日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

死の迎え方を考える

2015年04月04日 09時32分05秒 | 日々雑感
 人間はいつか死を迎える。その際、苦しまずに死ぬことを願う。死の直前にはドーパミンと称するホルモンが分泌され、誰でも安らかに死を迎えることができるらしいが、問題はドーパミンが分泌されるまでの間がどのような状態にあるかである。ガンも種類によっては、何ヶ月も死ぬような苦しみがあるとのことだ。死の前に死ぬような苦しみなんて真っ平ごめんだ。
 夏になると、汗ばんだ肌に蚊が血を吸いにやってくる。手のひらで叩き潰すと、真っ赤な血が拡がることがある。これを見ながら、「この蚊はおいしい血を吸いながら、至福の瞬間に死を迎えたんだ」と思い、このような死に方が理想的と思ったことがある。老人が理想とする“ピンピンコロリ”の中でも、理想中の理想であろう。
 今回、フランスの北東部での飛行機事故において、8分間の急降下の後、アルプスに激突し、150名が亡くなった。“急降下の最中に乗客はどのような状態であったであろうか“の疑問に対し、テレビに出てくるコメンテータによって異なるが、10分間で2000メートル程度の降下はよくあることで、ほとんど気が付いていなかったと思われる。ボイスレコーダでも、衝突直前に悲鳴が記録されているとのことであるので、多分山肌が直前に迫ったことを窓から見て、悲鳴を上げ始めたと推測できる。亡くなった人々は真に気の毒ではあるが、せめてもの慰めは、一瞬の内に苦しまずに死を迎えることが出来たことであろう。老人であれば、理想中の理想の死に方である。
 さて、死後の世界はあるのであろうか。最近NHKで、臨死体験に関する特集があった。臨死体験は、実際に死ななかった人の体験談であるので、実際に死んだ人がどうであったかは、永遠に分からない。臨死体験とドーパピン分泌の関係はよく分からないが、その分泌は死の直前の生理現象であろうので、臨死体験とは関係ないように思える。
 死後の世界があるかないかは永遠に分からないであろうが、死後に安らかな世界が待っていると信じたほうが、安らかな死を迎えることが出来るであろう。“死後の世界はすばらしい。その証拠に誰も行ったきりで、戻ってこない”とのジョークは何度聞いても感心する。(犬賀 大好-117)