ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

ある晴れた休日、朝

2016-10-24 13:57:16 | 2015年4月以降の詩

 

休日、朝

私の淹れたコーヒーほど美味いコーヒーはない

妻と遅い朝食のあと

読みかけの本を傍らにおいて

音楽を聴いて

 

ルー・リードの歌うPale blue eyes

ボズ・スキャッグズのYou got my letter

ブライアン・フェリーのTokyo Jo

ホール&オーツのWait for me

 

まあ、そんなところで

 

いつの間に

そんなことになっていたのか

ペーパードリップで淹れたコーヒーが美味い

そんな自足した生活みたいなことでいいものかどうか

疑問ばかりでもあるのだが

 

実際

車の上がらない丘の上の苫屋に暮らし

処遇は不満で

未来は確かでない

暮らしが成り立つのかどうか

確実な保証はどこにもない

あんなことも

こんなことも

満たされていないし

不満や不安は切りがないわけで

 

でも、コーヒーは美味く

音楽はここちよく

妻は美しい

谷川俊太郎が何度目の妻のことかわからないが

美しいと言ったように

私の妻は美しい

 

こんな満足は芸術とは程遠いものかもしれないが

この満足を満足すること

 

ここには何かしらの結論はある


最新の画像もっと見る

コメントを投稿