ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

ベイシティはダンステリア

2014-12-30 00:04:52 | 詩集湾Ⅱ(1993年5月20日)

○プロローグ(アフタヌーン)

 

コーヒーカップに一杯分のコーヒーを淹(おと)し絵付の皿にクッキーを三枚並べる

妻は仕事に出かけ息子は優雅な午睡を眠る

今夜の食事の準備はとりあえず考えない

遠くで踏切が鳴っている

息子のかたわらに寝そべってともに優雅な午睡をまどろむのも悪くはないが

そろそろ踊りはじめよう

時間は無制限ではない

可能性はいつまでも可能性ではいてくれない

 

○クライマクス(イーヴニング)

 

ダンスダンスダンス

ベイエリアはダンステリア

踊ったところが野外劇場(シアター)

道を行く人々が観客(スペクテイター)やがて共演者(スター)

 

ダンスダンスダンス

ベイエリアはダンステリア

舞台装置は漁船(フィッシャーボート)と砕氷塔

照明装置は集魚灯

 

ダンスダンスダンス

ベイエリアはダンステリア

ダンスダンスダンス

ベイシティはダンステリア

 

○エピローグ(ミッドナイト)

 

妻と息子と

川の字になって泥のように眠るはずだ

息子ひとり興奮して

ベッドルームがダンステリア

 

※詩集湾Ⅱ Ⅰ感傷旅行 から

 

2014年の注;これは、シンディー・ローパーか誰かの曲で、なんとかかんとかはダンステリアとかいうのがあって、タイトルはその真似。この前の「気仙沼は海のまほろば」で、「ドラマは自分で創るものだよレイデイ/ダンスは自ら踊るもの」と書いたそのダンスでもある。私も実はダンスが好き、なんだな。


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