日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

岸田首相は安倍元首相の亡霊に怯えているのか

2022年09月10日 09時42分14秒 | 日々雑感
 8日の衆参両院の議院運営委員会で、安倍元首相の国葬に関し岸田現首相は決定の経緯について答弁した。憲政史上最長の首相在任期間や選挙演説中の銃撃などの理由を挙げ国葬が適切だと判断したと述べたが、これまでの説明と同じであり、丁寧に繰り返しただけで、到底納得できる内容ではなかった。

 国葬と言うからには真っ先に過去の業績を上げるべきであろうが、最長の在任期間を上げるとは見るべき業績の無さを言っているようなものだ。確かに在任期間の長さ8年8か月は最長に間違いない。しかしこれは安倍政権前の民主党政権の不甲斐無さの為、国政選挙でも連戦連勝だったのは民主党のお陰であっただけだ。また、演説においてもトランプ前大統領と同様に歯切れがよかった。しかし敵を作って攻撃する手法も全く同じであり、テレビ受けしたのも確かであろう。

 さて業績であるが異次元金融緩和による景気浮上を最大の功績と持ち上げる人もいる。一面確かであろうが、美味しい所を先に摘まみ食いしただけであり、莫大な負の遺産を残していることも確かであろう。

 安倍氏の始めた異次元金融緩和の低金利政策は諸外国が金利値上げの方向にあるに拘わらず、日本は相変わらずゼロ金利政策を続けている。何か勝算があって続けているのならばよいが、続けざるを得ない状況に陥っているとの指摘もある。日本が1千兆円を越える借金を抱えているのに財政健全化を先送りしたのも安倍政権である。

 また外交面では、歴代の政権より海外出張が多かったのも事実であろう。プーチンロシア大統領との密接な関係を自慢していたが、従来の北方4島同時返還を北方領土の2島返還と妥協しプーチン氏の好意を期待したが無視された。日本の妥協を引き出したプーチン外交の大成功であり、この裏には脅かせば妥協するとロシアのウクライナ侵攻に自信を持たせたと勘繰ることも出来る。

 また、国葬開催の理由に、260を超える国・地域と機関から1700件以上の弔意が寄せられたと明かにし国葬をもってこたえると話し、来日する海外要人と会談し安倍氏が培った外交的遺産を受け継ぎ発展させる意思を示していくと力説した。しかし核拡散防止条約再検討会議や核兵器禁止条約への日本の態度、ロシアのウクライナ侵攻への無力さ等に対し、外交的遺産とは何かを説明してもらいたいものだ。

 自民党と旧統一教会の関りの深さが明らかになったが、関わった議員に安倍派が多かったこと等より、安倍元首相と旧統一教会の親密さも次第に明らかになった。岸田首相は両者の関係を巡り”本人が亡くなったいま、確認するには限界がある”と発言した。統一教会が安倍元首相の葬儀をやったとのこと、知りたいことはいくらでもある。本人が存命中でも自ら明らかにする筈もないので、限界まで調査すべきである。

 逆に安倍氏が亡くなった後、何の圧力もなく調査が出来る筈だが、今なお安倍氏の亡霊に怯えている感である。2022.09.10(犬賀 大好ー845)

80歳男の人生100年時代の過ごし方

2022年09月07日 09時38分09秒 | 日々雑感
 今年とうとう80歳になった。定職は無く最大週4日のボランティア活動の毎日であるが、今年の夏は高温多湿な過酷な毎日であり、人生100年時代と言われているが、こんな夏が毎年やってくるかと思うと長生きしたくは無いと思う。

 さて、日本は世界トップレベルの長寿国であり、厚生労働省によると昨年の男の平均寿命は 81.47年、女の平均寿命は87.57年となったそうだ。しかし前年と比較して男は 0.09年、女は0.14 年下がったそうだが、これは厚労省の分析では新型コロナウイルス感染症等が影響した為のようで、一過性だ。

 一方健康寿命とは健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことを言い、2016年の健康寿命は男性72.14歳、女性74.79歳となっているとのことだ。 2001年と比べてみると平均寿命も健康寿命も男女ともに延伸しているが、平均寿命と健康寿命の差は縮小していないようだ。

 男女ともに平均寿命と健康寿命の差はおおよそ10歳であるので、70歳以上の約半数の人は日常生活に健康上の何らかの不都合を抱えて生活していることになる。現在65歳以上の高齢者の人口は3640万人であるが、この内80歳以上1206万人、100歳以上8万人と急激に減少していく。人生100年時代と言われながらも、65歳以上の0.2%の人しか100歳を迎えられないことになり、希少価値がある。

 団塊の世代や団塊の世代の2世によりこれらの年齢層の人口はどんどん増えていくであろうが、比率としてはあまり変わらないであろう。2021年のデータによると、日本人の死因の上位3位は、がん、脳梗塞や脳血管疾患等の心疾患、そして老衰だそうで、全体の半分以上を占めており、近年老衰で亡くなる人が増えているようだ。これも医学の進歩によるものであろうが、現代医学でも老衰だけはどうにもならないのだ。しかし、万が一不老長寿の薬が出来たとすると恐ろしくもなる。

 老衰による死は、天寿を全うすることであり、眠るように死ぬイメージであり、それまで自立した生活を送りたいものだ。個人としてこの長寿時代を生きていくための処方はいろいろ記されているが、このような社会は歴史的にもこれまで経験したことがないため、理想論が目に付く。

 最期まで活き活きと暮らすには社会との関係性を維持することが重要であり、何らかの社会的役割を見出さなくてはならないとは本当であろう。この為には自立した生活が必要となるが、このためには健康ばかりでなくお金も必要だ。

 それにしても9月に入ったのにこの蒸し暑さは何たることか。これからの人生を考える気力も失せる。これも地球温暖化の影響かと思うと、人類の将来が暗くなる。2022.09.07(犬賀 大好ー845)

岸田首相よ「公正で、芯の通った政治」を思い出せ

2022年09月03日 09時41分06秒 | 日々雑感
 岸田文雄首相は8月10日に第2次岸田改造内閣を発足させた。当初内閣改造は9月になると見られていたが、世界平和統一家庭連合(以後統一教会と記す)と自民党の関係が思いのほか強いことが次第に明らかになり、沈静化の為急遽早めたと勘繰られる。

 新しい内閣では統一教会との関係が全く無い人が登用されると思っていたが、当協会は自民党に想像以上に深く浸透しており、人材不足で無関係者の中からは選出できなかったかったようだ。例えば、萩生田経産相は関連イベントで挨拶しており、山際経済再生担当相は統一協会の開祖・文鮮明本人も参加した韓国でのイベントに出席し挨拶もしていた等が明らかになった。日本経済の今後を託す二人の大臣が統一教会の関係団体で挨拶をしていたとは、逆に統一教会の活動の熱心さに驚かされる。

 自民党2日、党所属国会議員による統一教会との関係に関する点検結果の公表時期について、当初想定していた6日から来週後半以降にずれ込む見通しを明らかにした。延期は回答に曖昧さがあり再回答を依頼している等の理由だ。ここでも自民党のやる気の無さを感ずる。岸田首相は統一教会の件で総裁としてお詫びすると記者会見で述べたからには、期限内に徹底した調査をするように号令すべきであるが、まだ安倍元首相の亡霊に怯えているのであろうか。

 宗教団体と関わること自体は問題ないが、霊感商法や寄付の問題で被害者を続出している宗教団体の片棒を担いていたからには、徹底した調査と共に被害者を救済する手段も講ずるべきである。

 このような状況が明らかになり、8月29日岸田内閣の支持率が急落した。第2に内閣の発足後の記者会見で新内閣のネーミングを問われると、有事に対応する”政策断行内閣”と命名し、山積する政策課題に対応するとともに、自らの政策思想”新しい資本主義”の実現を目指すと語ったが、最近の言動では、その落差が大きく支持率の低下は当然だ。

 安倍元首相の国葬にしても、その理由を国会の場で丁寧に説明すると昨日の記者会見で述べたが、その場における説明は一言もなかった。恐らく説明内容は簡単明瞭ではなく、ごちゃごちゃと煙に巻く内容となろう。丁寧な説明とは納得させる説明ではない。

 岸田ビジョンと名付けた政権構想では「分断から協調へ」をテーマに経済格差や国際社会の分断を是正する「公正でやさしい、芯の通った政治」を掲げている。このすばらしいビジョンも目下名前倒れである。

 これも、自民党の旧安倍派や保守勢力に配慮し、思い通りに出来ない為かと同情する面もあるが、昔の小泉元首相を少しは見習って欲しい。郵政民営化を多数の国会議員の反対を押し切って成し遂げた。公正でやさしい、芯の通った政治をやれば世論はついてくる。
2022.09.03 (犬賀 大好ー843)