日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

入管法の改正で外国人労働者が日本に押し寄せるか?

2019年01月23日 08時42分59秒 | 日々雑感
 安倍首相は入管法の成立を受けて、外国人労働者が日本に来て働きたいと思えるような環境を整えたいとの趣旨の発言をした。これまで、日本はアジアの中でも先進国として、誰もが働きたがる国と思っていたが、いつの間にか、日本に来て欲しいと思っても、他の国に行ってしまう状況になっているのだ。

 韓国や台湾等でも日本と同様に少子高齢化が進み外国人労働者を必要とする等、アジア各国は様々な理由で外国人労働者を招き入れしている。

 政府は外国人労働者を増やそうと入出国管理法の改正を急いだが、現状特に必要とされるのが介護職だ。介護職を外国人労働者により2019年度に5千人、同年度から5年間に5万~6万人の増員予定であるが、優秀な人材が集まるであろうか。

 高齢化が進む香港では、介護を担う外国人材の確保に積極的だそうだ。香港には公的な介護保険制度がなく、家族や外国人家事労働者が家事や育児の延長線上で介護を担っており、香港政府は介護のスキルを持つ外国人家事労働者を増やすことで、高齢化を乗り切りたい考えのようだ。香港で就労する外国人家事労働者は2016年時点で35万人であり、出身国はフィリピンやインドネシアが多いそうだ。

 また、台湾には2017年の時点で約68万人の外国人労働者がいるそうで、全国民の34人に1人に相当するそうだ。全外国人労働者の内3分の1は社会福祉関連、特に高齢者介護の仕事で働いているそうだ。

 その中でもインドネシア人が最も多く25万人であり、そのうち18万人が介護要員として働いているそうだ。ほとんどの場合、家庭に入って住み込みで高齢者の世話をしているそうだが、国や民間の老人介護施設が不足しているのか、老人は家庭で面倒を看る習慣がしみ込んでいるのだろう。

 お隣の韓国では2004年から外国人労働者を受け入れているが、受け入れ職種は農水産業、建設業、製造業であり、サービス業はごく一部の業種でしか就業が認められていないとの話であり、介護サービスは除外されているようだ。

 韓国は儒教精神が残るお国柄か老人を敬い家庭で面倒を見なければならないとする風習が強いのであろうか。しかし、女性の社会進出と共にこの風習も廃れ、外国人労働者が面倒を看る方向に変化していくだろう。

 また、シンガポールでは人口約560万の約4割を外国人が占めるそうで、その内1割は単純労働者だそうだ。国自体が若いこともあり、また高齢者の面倒は国や病院ではなく、子供が看ることを前提にしているお国柄か、ネット上には介護従事者の言葉は見当たらない。

 さて、外国で働く場合、良い労働環境や高い報酬は魅力的であるが、永住権が得られるのも最大の魅力であろう。この点日本と同様に、先述の東南アジアの国々は永住権を得られない仕組みになっているが、シンガポールの場合給与、労働条件に厳しいルールを設け、有給・病休、保険加入を義務付け労働者の保護に努める等、各国は様々な工夫をして招き入れている。

 アジアの先進国は介護職ばかりで無く、製造業等でも人材を欲しがっている。日本では特定技能1号や2号の制度を設け、魅力ある受け入れ制度にしようと努力しているようだが、この4月に制度が実施されようと言うのに、その具体案は未定だ。2019.01.23(犬賀 大好-514)

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