冬去りて なまめく空に 鳥は散り 神のあふぎが 世にひるがへる
*ここでいう「冬」は、季節の冬ではなく、冬のような闇の時代ということです。「なまめく」は、色っぽい感じになるというのではなく、みずみずしく新鮮であるさまを表します。要するに、空が若々しく生きているように動いているということだ。
鳥が散るということは、天使のような高い存在が、たくさん活動しているという意味です。
解説するとわかりやすいですが、幾分歌の香がしおれるような気もしますね。だが解説しないと、意趣というのはなかなかにわからない。解説というものの難しさというものです。
もう冬の時代は去った。空がなまめくように動いている。鳥のように天使が空に散る。神の扇が翻り、世界を変える。
すばらしい歌です。これを詠った人は、かなり痛い人ですよ。わたしたちの中でも、上の方の人です。
わたしたちには、会社員のように階級というものはありません。指導者という感じの人はいますが、その人も、わたしたちそれぞれに命令したりはしません。わたしたちはそれぞれに、自分の本質の願いというものに添い、自由に表現しています。それでも、大きな愛の中で、自然に全体として統率のとれた活動ができるのです。
鳥が乱れ飛ぶように空に散るように見えて、すべてはある秩序の元に美しく行われている。何かの愛が自分を動かしていることを感じつつ、その愛の中で自分を生かしていることに、たとえようもない幸福を感じている。
愛というものは、無条件ではないが、どこかに無条件の鍵がある。その鍵が回っている時、愛は信じられないほど高いものになる。
千人の天使が、一人の神をやっているかのように、美しい一つの芸術的活動をすることができる。
あなたがたにも、いずれわかるようになります。本当の愛の中で、自分が溶けていくような幸福を感じながら、愛のためにすべてをやっている時の自分のすばらしさを、知ることができるようになるでしょう。
そうなれば、どんな苦難にも挑戦し、あらゆることをなしていくようになるでしょう。清らかに生きなさい。
動物的エゴを実行する者が強いように見えるのは、自己存在の幼い頃だけです。そこを請えれば、愛の方が何万倍も強いものだとわかるのです。
扇を翻すように、自分を変えていきなさい。