「こん頃、『鬼滅の刃』、『鬼滅の刃』って、よく聞くばってん、いったい何な」
「ああ、ありゃ漫画やろうもん。これが映画になって、えろう人気があるらしかな」
「何な、漫画かいな。しょもなか。子どもが見るもんやろ」
「そいがさ、若いもんだけじゃなかとらしか。
結構なおじさん、おばさんにも人気があるらしかばい」
「ほー、どがん漫画やろか」
「あっ、いかんいかん。今時は漫画って言わんごたる。アニメとか言うらしかぞ」
「そうかい。アニメね。孫たちに笑われんごと、ちょっと調べとったがよかかもな」
「そうやね。ちょっとネットで見とこうかいな」
以下、検索したものの概略──。
◆舞台は大正時代の日本。主人公の竃門炭治郎(かまど たんじろう)は、
亡き父親の代わりに家族の大黒柱となり、炭を売りながら生計を立てていた。
ある日、炭治郎が町へ炭を売りに行き家に戻ると、家族は無残にも「鬼」に惨殺されていた。
そして、唯一生き残っていた妹の禰豆子(ねずこ)は、鬼に変容してしまっていた。
炭治郎は、禰豆子を人間に戻すため、また家族を殺した鬼に復讐するため
鬼狩りへの道へと進むダーク・ファンタジー。
◆作者=吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)。本名だそうだ。
性別もはっきりしていないが、どうやら女性。福岡県の人だという。
◆『週刊少年ジャンプ』で2016年11月号から2020年24号まで連載された。
全205巻。シリーズ累計発行部数は発売時点で単行本22巻・1億部を突破した。
◆2019年4月~9月まで全26話がテレビアニメ化されている。
◆10月16日から劇場版『鬼滅の刃』無限列車が公開され、
10日間で興行収入が100億円を突破(約107億5000万円)した。
日本で上映された映画の中で最も早い記録。
「ざっとまあ、こんなことらしか」
「なるほどな。だが、こいだけじゃ、なんで人気があるんか分らんな」
「ネットでは、いろんな人が人気の理由をいろいろ語っとっとやけど、
家族愛、家族の絆、そいから主要な登場人物が次々死ぬもんだから、
その悲しさ、切なさみたいなものに感動するらしか」
「映画館では客がぼろぼろ泣きようらしかな。
ばってん、読んだり、聞いたりしただけじゃ、よう分からん」
「そうたい。こがんもんは、自分の目で見て、感じらんばね」
「本を読んだことも、テレビや映画を見たこつもなかもんが、
ああだ、こうだ言うてもいかんやろうね」
「そいじゃ、映画見に行ってみるかね」
「今はまだ多かろうけん、もうちょっとしてから行ってみるか」
鬼滅の刃について書いとらっせるのもええけど、九州弁(博多弁でしょうか?)で記されてるの見て、尾張知多弁がうずいたんだがっ(^^)
まぁなにィ、Toshiさんも言うとらっせるけんど、ワシは「鬼狩り=人の悩み苦しみを狩る」ところがエエ思うとるヨ。
炭次郎くんは、鬼=敵を切るばっかじゃねぇの。鬼殺隊の中で唯一、彼だけが鬼に手を差し伸べるノ。
鬼は始めから、好きで鬼になったわけじゃなく、それぞれにやむにやまれぬ「ゆくたて」で鬼になっとる。
それを、彼は「ハナが利く」ことによって、生来の優しさでもって、寄り添おうとするんだわネ。
ワシはそこに、本当の人の情を重ね合わせ、自分もこうあらねばっ!と思うとる。
あと、ワシは作者の行く末を勝手に心配しとるンダワ。だって、なんだかんだと売れすぎ儲かりすぎでしょォ。
吾峠呼世晴さんが今後、経済的自由を得て、ますますのご発展と幸いを祈るばかりなんだワネ。
これからもちょくちょく、お邪魔するでよろしぅ(^^)/