塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

元川悦子さんの講演会に参加して(2)

2010-05-13 12:36:40 | 日記
 元川さんは山雅についてまず長所をこう切り出しました。

 「パルセイロとが逆で、山雅にはアルウインがあることが大きなアドバンテージ」と、山雅がスタジアム問題を回避できている点を、元川さんは山雅の大きな利点だとおっしゃいました。(アルウインの所有者は山雅ではなく長野県ですが。)

 また平均の観客動員が5000人を上回り
 今季のシーズンチケットが1500枚販売されたことも含め、松本市が従来長野県の中でも、野球ではなくサッカーどころであったことの影響も大きいそうです。

 ただパルセイロ同様山雅も選手全てがプロ契約ではありません。
 週末は試合のため、平日は練習参加のため、限られた仕事しかなく働き口がなかなか見つからないのが現状だと、山雅の加藤GMは頭を悩ませているそうです。

 パルセイロの町田GMは選手の大半が仕事をしながら練習をしていることを
 「選手が皆プロになれるわけではないから、貴重な経験の場」と前向きに捉えていますから、要は考え方を変えてみれば済む問題かもしれません。

 一方で山雅の改善点を、元川さんは次のように考えています。

 1・クラブの株式会社化
 2・地域への社会貢献とユース問題

 まず1ですが、山雅は既にNPO法人の資格はあるのですが、株式会社化しないと将来J2には昇格できないそうなんです。山雅は誰が音頭をとってクラブを推進させてゆくか、まだ決めかねているとのことで、まだこの問題が解決できる見込みはないようです。

 続いて2ですが、パルセイロが巡回指導や他の競技との業務提携など、地域との密な関係を展望しているのに対し、山雅は地元の高校生に指導や、別組織であるユースやジュニアユースとの連携がとれていない点を指摘していました。

 こうしてみると山雅にもパルセイロにも、評価すべき点と改善すべき点がしっかりと見えてきます。

 両クラブのGMの談話や背景は、僕ら一般のファンでは到底聞くことの出来ない話ですから、これらの内容は僕にとって、とても貴重な話になりました。
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元川悦子さんの講演会に参加して

2010-05-13 00:57:43 | 日記
 昨日僕は長野市のホテルで、サッカージャーナリストの元川悦子さんの講演会を聞いてきました。

 元川さんは松本市の出身で、ワールドカップは1994年のアメリカ大会から取材を続け、南アフリカ大会の模様も携帯サイトや新聞で、随時リポートする予定とのこと。(電車は危険なのでレンタカーを借りて移動するとおっしゃっていました。僕は車での移動の方が危険だと思っていたので意外でした。)

 講演会はおよそ100分行われ、冒頭から中盤までは松本山雅と長野パルセイロについて、改善点と評価すべき点を指摘し、中盤から後半にかけては日本代表と代表の選手選考、そしてワールドカップの展望という具合でした。

 まず10ページにも渡る丁寧なレジュメを頂き、このレジュメを頂いただけでこの講演会に参加してよかったと思いました。
 また元川さん自らが取材先で撮った写真も公開していただいた点も良かったです。

 長野パルセイロに関していえば、僕と同じようにスタジアム問題は大きな懸念事項だとおっしゃっていました。

 長野市には「長野運動公園」という体育施設がありまして、昔長野市を準本拠地にしていた川崎フロンターレがここで試合をしたことがあります。(僕は観戦していません)
 この長野運動公園のサッカー施設を改築するという案があるそうですが、市街地ということで照明や騒音の問題の解決が難しい。従って今の南長野運動公園を改築するという案も必要というのが現実のようです。

 逆に評価できる点として元川さんは
 下部組織の設立とクラブの法人化、そして総合スポーツクラブへの歩みという点を挙げていました。

 パルセイロは保育園と幼稚園、そして高校生の巡回指導に力を入れていますし、長野パルセイロ・レディースや信濃グランセローズとの提携など、未来を見通した展開を行っている事は事実です。

 また前監督バドウの招聘には正直驚いたとおっしゃっていましたし、スタジアム問題が解決しJFLの昇格が現実となれば、パルセイロは一気に飛躍できるのではないかと、この講演会を聞いてそう思ったのですが、元川さんは大分トリニータの例を出して、分不相応な経営に対する戒めを忘れませんでした。

 やはりファンは試合の勝利に一喜一憂するだけでなく、クラブの将来や展望を常に正確に捉えていかなければならないと、痛感したしだいです。
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