【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

昆虫食

2015-02-17 11:56:32 | Weblog

 このまま人類が地球を“食い尽くして”いったら、そのうちに家畜ではなくて昆虫を食べるようになるだろう、という予測を聞いたことがあります。飼料を肉にするよりも昆虫にする方がはるかに効率的にタンパク質が得られる、のだそうです。
 長野県に行ったときに蜂の子は食べた経験がありますが、私はそれ以外には虫を食べたことがありません。今から練習をしておいた方が良いですかね。

【ただいま読書中】『ミミズ・フライの食べ方』トマス・ロックウェル 著、 阿部里美 訳、 早川書房、2003年、1400円(税別)

 意地になったら悪友からの無茶な賭けを受けてしまうビリー。これまでも散々ひどい目に遭っているのですが、今回は「ミミズを食べることができるか」という賭けです。それも15匹。毎日毎日1匹ずつ調理済みのミミズが登場するのです。うげっと言いたくなりますが、掛け金はなんと50ドル! 大金です。
 ビリーの意地っ張りはわかっていますから、「食べることができない」に賭けたアランとジョーは、様々な策略を巡らします。それに対してビリーの味方のトムは、なんとかビリーを支えようと努力をします。
 一匹、そしてまた一匹、大きなミミズがビリーの口の中に消えていきます。アランとジョーは神経戦を仕掛けます。慢性の毒がミミズにあって、そのうちに死んじゃう、とかビリーの耳元で囁きます。あるいは、野球観戦に誘ってビリーが大好きなファーストフードをおごって腹一杯にしてミミズのことを忘れさせようとします。ミミズにも細工をします。いやいや、50ドルを失わないために、必死です。しかしビリーは頑張り続けます。
 ここで日本人としてちょっと気になるのが、インチキをして勝とうとするアランとジョーが、真珠湾攻撃をした日本軍になぞらえられている部分です。本書は1973年に出版されたそうですが、その頃でもやはりアメリカ人から見たら「日本人は卑怯なことをする」という思いが強いのでしょう。
 ともかく、数々の妨害工作を乗り越え、ビリーはミミズを食べ続けます。そして最終日に……
 いやもう、笑っちゃう本です。子供ってなんでこんなに一生懸命に生きているんでしょうねえ。
 ところで、ミミズはおそらくタンパク質の塊ですから、調理法によっては本当に美味しいかもしれません。少なくとも魚はミミズのことが大好きですよね。私は魚が好きですから、もしかしたら魚の好物も食べたら好きになるかもしれません。