められている史実からみると、1000年も
前の事とはいえ、そんなにも天文学的な昔話でなくなるのが
不思議です。
ヨーロッパで1000年前と言えば、神聖ローマ帝国が成立し、
十字軍の開始の時期ですが、私の感覚からはかなり古く感じます。
しかし箕面寺・瀧安寺の創建は、今から1359年前の 白雉元年
(650年)とありますから・・・ 更に古いのにそうも感じないのは、
身近にあるからでしょうか・・・? 不思議な感覚です・・・
でも、改めて箕面山の存在とその歴史を再確認しました・・・
そんな箕面の山の歴史から見ると、1000年先の未来の人たちへの
このメッセージも夢物語でなく、しっかりと届くような気がしてきました。
私も何かタイムカプセルに入れて、この横にでも埋めてみよう
かな・・・?
素朴な疑問ですが・・・?
この埋めた切り株が朽ち果てた時・・・
(数十年で朽ちると思いますが・・・?)
その時、中のタイムカプセルがむき出しになるという事はないので
しょうね・・・?
それともプレートだけが残るのかな・・・?
'13 5/10