そうだ
かまぼこ兵舎というのはあった
どうやら東京の下北沢近辺にあったらしい
というのは最近知ったことだが
アメリカ軍が日本に進駐して下北沢あたりに作ったらしい
前線近くに急ごしらえに作る兵舎だろう
テントよりはまし
くらいの感じで
かまぼこ校舎は
安波山のふもと
丘の上
内湾沿いの目立つ場所に
もとの保健所のところに
私立の女子高が立つことになって
充分な校地もなく
鉄筋コンクリートの校舎のうえに乗っけて
体育館も建てる
という
止むに止まれぬ応急対策のように
確か四十年以上も前で
現在の基準であれば認められたのかどうか
四階か五階建ての校舎のうえに体育館の乗ったかまぼこ校舎
気仙沼の
港町の
言葉の荒さよ気風の荒さよと
経済優先の文化の香りない町よと言い立てるひとが
枕ことばにもつかったかまぼこ校舎が
いつのまにか
気仙沼の内湾のランドマークとなり
取り壊す寂しさよ
と言揚げされることもあるらしい
わたしはそこまで思い入れをもつことはできないが
言われてみれば一抹の寂しさを感じないこともない
内湾地区の貴重な用地として
災害公営住宅の建築がこれから進み
かまぼこ校舎は間もなく取り壊される
かまぼこ校舎がその形をなくす
そこに
歴史の進展はある
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