塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

映画アマデウスを見て

2010-04-10 00:45:12 | 日記
 名画の誉れ高い「アマデウス」を見る機会に恵まれました。この映画はモーツアルトの一生を、彼と共にオーストリア皇帝に仕えていた宮廷音楽家のサリエリが伝えるという形をとっていて、アカデミー賞にも輝いています。

 天賦の才能を持ちながらも短命に終わったモーツアルト。実際彼は非常に浪費家だったようで、彼の浪費癖はこの映画の中にもでてきます。モーツアルトが落ちぶれ大衆の為のオペラを書いていると、妻のコンスタンティンが「お金になる仕事をして」と訴えるシーンが出てくるのですが、コンスタティンの台詞を聞いて僕が思い出したのが、ブラジル代表の名手ガリンシャでした。

 実はブラジルではペレの人気よりもガリンシャの人気の方が高いと聞いた事があります。
 しかし1958年、62年、66年と3度のワールドカップに出場した彼も、晩年は寂しく暮らす事になりました。
 彼は生まれつき小児麻痺を患っているのと同時に、知能と精神は子供のままだった為です。

 ですから彼は現役を引退後、お金に恵まれなかったんですね。
 でもブラジルの子供達は、「ガリンシャと小鳥」の逸話を学校で学びながら、人生について思いを馳せるそうです。

 1958年のワールドカップで優勝したセレソンは、大統領が出迎えた式典に参加します。大統領は海沿いに別荘をプレゼントすると選手達に約束しますが、ガリンシャはひとり浮かない顔をしています。

 大統領が彼に他に欲しい物があるのかと尋ねると、ガリンシャは「大統領が飼っている小鳥を放してやってください。あの小鳥が嬉しそうに空を舞っているのを見たいんです。」と答えたそうです。

 モーツアルトの音楽は今現在も愛され、ガリンシャの逸話も人生訓として生きていることは、僕たちにとってかけがえのない存在とは何かを問い掛けている気がします。

 またかつてでは考えられなかった大金が動くサッカー界で、八百長や豪奢な生活の為、選手の人生が荒らされない事を祈っています。そうした時周囲の人間の多くは、困窮した「元スター」から去ってゆくでしょうから。

 アマデウスの中でもモーツアルトは、サリエリが彼を心底憎んでいる事を知らず、彼に「ありがとう」と感謝する場面があるんですが。皮肉な話です。
コメント
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