世界的に新型コロナウイルスが蔓延する中、3月14日、冬季北京オリ・パラが無事閉幕した。中国政府はこれも”機動的ゼロコロナ”対策の成果であったと誇る。
しかし、中国の衛生当局は3月16日、前日に確認された中国本土の新型コロナウイルスの市中感染者が3054人だったと明らかにした。オミクロン株が急拡大し、各地で事実上の都市封鎖や厳しい行動制限が相次いでいるそうだ。
機動的ゼロコロナ政策とは、徹底した隔離や強制検査で感染を抑え込む政策だ。厳格な国境管理とともに、地域で感染者が見つかれば隔離し、都市封鎖で移動を制限する。大規模なPCR検査をするほか、スマートフォンのアプリなどで個人の行動を管理する中国独自のやり方だ。
ここにきて、コロナ感染が急拡大しているのは、五輪が無事終了して、当局の報道規制が緩んだのか、コロナワクチンの効果が無くなったためであろうか。中国の国内事情の本当の姿はよく分からない。
感染者の拡大に伴い、3月14日、当局はコロナ診療の基準を改定し、軽症者は隔離の際に入院しなくてもいいと運用を変えた。オミクロン株の感染者には無症状や軽症者が多いとし、全員を入院させると、大量の医療資源を占用してしまう、からだと言う。これは日本でも同様だ。
ただ中国政府は、市民生活や経済活動を圧迫しても感染拡大を抑え込む機動的ゼロコロナ政策を維持する構えだ。中国人口約14億人の内、わずか3054人の新規感染者の発生で医療資源が占有されるとの報道に、用心深く先手を打っていると言うより別の違和感を感ずるが、実際には一桁以上の感染者が発生しているのではないかと勘繰ってしまう。
中国国家衛生健康委員会は2月19日、新型コロナウイルスワクチンの研究開発および接種状況の進展を踏まえ、ワクチンのブースター接種について、交互接種を開始したと発表した。中国製のワクチンは何種類かあり、3回目の接種はそれ以前のワクチンと異なっても良いとのことだが、これも世界の流れだ。
国の発表によると、2月18日時点での中国の2回接種完了者は12億3,254万人とのことであるので、ほとんどの国民が2回の接種を終了していることになる。また、2月7日時点でのブースター接種完了者数は4億5,984万人となっている。データを信用する限り、ワクチン接種に関しては世界から後れを取っている訳ではない。
それでは現在の感染者の急拡大の原因は何であるか。概して中国製ワクチンは海外では評判が悪い。これまで中国は新興国や途上国に自国製ワクチンを積極的に提供してきた。しかし、最近は接種後でも感染・死亡する人が少なくないとして、効果を疑問視する声も広がっており、中国のシノバック製ワクチンへの不信感が高まっているそうだ。
中国のシノバック製のワクチンではオミクロン変異株に対して十分な中和抗体が作られないと、香港の研究者チームが研究室での初期の試験結果として指摘したそうだ。2022.03.19 (犬賀 大好ー799)
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