ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

夢の話

2014-10-12 12:24:23 | 肯定する

一匹のうさぎ

褐色で腹だけ白い

縫ぐるみのようにまるまると太って

耳を切りそろえ

耳をつかんで

 

耳が長すぎて垂れてしまわないように

ピンと立つ長さに切りそろえ

 

首も締めてしまえ

それから

こちらに寄こせ

 

ああ

まるまると太ったうさぎの

耳を切りそろえるところまではできるけれども

首を絞めるまではやりたくない

やらずに済ませたい

 

ピーターラビットのようにかわいいうさぎ

まるまると太って体長1メートルもあるようなうさぎ

切りそろえた耳をつかんで

(もちろん血はひとつも流れていない)

ずっしりと重いような

ふわふわと軽いような

 

なにかを考えているような

それなりの知識とそれなりの知恵を豊かに蓄えたような

できるだけ均一に選別され取りそろえられたうさぎ

6匹でひと箱

腹をみせて箱詰めにされて

野性のような

家禽のような

その両面を兼ね備えたような

かわいいうさぎ

生暖かいうさぎ

 

今朝がたの

ほっこりと暖かく

怜悧で

残酷な夢


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