こころ模様

人はなぜ生きるのでしょうか。希望、居場所、時間というキーワードから、人生とは何かについて考えていきます。

ペーパーウェイト

2005-07-31 01:57:55 | くらし
駅から市庁舎に向かって延びるルーヴァンの目抜き通りBondgenotenlaanにある雑貨屋Blokkerで買ったペーパーウェイト。いつも机の上に置いてある。

天気がよい日に窓辺に置いたらキラキラときれいに輝いた。こんな小さなもの一つでも、くらしは豊かに感じられる。


ネットのチカラ

2005-07-30 00:46:14 | 歴史
1994年から1年間の滞在中、マッキントッシュの145Bというノートパソコンとヒューレッド・パッカードの携帯可能なプリンタを持参した。その理由は、マルチ電源だったこと。大きくて思い変圧器を持参する必要がなかったからだ。

そのときは、そのパソコンではネットワークに接続できなかった。大学の研究室にあったIBMのパソコンでルーヴァン大学のメールを使っていた。ただし、オランダ語の世界。その当時、日本語の8ビットとアルファベットの7ビットの壁は厚かった。ish.comというソフトを使って、日本語を一種の暗号にして受け取ったり、送ったりしていた。大学のIBMで受け取ったメールをフロッピーディスクに保存し、ベゲーノフに持って帰ってから、それを展開して読むという作業をしていたのだ。どんなメールが届いているのか、ベゲーノフに帰ってマックで変換してみないとわからなかった。送るときは、その逆の作業が必要だった。

その1年間は日本語に飢えていた。ルーヴァンの知り合いを通してときどき渡される朝日新聞の国際衛星版。日本語と言えば、それぐらいだった。それも1ヶ月遅れぐらいで、どさっと回ってきたりする。あるとき、腰を痛めて2、3日寝込んだことがあった。そのときに、新聞を一回読み、さらに、まだ目を通していない箇所を2回目に読み、最後に、広告欄など3回目に読んだことがあった。あんなに新聞を精読したことは、未だかつてない。

それが、今回はベゲーノフから大学のKotnetにアクセスして、そこを起点にしてインターネット上の情報を読むことができる。日本から持ってきたのは、バイオのSRX3S(Windows XP)とキャノンのプリンタPixus90i。大学の研究室にあるDellのデスクトップ・コンピュータでも、日本語で書かれたHPを読めるし、ヒューレッド・パッカードのプリンタに印刷も可能だ。XPの世界になって、日本語の壁はかなり低くなってきた。さすがに、大学のコンピュータには日本語FEPが入っていないので、日本語入力はできないが…。

今回の滞在で日本語に飢えることはない。というよりは、日本にいるのとほぼ同じ環境で何事もできるようになった。情報も手に入る。確かに、便利である。しかし、11年前に感じたような「異国でのくらし」を実感する機会は少なくなった。

その一方で、こうしてブログを書いて、情報発信をできるようにもなった。それも、ネットのチカラのおかげである。これから先、どんなふうに展開していくのだろうか。5年後ぐらいが楽しみでもあり、また、恐ろしくもある。


ルーヴァンで手に入る日本酒

2005-07-29 05:05:01 | くらし
BrusselsestraatにあるスーパーマーケットDenonで売っている日本酒。500mlで7.41ユーロ。一升で3500円。それほど高い酒ではない。料理酒として使っている。




銘柄は羅生門。聞いたことがない名前だが、ラベルは柳田泰雲の書。八ヶ岳の麓に美術館のある日本でも有数の書家である。日本から遠く離れたベルギーで、こうした出会いがあるのは嬉しいものだ。

真実

2005-07-28 03:31:26 | 希望
真実(veriditas)という言葉は、ドイツのベネディクト派修道院のHildegard von Bingen(1098-1179)が作ったものらしい。ラテン語でgreenとtruthを組み合わせてある。自然の緑と生命力のなかに、人間の潜在可能性と充実した人生における頂点のイメージを見出したのだ。(1)

これはレンズさんから昨日受け取った、南アフリカの心理学者が書いたpsychofortology(fortis=ラテン語で「力」の意味)についての論文のなかで紹介されていた。これまで心理学者はpsychopathology(精神病理学)について多く論じてきたが、人間のもっている力(可能性、積極性)についてもっと論じるべきだと主張している。(2)

ここ数年来、セリグマンがポジティブ心理学を積極的に展開している。それと深くかかわりながら、この論文の著者であるStumpferは心理学の歴史において、人間のもつ可能性に言及した先達を紹介する。その前段階には、自然のなかで生きる人間について考察した人々がいるという指摘が、冒頭で紹介した箇所である。



(1)Powers,P 1999 Hildegard of Bingen and the cosmology of human health. Caduceus(UK),45,20,21,24-25.

(2)Strumpfer, D,J.W. 2005 Standing on the schoulders of giants: Notes on early positive psychology (Psychoforgoloty). South African Journal of Psychology, 35(1), 21-45.

ハマナスのジャム作り

2005-07-27 02:34:00 | 季節
ベゲーノフには、ハマナスがたくさん植わっている。白やピンクの花が咲いた後に、実がなる。最初は緑だが、だんだんとオレンジから赤に変わっていく。見ていると、とてもおいしそう。


ハマナスをジャムにできると知り、さっさく集めに行く。スーパーの袋一杯に集めた。2キロぐらいはあるかな。まるでトマトみたい。でも中には種がいっぱいあり、外側の皮も結構固い。食べるところはあまりない。ジャム作りにはあまり適していない。




それでも頑張って作ってみた。緑の部分を取って、そのまま水に入れて煮る。匂いはトマトによく似ている。そのうちに柔らかくなってくるので、裏ごしをする。種と皮を捨てるとほとんど残らない。砂糖を適量加えて、水分を飛ばすようにじっくりと煮込むこと2時間半ほど。

ハマナスのジャムの出来上がり。ちょっぴり酸っぱくて、美味。苦労した甲斐があった。これで全部。




rode bessen

2005-07-26 05:33:17 | 季節
asis2005さんのレッド・カラントがおいしそうだったので、私も真似をしてサンデー・マーケットで買ってきたrode bessenを凍らせて食べてみた。




HoegaardenのグラスにSchweppesを注いで、その中に入れたら、沈んだり浮かんだりダンスを始めた。




凍らせると、種があまり気にならなくなるのはなぜだろうか?

夏はどこへ行った?

2005-07-25 03:25:05 | 季節
この一週間、最高気温が20度前後。空いっぱいに雲が広がって、太陽が出てこない。涼しいというよりも、肌寒いと言った方がよいような気候だ。今日は午後から雨だった。7月だというのに、夏はどこに行ってしまったのか。

今日の日の出は5時58分。日の入りは21時40分。少しずつ朝になるのが遅くなり、夜が早く来る。それに合わせるかのような、この天候。まさか、このまま秋になってしまうようなことはないとは思うが…。

Zomer, kom! 夏よ来い!

ベゲーノフの地下室

2005-07-24 00:21:30 | くらし
左手の建物の一番手前が、現在住んでいるところ。2階建てになっている。





これが玄関。




そこを入ると、こんなふうになっている。右端が入ってきた玄関のドア。左奥が私が住んでいる部屋の入り口のドア。らせん状になっているのは2階に上がっていく階段。それでは、階段下のドアは何?




それを横開きにすると、下に降りる階段がある。




降りていくと、6畳ほどの大きさの地下室がある。ご覧のとおりの貯蔵庫。これは、2階に住んでいる若いトルコ人夫妻の持ち物。数年も住んでいるので、蓄えも十分。この二人とは、食事に呼ばれたりして、仲良くなった。オーマも右手の建物に専用の地下室を持っている。そこはビールやワインの貯蔵庫になっているのだ。今度見せてもらおう。


ベルギーと言えばレース

2005-07-21 14:43:57 | 文化
ベルギーのレースはボビン・レース。型紙の上に針を刺し、それに合わせて木製のボビンを一つずつ動かしていく。



上に写っているのが型紙。




途中まで出来上がったレース。




ベゲーノフの修道院を象ったレース。




ルーヴァン大学を象ったレース。




こんなふうに窓辺に飾ってある。






これらのレースを作ったオーマ。オランダ語でおばあちゃんという意味だ。1994年にオーマの家の斜め上に住んでいたので、いろいろとお世話になった。子どもがオーマと呼んでいたので、私も同じようにオーマと呼んでいる。
今日(7月21日ベルギー建国記念日)はオーマの誕生日。年齢は秘密。いつまでも元気でいて欲しい。


ルーヴァンの構造

2005-07-19 03:10:32 | 土地
これがルーヴァン。街の構造は非常に単純。中心に教会と市庁舎がある。そこから放射線状に道路が延び、街の境界にリングが走っている。Namen(ナミュール)に向かうのがNaamsestraat。そこから時計回りに、Tervuursestraat、Brusselsestraat、Diestsestraat、Tiensestraatと、テルビューレン、ブリュッセル、ディスト、ティネンに向かう道路がある。リングは昔の城壁の跡。それぞれPort(城門)があった。いつも買い物をするデレーズに行くには、Naamseportの信号を渡って行く。その先にはNaamsesteenweg(ナミュールに向かう舗装道路)がずっと延びている。この間、アルデンヌ地方にドライブに行ったときには、その道をずっと走っていった。すると道なりに走っていくとナミュールに着いた。




Maparonamaというサイトで、世界各国の都市の地図を調べることができる。縮尺もいろいろなサイズに表示できるので、大変便利。

海の日

2005-07-18 20:36:16 | 季節
7月18日。日本では海の日。

ベルギーには、オーステンドという港町がある。対岸はイギリスのドーバー。この海峡を泳いで渡る人もいるらしい。

オーステンドは、オランダ語で「東の端」という意味。地図で見ると、オーステンドはベルギーの西端にある。変だ。地名の由来は港が町の東の端にあるので、オーステンドと言うらしい。それで納得。

ベルギーは九州ぐらいの大きさの小さな国だが、海を見たことのない人もいる。ドイツに近いリンブルヒで育ったレンズさんも20歳になるまで海を見たことがなかったと言っていた。

このところ暑い日が続いている。水が恋しい季節である。