トランプ外しの矛盾:
米国大統領予備選挙の様相も、なかなか、興味深いものになってきた。スーパーチューズデイ以降、民主党では、本命と称されるヒラリー・クリントンが、どうやら、若者や学生層の支援に支えられたサンダースの主張を、徐々に、取り入れることによって、少しずつ、じわじわとその差を広げ始めてきた。それにしても、共和党の方は、既存の所謂政治経験のある共和党の政治家に対して、とりわけ、ブッシュに対する、その既存のプロ政治家故への反抗的な理由と絶望から、全く、その枠外である素人に等しい候補の最たるものとしてのトランプへの期待が、実際、勢いづいて来てしまった。ここへ来て、流石の共和党の重鎮達も焦りを隠せずに、とうとう、反トランプの陣営構築に動き出してきたものの、そもそも、基盤が全く、異なるところから、でてきている以上、謂わば、タコが自らの脚を食べてしまうような結果に、ならないとは、保証の限りではない。むしろ、自分たちの、声なき声を吸い取れなかった、或いは、吸い上げる仕組みを構築できなった、更には、それらの包括的な理由を、蔑ろにして、只単に、トランプ憎しでは、本当に、大丈夫なのであろうか?これは、まるで、一興多弱の何処かの国の雇うが、安倍憎しとばかりに、出戻り同士の新党結成に伴う党名を公募する構図と、何処なしら、似ていなくもないようで有る。考えてみれば、政治が、変革されるときには、何らかの形で、素人が、或いは、場違いの異分野から、出てくることも、まんざら、歴史の中では、珍しいことではない。その意味からすると、こうした背景の声が、果たして、ホンネに近い形の声を、どのように、政策に、生かされて行くのであろうか?