ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

カモシカが降りていく

2012-09-18 00:47:11 | 嫌いだ嫌いだ

カモシカが通る

庭を通って降りていく

鼻を鳴らす音がする


帰宅するときに
出くわすこともある

ふさふさした毛の
不均一な灰色の

しばらくにらみ合う

ここは山地が近い
海も近いが山も近い

カモシカが降りていく

今夜は
星が大きい
少し赤っぽく
大気層でゆらめく
熱の冷めない大気層で
星がゆらめく

多少は涼しい風が出ている
涼しい風が多少吹いている
なま暖かいというわけではなく
少しばかりは涼しい風が

こんな夜
カモシカは降りてくるだろうか
神々しい自然をまとって
いや
ひとの背丈よりは低い
なまなケモノだ
なにものかに
変身するわけでもない

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