大学の構内を歩くのは、何十年ぶりのことであろうか。
母校ではないが、大学はやはり大学の香りを漂わせており、
しばし懐かしさの中に身を置いた。
孫の卒業展を見に、彼の母と私ども夫婦、三人三様、
それぞれの感慨を胸に大学を訪れたのだった。
思えば、彼は彼なりに随分と苦労したのではなかろうか。
小学3年生まで香港で育ち、それから家族ともども
福岡にやって来た彼は、日本語での会話は出来ても
読み・書きはまったく出来なかった。
それで帰国子女のクラスに編入させてもらったのだが、
「大丈夫かな」との私どもの不安は、
それこそ杞憂というべきものであった。
子どもが秘めている能力には驚かされるばかりで、
気がつけば間もなく4年間の大学生活を終え、
さらに大学院へ進むという。
体も随分大きくなった。中学に進んだ端は、
私の顎あたりまでの背丈だったのが、2年生になると完全に追い抜かれ、
今では見上げるほど、184㌢もある。

さて、彼は大学でどのようなことを勉強しているのであろうか。
『カウンターカルチャーの価値を現代に活かし、広め、
若者に既存のシステムが生んだ問題について
考えるきっかけを与える作品を制作する』とあり、
布切れを貼り合わせて作った買い物バック風のものが3つ飾ってあった。
1965年以降の若者のファッションの変遷を見、
これを現代にどう活かすかを問うものらしい。
こう言えば、「そんな底の浅い話ではない」と怒られそうだが、
いや、これが精いっぱいの理解レベルである。

元気だとは聞いている。
でもな、たまにはLINEなり電話をよこしたらどうなんだ。
「うん」とか「すん」でもよいから。
息遣いを感じたいのさ。
もう思いは、君が結婚する日に飛んでいる。
君の友だちは皆、楽しく、いい奴ばかり。
披露宴は彼らが占拠し大賑わいになるかもね。
お嫁さんもとても可愛い人だ。
おや、お嫁さんがポツンと一人になっているじゃないか。
ダメ、ダメ。寂しがらせるんじゃない。
君たちの輪の中に入れてやれ。
じゃ爺がLOVESDNGを一曲。君、ギター伴奏頼むよ。
その日まで何としても生き抜いてやる。
ただ、出来るだけ早くたのむ。
君に幸多かれ!
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