箕面の森の小さなできごと&四季の風景 *みのおハイキングガイド 

明治の森・箕面国定公園の散策日誌から
みのおの山々を歩き始めて三千余回、季節の小さな風景を綴ってます 頑爺<肇&K>

スカイアリーナからの山里風景!

2020-08-25 | *編集・春/5月
 

スカイアリーナからの山里風景!

 今日(30日)は、5月最後の週末です・・・

新稲(にいな)の山里にある禅寺の正面には、今月こんな言葉が

書いてあります・・・ 

 「 一人にひとつ  あなたの  いのち 」

含蓄のある言葉を、自分なりに改めてかみしめました・・・

その横には大阪青山大学の正門があり、若い学生達がそれを横目に

行き交っていますが・・・

 

山麓のスカイアリーナ(箕面市立第一総合体育館)に上がって、南の

方角へ振り向くと、そこにはもう180度視界の開けた大阪平野を一望

できます。

今日は少し風が強く吹き、空気が澄んでいるせいか?  

大阪市街の高層ビル群がとても近くに見えます・・・

関空のある泉南の山並みから 奈良の山、金剛山、東の生駒山まで

よく見渡せます・・・

正面には大阪ドーム(此花区)の丸屋根が、太陽を反射してピカリ!  

輝いて見えます。

 

ひとしきり遠望での眺めを楽しんだ後、すぐ下の山里に目を向けて

みました。

すると、いつもご夫婦で仲良く畑仕事をされている方が見えました・・・

今日はタマネギの収穫をしているようです・・・

 

頭上ではツバメが二羽飛んでいて、畑に下りると交互に何やらワラの

ような物をくわえてまた飛んでいきます・・・

双眼鏡で覗いていると、二羽の愛の巣づくりをしているようです・・・

羨ましいな・・・! (笑)

 

私は下に下りて、里歩きを始めました・・・

上空は風が強いのか?  スズメが三羽、東に向って懸命に羽根を

広げているのに、一向に前に進まず空中でホバリング状態です・・・

見ていると、とうとう諦めたのか?  風に乗って西の方へ飛んでいき

ました。   快晴の青空です・・・

もうすぐ梅雨・・・  と、天気予報を伝えていますが、その前の好天気

なのかもしれません?

 

新稲の牛舎前に下ってくると、乳牛が口をモグモグしています・・・

さらに プ~ン と、田舎のかぐわしい香りが・・・?  (笑)

その前方の畑には子供たちが沢山いて、賑やかに何かを植えて

います。

近づいてよく見ると、サツマイモの苗をみんなで植えているようです。

そう言えば毎年収穫時になると、子供たちの歓声と、土から掘り出され

芋の大きさ、不思議さにビックリしている童顔を思い出します。

いい経験をしている子供たちの様子が、微笑ましい・・・!

 

横の畑には背の高い ラークスパー(ちどり草)が・・・

その隣の畑にはジギタリスが、それぞれに一面に花咲かせ、初夏の風

なびいています。

花栽培農家の畑では、いつもいろんな花が咲いていて目を楽しませて

くれます。

 

私が再び道を戻り、山裾の畑の畦道を歩いていると・・・

先程、タマネギを収穫していたご夫婦の畑に耕運機が入っています。

そうか・・・!  

ここはこれから田植えの準備なんだな・・・!

そう言えば先年、収穫の秋にこのご夫婦と話したことがあります・・・

「・・・ 私らはスズメの分も見越して稲を育てています・・・」 と、目の前

スズメの大群を見ながらつぶやいていたのを思い出します・・・

 

 半月前に、箕面北部の止々呂美(とどろみ)や高山の棚田などでは、

すでに田植えが終わっていてビックリしましたが、この辺はこれからの

ようですね。

 

犬の散歩をしながら畦道を歩いてきた若い夫婦・・・

その後ろからは杖をついた老婆が散歩なのか?  ゆっくりと道端の

草花を探すように歩いています。

前回、子供たちが虫やカエル取りをして遊んでいましたが、今日は

まだみあたりません・・・

田畑の周りや畦道は、みんなの自然のオワシスのようです。

 

アザミの花がひときわ美しく咲いています・・・

その下には薄紫色のツユクサが咲き、黄色いタンポポがあり、近くに

ニリンソウ、スミレ、オニユリが一輪だけ咲いています。

ナズナやタゼリの花は終わり、スカンポ、イタドリ、ヒルガオ、

マムシグサノコンギク・・・?  フキが出てきました・・・

私はそんな畦道や土手、水路の回りの野草花を見ていると飽きま

せん・・・

 

 

おとうちゃん!

急に前方で大きな声です・・・  

見ると、おかあちゃん?  が、風呂敷包みを上げて叫んでいます・・・

どうやら別の畑で耕している おとうちゃんに、お昼のお弁当を持って

きたようです・・・

 お う ! 

おとうちゃんは手を休めて嬉しそうにしています。

あの畑の人は、いつも家族総出で稲を植え、刈り入れもしていて、

毎年私はそんな光景を目にしてきているので、全く他人に思えない

ぐらいです (笑)

それに、これから畦道で二人してお弁当を広げるなんて、羨ましい限り

です。

いいですね・・・! (笑)

こんな山里の風情を垣間見ていると、ホンワカ! と、心が温かくなり

ます。

 

すぐ近くのクスノキの大木かユーカリの木からか、ウグイスの澄ん

だ・・・ホー ホー ホー ホケキョ  ケキョ ケキョ・・・ の鳴声・・・

するとしばらくして北の森の中からも ホー ホケキョ ケキョ・・・ と。

どうやらそれぞれのウグイスの縄張りを主張しているようですが、

聞いている方は求愛と思うほうが心地よく・・・?  

素晴らしい森の独唱会にいるようです  (笑)

 

この辺は僅か1km四方の狭い山里ながら、市街地調整区域の為に

貴重な自然の営みや風景が保たれてきました・・・

東の外院(げいん)や粟生地区の一部にも同じような事がいえます

が・・・

 

都市近郊の農家も大変な事かもしれませんが、調整解除審議も

始まっていると聞きました・・・

山里の開発行為はいまや箕面市も例外ではありませんが、心痛み

ます。

大都市近郊の数少ない自然環境こそ保護し、市民の憩いと潤いの

ある生活環境を築いていく事こそ、行政トップのビジョンとミッションで

あるべきだと、素人ながら思うのですが・・・  

山里を歩きながらも気になっております・・・ ハイ! (笑)

 

教学の森から六箇山(松尾山)へ続く山並みを見上げていると・・・

4月のヤマザクラの咲くピンク山から、5月の新緑の黄緑山、

そして6月、これからは徐々に濃い真緑山へと移っていきます・・・

ついこの前までは赤茶の紅葉山、そして落葉した冬枯れ山を見てきた

ところなのに・・・ 

一年のサイクルが早く感じられます。

 

移り変る山並みや森の姿、その山里を見つめていると・・・

それは刻々と変化し、時を刻むが如く、その風景も二度と同じ光景を

見ることはありません。

人間と同じで、自然ともまさに一期一会の出会いであり、その時々を

心に大切に刻み、大事にしていきたいものだとつくづく思うのです。

 

 

「山里の ぬくもり畑 いつまでも」

「ツバメ舞う 愛の巣づくり 山の里」   (花詩)

  09-5.30 (完)

 

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