3月10日、習近平国家主席は新型コロナウイルス肺炎の発祥あるいは発症の地、湖北省武漢市を初めて訪問したそうだ。そこで中国が新型コロナウイルスから脱出したと宣言すると、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日の記者会見で、新型コロナウイルスがパンデミック状態となったと宣言した。
この宣言のタイミングは中国では収束しているのに今更の感もするが、ちゃんと計算されていたのだ。
この事務局長は中国寄りとうわさされていたが、ここにおいても中国におけるウイルス騒動が一段落するのを待って、パンデミック宣言したに違いない。
中国での報道を信ずる限り、国内のウイルス騒動は落着したように思える。3月19日、国家衛生健康委員会は、国内の新型コロナ肺炎新規感染者は武漢市・湖北省を含めて18日にはゼロであった、と発表したからだ。
パンデミック宣言に際して事務局長は言った。韓国や中国は新型コロナのコントロールが可能であることを証明したが、検査能力や病院の収容能力等のキャパシティーやリソース、解決策不足のため、コントロールに苦労している国々があると指摘、強い対応が講じられないと、健康福祉システムが脆弱なアフリカの国々に拡散し、感染者数や死者数が爆発的に増加する懸念がある、と。
さて、WHOがパンデミック宣言をすると、関係各国はそれなりの覚悟を持って対策に取り組む努力が必要になる。この事務局長のパンデミック宣言に中国が含まれていないことが重要で、中国は自国の感染拡大を防止し、他国への支援の準備が出来ているので大いに中国に頼れと言っているのだ。
現に、中国は世界の流行国に支援物質を提供したり、医療専門家を派遣したりする援助に力を入れ始めているそうだ。3月12日、習近平主席は国連事務総長と電話で中国の経験を関係国と分かち合いたいと伝えたそうだし、東南アジア諸国連合やアフリカ連合にもテレビ会議を通じて感染拡大の防止策を伝えているようだ。
これらの行為は感染を世界に広げた国の責任を感じたからより、世界で最初に感染を克服した世界の大国であることを誇示するためであり、この機会に世界に中国を売り込むためのように思われる。
しかし、3月23日の新聞報道によれば、中国政府は統計の基準をウイルス検査で陽性と判定されても無症状の人を感染者として計上しない方針に変更していたとのことだ。この変更は既に2月7日に公表されていたとの話だが1か月以上にもなるのに、日本のマスコミから初めて知った。
ただし、本日の同新聞では武漢の感染者数がゼロと報道しているので、上記変更を疑っているのかも知れないが、中国のことだこの位のことはやるであろう。
世界の基準は検査で陽性と判定された人がすべて感染者となるが、中国では陽性と判定されても症状の出ていない人は他人に感染させる可能性が低いとのことで統計から除いているとのことだ。この理屈も、世界の基準は中国が作るとの驚くべき勝手な変更だ。パンデミック宣言を自国の商売に結び付けるとは実にしたたかである。2020.03.25(犬賀 大好-585)
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