塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

オリッチがジェルランでハットトリックを記録する

2010-04-29 00:41:29 | 日記
 バイエルンのGMウリ・ヘーネスは今頃自分の審美眼にうっとりしているでしょうね。だって移籍金ゼロで獲得した選手が、対リヨン戦のセカンドレグでハットトリックを達成し、ヒッツフェルト時代の2001シーズン以来の、チャンピオンズ・リーグ決勝への道のりを切り開いてくれたんですから。

 クロアチア代表オリッチのここまでの活躍を、バイエルンの関係者はもとより、指揮官のファン・ハールも予期できなかったのではないでしょうか。

 シーズン前のFWの序列で言えば、オリッチは鳴り物入りで加入したドイツ代表のマリオ・ゴメスと、過去2シーズンレギュラーの座を不動としていたクローゼとルカ・トニに次ぐ4番手というもの。移籍金ゼロということは古巣のハンブルクも、オリッチの動向にはさほど注意を払わなかったのだと思います。

 しかしトニがファン・ハールと意見の相違が露見しローマに移籍し、クローゼの調子が一向に上がってこない中、オリッチはその地道な働きで地位を不動の物へと変えていました。

 ファン・ハールが偉かったのは、自身の十八番である4-3-3に固執せず、4-4-2の布陣を導入したことです。4-4-2ならば期待しているゴメスとオリッチが併用できる上、両翼にロッベンとロベリの両エースも同時に起用できますから、無用なポジション争いもしなくて済む利点があります。

 ここまでの活躍を魅せるFWが無料で獲得できたのですから、ヘーネスからすれば笑いが止まらないでしょうし、レアルのように大金を費やして多くの選手を買いあさり、組織の構築に時間をかけているクラブを、心の中であざ笑っているのではないかと思います。

 もしバイエルンが欧州王者に輝いたならば、今夏の移籍市場の合言葉は「移籍金0」になるかもしれません。
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