土曜日は古寺を歩こう。

寺勢華やかな大寺も、健気に法灯を守り続ける山寺もいにしえ人の執念と心の響きが時空を越え伝わる。その鼓動を見つけに…。

詩仙堂、石川丈山の感性が今も……。

2016年03月18日 | 京都の古寺巡り




(2016.03.12訪問)

圓光寺を辞してお庭巡り第2弾、詩仙堂へやってまいりました。
一乗寺駅から東へ真っすぐの道に出て左へ、思わず通り過ぎるほど小さな山門が右にあります。およそお寺の門とは思えない質素な、
それでいて風雅を感じる造り、隠棲者石川丈山の山荘跡、詩仙堂への入り口なんです。



▼小有洞(しょうゆうどう)、山門の呼称です。どう見ても寺門とは思えません。






[ 詩仙堂 ]
●山号 六六山(ろくろくざん)
●寺号 詩仙堂(しせんどう) 正式名称 詩仙堂丈山寺(しせんどうじょうざんじ)
●宗派 曹洞宗大本山永平寺末(そうとうしゅう)
●開基 石川丈山(いしかわじょうざん)
●開創 寛永十八年(1641年)
●本尊 馬郎婦観音立像(めろうふかんのん)
▲拝観 500円 朱印 300円 
▲時間 9:00~17:00
▲http://www.kyoto-shisendo.com 
▲京都市左京区一乗寺門口町27番地 電話075-781-2954
▲市バス5系統「一乗寺下り松」下車 徒歩10分
 叡山電鉄「出町柳駅」から「一乗寺駅」下車 徒歩15分




            ▼寺号石柱。






詩仙堂丈山寺縁起
家康に仕えた石川丈山が寛永十八年(1641年) に自身隠棲のための山荘跡で、狩野探幽筆の中国詩家三十六人の肖像を掲げる詩仙の間
を中心にさつきの刈り込みや白砂、小川の流れを取り込んだ丈山自身が設計した庭は、四季折々に楽しむことができ、添水(そうず)と
呼ばれる仕掛けにより時折り響く音は静寂な庭のアクセントになり、鹿おどしの初と云われています。現在詩仙堂と呼ばれているのは
正しくは凹凸窠(おうとつか)で、詩仙堂はその一室のことです。





▼門が質素なら扁額も、丈山さん筆の小有洞と云う名の山門扁額。







▼竹垣の参道先には……、







▼老梅関(ろうばいかん)、中門と云った所でしょうか。







▼詩仙堂の名の由来、詩仙の間。長押に架かるは、漢晋唐宋の三十六詩家、絵を狩野探幽が描き、賛の形をとり丈山がその詩を書
 いています。







            ▼この方が丈山さん。狩野探幽が描いています。



            (写真はウイキからもらってきました)





▼至楽巣(しらくそう) 書院のこと。床の三幅は丈山さん筆です。







▼書院前庭。人気のお部屋やお庭には人がいません。これこそ冬枯れの興! 本当は負け惜しみ!













 





▼どなたもが撮るさつきの刈り込み。色が無けりゃただのさつきダンゴか。







▼書院前庭。







                  





            ▼さつきに埋もれた石灯籠。







▼お庭から書院を見ます。







▼嘯月楼(しょうげつろう)。お月見でもするんでしょうか、楼上の一室。







▼僧都(そうず)。添水(そうず)とも云い丈山さん考案の鹿おどしのこと。







▼昭和に建てられた茶室残月軒(ざんげつけん)。







▼流葉ハクとよぶ浅い池と百花塢(ひゃっかのう)と云う池を囲む堤には水草や小花が植わってます。







            ▼こんな石塔も。







▼庭園。







▼この小道を回って小有洞へ向います。







▼御朱印です。







丈山さんは相当な漢学者、漢詩の大家だそうで、造語の名人。難しい言葉がお好きなようで、境内全体に漢風名が付けられています。
説明がない限り僕などにはサッパリ、凹凸窠って普通分かります?

山荘の持つ風情と閑寂とした室内の造作、書院奥の間に仏殿が無ければ、先ずお寺の印象はありません。書院座敷からお庭を見、そし
て変化に富み高低差を上手く取り入れたお庭を散策し、丈山さんの作庭センスを楽しむ。今の時期は見る影もありませんが、四季を通
じて変化するとりどりの表情は、言葉に代え難い趣が溢れそう。そんなお庭ファンの方には圓光寺同様、こんなスバラシイお庭はなか
なか無いでしょう。春のさつき、夏のみどり、秋の紅葉、溢れかえる人々を苦にしない方はぜひ訪ねてみては。
そんなのイヤと云う方、今がチャンスですヨ。

詩仙堂 オ シ マ イ





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