こころ模様

人はなぜ生きるのでしょうか。希望、居場所、時間というキーワードから、人生とは何かについて考えていきます。

虎は死して皮を残す

2010-03-13 23:53:52 | 希望
人の価値は、死んだときに決まるのかもしれない。多くの人に慕われ、見送られて去っていく人がいる。その人は亡くなっても、その人は残された人々の心の中に生き続ける。

虎は死して皮を残す。虎が残すことができるのは、己の皮だけだ。業績主義のこの現代において、己の皮が永遠に残ると錯覚している人がいる。だが、人が残した業績はいつか誰からも顧みられなくなくなっていくものだ。物質的なものが重要なのではない。大切なものは心なのだと思う。

人は死して名を残す。その名前とは名声のことではない。誰かがふと思い出して、その人の名前を口に出してみる。そんな小さな行為の中で、繰り返し繰り返し呼ばれる名のことなのだ。多くの人から慕われた人だけが、そのようにして名を残す。市井の人の平凡で愚直な生き方が、その名を人々の心の中に刻むのだ。