土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

平等院鳳凰堂、平安の極楽浄土が甦りました。

2014年04月07日 | 京都の古寺巡り


(2014.04.05訪問)

五十六年ぶりの鳳凰堂大修理で、鳳凰が両翼を広げた勇姿が三年ぶりのお目見えです。丹土古色仕上げの濃
朱が陽に映え、阿字池対岸から見る鳳凰堂はまさに極楽浄土、経時古色を見慣れた現代人も、この見違える
ほどの変貌に創建当初の衆生のオドロキに似た感情に共感する方がいらっしゃるでしょう。キット!


▼ジャーン! 甦りましたよ鳳凰堂、平安カラーのなんと美しいこと!




[ 平等院 ]
●山号 朝日山 (あさひさん)
●寺号 平等院(びょうどういん)
●開基 藤原頼通 (ふじわらよりみち)
●開山 明尊上人 (めいそんしょうにん)
●開創 天喜元年 (1053年)
●宗派 単立
●本尊 阿弥陀如来坐像
▲京都府宇治市宇治蓮華116 TEL.0774-21-2861
▲拝観料 600円 御朱印300円
▲拝観時間 8:30~17:30  
▲HP http://www.byodoin.or.jp/
▲JR奈良線で「宇治駅」下車、東へ徒歩10分。
 京阪電鉄宇治線で「京阪宇治駅」下車、徒歩10分。

▼名店参道を抜けると表門広場に平等院石標。




平等院縁起 (平等院HPから抄出)
関白藤原道長が左大臣源重信の婦人から譲り受けた別業をその子頼通が、永承七年(1052年)にこれを仏
寺に改め、平等院としました。永承七年は末法初年に当たるとされ、末法思想が貴族や僧侶らの心をとらえ、
極楽往生を願う浄土信仰が社会の各層に広く流行していました。その翌年の天喜元年(1053年)には平等
院の阿弥陀堂鳳凰堂が落慶し、堂内には、平安時代の最高の仏師定朝によって制作された丈六の阿弥陀如来
坐像が安置され、華やかさを極めたとされています。約千年前に建立された建造物や仏像が今に伝えられ、
世界遺産にも登録されております。


▼朝九時過ぎの参道、参拝者はまだこの程度。





▼表門。





▼藤棚です。相当古い株のようで、紫満開はさぞやの感、一度見てみたいです。





鳳凰堂 (国宝) プロフィール!!
鳳凰堂とは中堂、南北翼廊、尾廊の四棟構成の阿弥陀堂。中堂須弥壇にはあの仏師定朝作の阿弥陀如来坐像
がど~んと。創建時に使われた赤褐色の顔料丹土で柱や扉を塗り、屋根の鳳凰像、金具類を金色に復元、屋
根瓦も光沢を抑えた「古色仕上げ」が施されており、シックな輝きが陽に映えています。


▼先ず正面から鳳凰堂。阿字池に映る姿も見てくださいネ!





▼枝垂も平安カラーに華を添えています。





▼中堂です。阿字池州浜も甦っています。





▼中堂のご本尊、阿弥陀如来坐像。せめて300ミリ欲しいですワ。





▼右正面から。





▼北翼廊と染井吉野。





▼少しアップで。





▼左正面から。





▼少し寄り気味で。





▼阿字池と州浜の汀。柱の映り込みがきれいですね。





▼阿字池の南東端から。





▼南翼廊と桜。左の太鼓橋から拝観者は入ります。





▼南翼廊と桜。





▼しつこく見せます。





▼中堂の屋根と黄金の鳳凰。この二対はレプリカ、実物 (国宝) は鳳翔館で展示されています。





▼知ってました? 鳳凰の鳳が雄、凰が雌と云うこと。ではどっちがどっち?





▼鳳凰堂対岸の人々。ほとんどの人がカメラを構えています。





少しだけ境内を回ってみましょう。
▼観音堂 (重文)。桁行七間、梁間四間、寄棟造、本瓦造。鎌倉時代。





▼観音堂須弥壇。中央内陣と左右脇陣の三部屋構成で、中央に観音菩薩立像、左脇陣に不動明王が安置され
 ています。





▼高台に建つ鐘楼。





▼梵鐘 (国宝)。鳳凰堂と同時期の鋳造。天人、獅子、唐草文様などの浮き彫りがあります。写真の梵鐘はレ
プリカ、実物は 鳳翔館で見ることができます。





▼梵鐘表面の浮き彫りです。





▼不動堂。塔頭最勝院の本堂です。





▼不動堂前庭の大きなボケの花。





▼不動堂本尊、不動明王立像。





▼ボケアップ。それにしてもきれいな赤です。





▼平等院ミュージアム鳳翔館。展示館は地下になっています。上屋はガラス張り、お寺の境内とはとても思
 えません。木造雲中供養菩薩像、鳳凰一対、梵鐘など豪華な実物が展示されています。





▼参道は人の列、入場券を求める人 人 人。午前十一時ごろの行列。








▼最後にしつこく鳳凰堂。





▼これでもか鳳凰堂。





▼御朱印です。





平等院を残した頼通さん考。
父道長の遺産を譲り受け寺院に変えた長男頼通は特に歴史に残る事業を成し遂げたと云う実績もなくやや影
の薄い存在ですが、たとえ父道長の後見があったとしても、関白を五十数年勤めたと云うことは並の二世で
はないようで、仏教への歓心、時に世情は末法時代、阿弥陀さんへの帰依強く、特に後世に平等院を残した
ことは評価しなければならないでしょうネ。

四月三日、鳳凰堂の内部拝観が再会され、午前八時半の開門前から人が並び、入場受け付けの行列が100m、
鳳凰堂入堂が最大で3時間待ちとなったそうです。今日ボクが訪ねたのは午前九時十五分ごろ、行列はまだ
なかったですが、出るときは凄かったですよ。平成の極楽浄土、一度ご覧になったらいかが。

そうそう書き忘れました。鳳凰堂尾廊だけは九月まで修理がかかるそうです。





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