日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

出生率の向上を図るために早婚の推奨を

2022年06月18日 09時17分52秒 | 日々雑感
 厚生労働省は1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は2020年には1.34となり、5年連続の低下となったと6月4日発表した。

 日本では結婚してから出産する場合が大多数であるため、未婚化が進むと出生率が低下する。未婚化・少子化進行の背景としては、「雇用・経済情勢の悪化」や「進学競争の激化、教育費負担の増加」、「仕事と育児の両立の困難」といった様々原因が考えられている。

 終戦直後すべての日本人は貧乏であったが、一家の子供の数は多かった。しかし、経済的に恵まれている現代において少子化が進むと言うことは経済的な理由のみで子供の数が決まるわけではない。

 日本の現状を所得の高い世帯ほど子沢山率が高く、所得が低い世帯ほど1人しか持つ余力がないと分析している人もいる一方、母親の最終学歴が中卒、高卒、大卒と上がるにつれて、子供の数が少なくなっているとの調査結果もある。両者を信ずると、母親が高学歴になるほど一家の所得が低くなるとのおかしな結論になるが、少子化の原因は一言では片付けられない様々な要因が絡み合っている為であろう。

 昔から”貧乏人の子沢山”の諺がある。この諺の解釈はいろいろなされているが、ダーウィンの”種の保存の法則”に則った解釈が興味深い。すなわち、食生活が豊かになり、生活が安定すると成年男子の精子の数が減少すると言うのだ。逆に生活が苦しく生きていくのがやっとの環境においては精子の数が増えると言うわけだ。

 欧州や北米、オーストラリア、ニュージーランドで精子の数が1973年以来、60%近く急減したとの分析結果があるそうだ。原因は環境ホルモンではないかとの推測があるが、時代とともに生活が豊かになっていると解釈すれば、貧乏人の子沢山も納得できる。

 しかし精子の生殖能力は精液量、精子濃度、総精子数、運動率、直進運動率、総運動精子が関係しているとのことで、最近の精子数の減少があったとしても、少子化の原因になっているとは断定できないとも言われている。

 ただ、おおよそ35歳から精液量と精子運動率は有意に低下すること、女性の妊娠率も35歳を過ぎると急激に低下することは事実としてわかっており、少なくとも晩婚化が少子化の一因になっているのは間違いなさそうである。

 これを踏まえれば、出生率の改善には如何に結婚年齢を下げるかがポイントとなり、これに向けた施策が有効と思われる。出会い・結婚・妊娠・出産の支援、幼児教育の無償化等、社会全体で子どもを支える体制つくりが重要と思われる。

 政府は「子ども家庭庁」を創設し、これまでは厚生労働省や内閣府の子ども部局などを中心に複数の省庁が子どもをめぐる政策を一つの役所にすることで、スムーズに子ども政策を進めようとするのもその一環であろうが、縦割り行政をどこまで打破できるか極めて心配だ。
2022.06.18(犬賀 大好ー823)