夕刻高台の家の庭に立つ西の山なみから落ちた見えない夕陽の残影が稜線のかたちをくっきりと暗く象る川向かいの家々の北向きの窓と壁面が夕映えを反映してほの暗く浮かびあがる午睡から目覚めて映画のCGの背景のように芝居の書割のように実在の街が虚構のミニチュアに化す天然の光が光とも見えず壁面をかすかに照らし名残の光がまるでほの暗い白熱電球の照明のようにふと京都の金閣寺の向こうの山蔭からゴジラが現れると思った記 . . . 本文を読む
石垣りんは、1920年(大正9年)生まれだという。最初に読んだのは、どこでだったろう?国語の教科書だろうか?「シジミ」だとか、「表札」だとかは、確かに中学校だろうか、教科書で読んだ記憶がある。 現代詩文庫を、図書館で借りるかして読んでいる気もする。定かではないが、現代詩手帖だったり、どこかの雑誌で繰り返し目にしていることは間違いない。 高名な詩人である。 女流詩人、などという言い方は、昨今はしな . . . 本文を読む