土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

祇王寺、苔の緑が美しい、白拍子哀歌の尼寺です。

2013年11月11日 | 京都の古寺巡り



(2013.11.09訪問)


祇園精舎の鐘の聲 …、おごれる人も久しからず 只春の夜の夢のごとし …、

平家全盛の頃、清盛と二人の女性の哀れな物語のエピローグ …
白拍子、祇王祇女姉妹と母刀自は清盛の仏御前への心変わりで、都を追われここ嵯峨の山里で尼になり仏門
に入る。やがて仏御前も無情を感じ、十七歳の身で剃髪、尼の姿で三人の前に。四人は朝夕に仏前に香華を
供えてみな往生の本懐を遂げた。
そんな由緒の残る尼寺嵯峨の祇王寺を訪ねてみました。

清盛はイヤなやつですがしかし羨ましいやつですなァ。
おごれる人も久しからずの言葉どおり、その後の平家の末路は皆知るがごとし …。


▼ここの苔のお庭はたいしたもんです。紅葉も凄いらしいですけど。




[ 祇王寺 ]
●山号 高松山
●院号 往生院 (おうじょういん)
●寺号 祇王寺 (ぎおうじ)
●宗派 真言宗大覚寺派 大覚寺塔頭尼寺
●開創 平安時代末
●開山 良鎮上人(りょうちんしょうにん)
●本尊 大日如来
▲京都市右京区嵯峨鳥居本小坂32 TEL.075-861-3574
▲拝観料 300円 御朱印300円
▲JR京都駅から嵯峨野線にて「嵯峨嵐山」下車、徒歩約20分
 JR京都駅から市バス・京都バス「嵯峨釈迦堂前」下車徒歩約10分(京都駅前からバスで約45分)
嵐電四条大宮から「嵐山」終点下車 徒歩約20分


祇王寺縁起 (祇王寺HPから抄出)
現在の祇王寺は、昔の往生院の境内である。往生院は法然上人の門弟良鎮に依って創められたと伝えられ、
山上山下に亘って広い地域を占めていたが、いつの間にか荒廃して、ささやかな尼寺として残り、後に祇王
寺と呼ばれる様になった。祇王寺は明治初年になって、廃寺となり残った墓と木像は、旧地頭大覚寺によっ
て保管された。大覚寺門跡楠玉諦師は、これを惜しみ、再建を計画していた時に、明治二十八年、元の京都
府知事北垣国道氏が、祗王の話を聞き、嵯峨にある別荘の一棟を寄付され、此が現在の祇王寺の建物である。


▼分かれ道に建つ道しるべ。キーコヒーのサインが目立ち過ぎ!





▼細々とちょっとたよりげな参道、だけどここは尼寺いい感じ。





▼表門。ここからの拝観になります。





▼いきなり瑞々しい苔のお庭。









▼質素な茅葺きの山門。そうだここは尼寺いい感じ。





▼山門前に背の高い嵯峨菊の鉢が並んでいます。開きはじめと云ったところ。





▼竹林に沿って苔庭を巡ります。









▼苔のお庭。緑うねりの万華鏡。









▼草庵茅葺きにかかる青もみじ、もうすぐ染まり出すハズです。





▼草庵仏間、見えませんけど左仏壇に本尊大日如来がおられます。





▼草庵の控えの間の吉野窓。光の入り方によって影が虹色に映るそうです。





▼苔のお庭。









▼蹲。元気よく引き水が落ちてます。





▼染まり出してます。





▼左の宝篋印塔が祇王、祇女姉妹と母刀自の墓。右は清盛供養五輪塔。なんで清盛の供養塔?





▼いつの間にか参道左に竹林庭園「祇王の小径」が出来てました。売店ではお抹茶も頂けます。





▼新参道もきれいに出来上がってます。





▼御朱印です。




優しいお寺です。境内もけっして広くなく、美しい緑の苔に囲まれた草庵が一つ、慎ましやかにひっそりと。
と云えるのは今だけで周辺が深紅に染まりだすと一変するらしいです。さぞや祇王さんも面食らうんでしょうネ。

それではお隣の滝口寺を訪ねましょう。





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