ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

アズマエビスの凱旋

2014-12-30 23:25:01 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
ここは この港のまちのへそ 港の奥の正面玄関 湾のまん中に浮かぶ島と 湾の東を区切る半島への 汽船の桟橋 そのまん前の公園   そのまん中の 初夏には淡いツツジの咲く丸い花壇の中心に沐浴する婦人の裸像が 大人しく落着いて遠慮がちに腰を落としている   その恥ずかしげな婦人の尻を 笑門来福 とばかりに満面の笑みをたたえ じっと見つめるストレンジャーが . . . 本文を読む

ベイシティはダンステリア

2014-12-30 00:04:52 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)
○プロローグ(アフタヌーン)   コーヒーカップに一杯分のコーヒーを淹(おと)し絵付の皿にクッキーを三枚並べる 妻は仕事に出かけ息子は優雅な午睡を眠る 今夜の食事の準備はとりあえず考えない 遠くで踏切が鳴っている 息子のかたわらに寝そべってともに優雅な午睡をまどろむのも悪くはないが そろそろ踊りはじめよう 時間は無制限ではない 可能性はいつまでも可能性ではいてくれない . . . 本文を読む