土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

圓光寺、額縁庭園も色が無けりゃヤッパリ寂し~い。

2016年03月14日 | 京都の古寺巡り





(2016.03.12訪問)


春弥生とは名ばかりの冬枯れが残る京洛北の名刹を歩いてみました。春秋絶好シーズンの人人の群れからは想像もつかない閑散とした
名刹やその庭園は、ピンクのシャワー、緑の絨毯や鬱蒼の若葉青葉、とてつもない赤のグラデーションからはほど遠い、色のない静寂
の世界が広がっています。土中や樹々の枝々に、やがて来る生命の息吹が今や遅しと、秘めたエネルギーの解き放ちを窺っているよう
な、今日はそんな冬枯れ進行中の名刹のお庭偵察です。「出町柳」から叡山電車「一乗寺」で降りて東へ少々、ご存知、圓光寺と詩仙
堂へやってまいりました。
先ずはお庭巡り第1弾、平成枯山水庭と十牛の庭、圓光寺です。





▼山門。







[ 圓光寺 ]
●山号 瑞巌山(ずいがんざん)
●寺号 圓光寺(えんこうじ)
●宗派 臨済宗南禅寺派(りんざいしゅうなんぜんじは)
●開山 三要元佶禅師(さんようげんきつ)
●開基 徳川家康(とくがわいえやす)
●開創 慶長六年(1601年)
●本尊 千手観音菩薩坐像
▲拝観 500円 朱印 300円 
▲時間 9:00~17:00
▲http://www.enkouji.jp 
▲京都市左京区一乗寺小谷町十三番地 電話075-781-8025
▲市バス5系統「一乗寺下り松」下車 徒歩10分
 叡山電鉄「出町柳駅」から「一乗寺駅」下車 徒歩15分




            ▼寺号石柱。






圓光寺縁起 (圓光寺HPより抄出)
慶長六年(1601年)徳川家康は教学の発展を図るため、下野足利学校第九代学頭三要元佶禅師を招き、伏見に圓光寺を建立し学校とした。
圓光寺学校が開かれると、僧俗を問わず入学を許し、孔子家語、貞観政要などの書籍を刊行、これらは伏見版または圓光寺版と称され
た。当寺には、出版に使用された木活字が現存しており、我国出版文化史上特筆すべき寺院であるといえよう。その後、圓光寺は相国
寺山内に移り、さらに寛文七年(1667年)現在の一乗寺小谷町に移転。庭園は、山門を入ると枯山水「奔龍庭」が眼前に広がり、更に中
門を抜けると苔と紅葉で有名「十牛之庭」がある。水琴窟、栖龍池とともに洛北の静寂さをかもしだしている。





▼春が芽吹きはもう少し、手入れの行き届いた美しい参道です。







▼冬枯れと云っても二本の早咲き河津サクラは満開です。













▼参道石段を上りきると……、







▼ふくよかな十一面さんが迎えてくれます。枝垂れはまだつぼみ固し。







平成の枯山水、奔龍庭(ほんりゅうてい)が目一杯広がっています。
白砂を雲海に見立て、天空を自在に奔る龍を石組であらわした平成の枯山水。龍の頭部と背中付近にそびえ立つ石柱はかつて井戸の部
材として使われていたもの。荒く切り立った石柱は龍の周囲に光る稲妻をも表現し、庭園全体に躍動感を与えている。通常、庭園の境
界を示すために配されるはずの留め石は置かれずにこの庭園はあえて未完のままとされている。庭園を見る者がその余白を埋め、それ
ぞれの心のなかで完成させることを期待した作庭意図だろうか。
(圓光寺HPから抄出)

▼奔龍庭。僕のヘタな感想はなしです。         



















▼庫裏です。







▼書院玄関。







▼玄関襖絵。琳派を彷彿とさせる現代感覚で制作した作品。「琳派彩還」と呼んでるそうです。







▼小さな中門を潜るとそこには……。







▼書院とその前庭「十牛の庭」が。







▼趣味人がこよなく愛すると云う「圓光寺手水鉢」を利用した水琴窟。







▼たまたま檀家の法会から帰られたご住職が、拝観のおネーサン二人につかまりお寺の説明をしている一コマ。
 このご住職、気さくで親切な方、少しばかりお話をさせて戴きましたが、あちらは常に破顔一笑、おかげでこちらは気分爽快、
 あとは非常に結構な散策になりました。京都の寺院でもこういうご住職がいらっしゃると云うこと。







▼書院の仏間。






            ▼本尊千手観音菩薩坐像です。寺伝では運慶作と伝わるそうです。







▼書院の床







▼茶室。







書院前に広がる十牛の庭。
「十牛図」を題材にして近世初期に作庭された池泉回遊式庭園。周囲の山々を取り込んだおおらかなつくりは尼寺として長い歴史を持
つ圓光寺の寺風そのもの。庭園南側には洛北最古の泉水、栖龍池があり、先人たちはここからの眺めを絶景として褒め称えたという。
十牛図の牛とは、仏心をあらわしている。禅の悟りにいたるまでの道程であり、求めていた悟りは自らのなかにあったという物語だ。
(圓光寺HPから抄出)

▼書院から十牛の庭を眺めてみます。





































▼三年前の十二月、紅葉が残る十牛の庭です。最盛期はもちろんもっとマッカッカ!







▼お庭に降りてみましょう。     



















▼栖龍池。







▼お庭の続き。







▼童お地蔵ちゃんがコンニチハ。







▼お庭から書院を、樹々がスカスカで今はよく見えますネ。







            ▼圓光寺型灯籠も。







▼お庭から書院です。奥が仏間、次が茶室、そして障子戸を開けると中庭。







▼どこかしっとりした中庭ですネ。







            ▼手水鉢。







▼十牛庭の東に「播龍窟」と名付けられた坐禅堂。

 





▼播龍窟扁額。







▼坐禅堂内部。
 日曜早朝坐禅会が開かれています。毎日曜日(前日までの要予約)
 時間 午前6時~午前8時(初心者の方は15分前にお越し下さい)
 内容 暁天坐禅、作務、法話.







▼播龍窟の前に一休さんかな、肩にネズミが乗ってます。







▼鐘楼。







▼境内の高台から洛北の街並の眺望。後方の山並みは北山から嵐山の峰々。クレーンは京の街にはそぐわないなァ。







            ▼応挙竹林を通って……、







▼竹に囲まれた可愛い五輪塔右に見て……、







▼瑞雲閣と云う宝物殿に行ってみましょう。







▼瑞雲閣扁額。







▼宝物殿内部。







           ▼松下寿老人図。渡辺始興筆。







▼瑞雲閣から十牛の庭。







▼山門の松の緑に送られて……。







▼御朱印です。






かつては尼寺だったそうなこのお寺、その名残りかどうか境内の環境管理、植栽の手入れなどそれはそれは見事になされています。
寺暦は四百年少々、決して著名な仏がおられる訳でもないのですが、しばし書院座敷に座って見る無色の世界は、精神の透明化と悟り
とは我が胸の内にありとヒョットしたら悟かも知れないですヨ。本音、お庭はヤッパリ色が欲し~い。
四季を通じて「十牛の庭」の色彩の変化など、お庭をこよなく愛する方々にとってはブラボーなお寺だと思います。
オ シ マ イ

それでは、歩いて5分、走って2分の詩仙堂へ。




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