(2016.03.20訪問)
迷車大和路号は久々に大和路山麓線を走っています。大和路から吉野路へ、吉野桜のお花見ではないんですよ。
下市に名勝庭園を持つ名刹があるよと云うことを耳にし、先週は京の庭園巡り、よし今日は大和の名刹庭園を訪ねてみよう、と云うこ
とで迷車大和路号は吉野下市の願行寺を目指しています。
▼山門。紫白幕がかけられています。エッ、今日は何の日?
[ 願行寺 ]
●山号 至心山(ししんざん)
●寺号 願行寺(がんぎょうじ)
●宗派 浄土真宗本願寺派(じょうどしんしゅうほんがじは)
●開基 蓮如上人(れんにょしょうにん)
●開創 応仁二年(1468年)
●本尊 阿弥陀如来立像(あみだにょらいりゅうぞう)
▲拝観 境内自由 朱印 300円 書院庭は前日までに予約が必要です。
▲時間 9:00~17:00
▲奈良県吉野郡下市町2952 電話0747-52-2344
▲近鉄吉野線「下市口駅」下車 徒歩20分 「下市口駅」から洞川温泉・岩森方面行きバスで「札の辻」下車 徒歩5分
南阪奈道路葛城ICから国道24号、309号経由、約17km、約35分
▼寺号石碑。
願行寺縁起
浄土真宗本願寺派の下市御坊で、もとは秋野坊舎といいましたが、応仁二年(1468年)に本願寺第八世蓮如上人が吉野の要地伝道の本拠
として開基されたと伝えられています。往時は、本願寺門跡正院家ならびに中本山として、大和、近江、摂津に七十以上の末寺を持ち、
上市の本善寺「飯貝御坊」とともに、吉野八十八ヵ寺をまとめ「下市御坊」と称しました。天正六年(1578年)筒井順慶によって堂宇伽
藍が破壊され、現在の建物は桃山期に復興再建されたものです。
▼山門から本堂。格子ガラス戸がチョット違和感感じないでもありませんね。
▼本堂。桁裄七間、梁間五間、入母屋造、桟瓦葺、三間向拝付。さすが下市御坊、堂々の堂景です。
天正七年~十一年(1579~1583年)ごろ再建。本格的な浄土真宗寺院の形式をもつ数少ない遺構だそうです。
▼本堂正面。
▼本堂内陣の設え。外陣は畳敷きで、内陣との境は折り戸と襖で仕切られ、欄間は二重欄間の透かし彫り。ご覧のように荘厳は本願寺
式、キンピカもここまで来ると立派としか言いようがありません。中央須弥壇に本尊阿弥陀さんが祀られています。
▼写真のお許しを戴いたんですが、どう撮っても
ご本尊阿弥陀さんのお顔が見えません。
内陣扁額は山号が書かれ、若草色地に金泥盛りの凄い扁額です。
▼堂々の本堂を反対側から。
▼このお寺の堂宇はすべて渡り廊下で繋がっています。続いて蓮如堂へ案内していただきました。
▼蓮如堂。浄土真宗八世、開祖蓮如上人をお祀りしています。
妻側が正面の桁裄三間、梁間四間、入母屋造、本瓦葺、一間向拝付。
▼御簾で仕切られた大きい本願寺型仏壇の奥に蓮如さんの木像がお祀りされています。非常に厳かな仏壇空間です。
▼蓮如堂の前に蓮如さんの布教伝道の姿と、
▼歌碑です。情けないことにこれまた読めません。
▼続いて書院へ。
▼書院上段の間。大本山から猊下行幸の折の御座所。ここ数十年は無いそうです。
▼こんな駒札が弐拾枚ほど長押に掲げられています。江戸期の五条奉行の願行寺境内での法度書きだそうで、この一枚は文久二年
六月の日付が残っている一番新しいものです。
このお寺には名勝に指定されている庭園があります。本堂と書院との間に作庭されている平庭で、石組みを主に、前方に玉石を敷きつ
め、水面に見立てた枯山水庭で、数少ない室町時代末期の築造庭園機構の一つと云われているそう。
お庭の表情をどうぞ。
▼書院前庭。
▼中央の立石、阿弥陀如来を表しているそうです
作庭者は不詳ですが、その意図は相当深いものがありそう。阿弥陀浄土を中心に渡海信仰の一端を表現し、丸石を敷きつめた水面は、
ヒョットしたら苦海を表しているのではないだろうか。配置されている石群に方向性を感じませんか。苦から浄土への脱出、阿弥陀さ
んのおいでおいでを目指して。そんな気がします。
▼庭園の説明札。
▼右に堂宇群が並び左は道路に沿って白漆喰土塀が連なり細長い境内を形作っています。
▼危うい安定感が味を出している異型の石灯籠。
▼経蔵か宝物殿か聞き忘れました。
▼鐘楼と梵鐘。永禄十年(1567年)当時の領主が寄進した梵鐘で、大和国で永禄在銘の古鐘では唯一のものだそうです。
▼書院玄関。
▼正門から30mくらい北にある書院山門。閉門中です。
▼御朱印です。蓮如さんの足下に置かしてもらって撮ってます。
三月二十日がどんな日であるのか、キレイサッパリ忘れていました。ええ歳のオッサンが、「お彼岸の中日」にお寺とお庭を拝観させ
てくれと脳天気な電話を受けた奥様もキット変なオヤジだと思われたんじゃないだろうか。お寺は墓参の人々で大賑わい、お忙しい中、
変なオヤジの相手をしてくださった奥様にただただ感謝、大変申し訳ありませんでした、そしてありがとうございました。 合掌
吉野から帰って女房にそのことを言うと、「あらそうだったわね」だって。
振替休日の今日、慌てて中山サンに二人でお墓参りに行ってきたお粗末。ご先祖様お許しのほどを。
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