これ自体は非売品で定価がついていない。発行元が、日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ-Japan Center of Education for Journalist)。代表運営委員は藤代裕之法政大学社会学部メディア社会学科準教授であり、この本の監修としてクレジットされているので、一般的には、藤代氏が編者としてクレジットされていてもいいケースなのではないかとも思う。
執筆者は、関根和弘(朝日新聞記者)、田中輝美(ローカルジャーナリスト)、山田雅俊(コムラボ代表理事)、與那覇里子(沖縄タイムス記者)、依光隆明(朝日新聞記者)。
はじめに、は、JCEJの運営委員である田中輝美さんが、執筆者を代表してということで書いている。
田中さんは、日本ではじめて、そして、唯一、ローカルジャーナリストを名乗っている人物であるはずである。
もっとも、日本にローカル・ジャーナリズムは多数存在し、各地域に根付いて、それぞれ重要な役割を果たしており、そこに働くジャーナリストも多数、重要な役割を果たしているというべきである。
しかし、田中さんが、それらとは違う「ローカルジャーナリスト」であると自ら宣言しているということ。そこにはひとつの矜持があるはずであり、独自の存在意義を意識しているはずである。そのあたりは、ご本人のオフィシャルサイトなり、著作なりを参照していただきたい。
いずれ、そのローカルとは、地域の中で完結してはいない、全国だったり、世界だったりに発信していく、発信元はローカルだが、発信先はグローバルということのようである。
私は、2017年2月に、JCEJが運営を担った講座「東北ローカルジャーナリストキャンプ」に参加させていただき、藤代、田中両氏をはじめ、担当デスクとしては社会学舎・開沼博氏から、取材、執筆までの懇切丁寧なご指導をいただいた。
その成果として、
という記事をまとめて、ヤフーニュースに掲載いただいている。
田中氏に倣って、「ローカルジャーナリスト」を自称し、ということは、第2号、ということかな、などと目論んだところもあるが、ちょっと挫けて、よし私は、「ローカルエッセイスト」で行こうなどと考えたところである。
で、このガイドは、5月に発刊されたということで、ジャーナリストキャンプの受講者として、ぜひ、手に入れて、手元において使いたいと、連絡してみたところ、市販はしない、JCEJで講習会をもった際にテキストとして使用する、その際に配布する、そういうスタンスを守っていきたいとのことであった。なるほどそれもありであろうと、再度、そのチャンスを待っていた。
そうしているうちに、この9月12日に仙台で、Yahoo!基金主催の「知らせる力プロジェクト『ローカルジャーナリストガイド』で学ぶ「書き手」講座」なるものが開催されるとのこと、さっそく参加して、入手したところである。
会場は、仙台市宮城野区の「みやぎNPOプラザ」。藤代氏とも再会でき、今回も有意義な機会となった。
さて、このガイドは、120ページほど、第1章は発見、第2章は取材、第3章は執筆、第4章は発信、第5章に心構えということで、コンパクトにまとめられている。
第1章の12ページの図に、「3つの重なりが、書くべきテーマの候補となる。」と記されている。「ヒト・モノ・コト」、「地域ごと」、「自分ごと」と3つの輪が描かれ、その重なりのところが「候補!」ということである。
地域の「ヒト・モノ・コト」というファクトにあたり、それが地域の人々と共有しうるテーマであり、かつ、それが、自分でも興味関心をもちうるテーマであることが確認できてはじめて、他に発信すべきテーマとなっていくということ。
詳しい内容は、実際に、講座に参加したうえで、冊子を手に取り、確認してほしい。
地域に住み、何事かを書いて発信してみたい、と思う人々には、大変に役に立つ構成であり内容であることは間違いない。
日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ-Japan Center of Education for Journalist)の公式サイトなり、フェイスブック等で、講座等の情報を確認していくことをお勧めしたい。
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