【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

早すぎる期待

2015-02-22 07:19:51 | Weblog

 テレビでは「野球のキャンプ」のニュースが盛んに登場します。ふつうは人気チームが中心ですが、今年は珍しいことに広島カープ(特に大リーグから復帰した黒田投手)が妙に注目を浴びている様子。
 だけど、「まだ早い」のでは? シーズンはまだ始まっていないのです。いまからどーのこーの言うのは、早すぎるでしょう。
 私がもし特集番組を見たいとしたら、「どうしてこんなに特定選手に期待をしてしまうのか」という心理に焦点を当てた番組かな。そして「シーズン中」に特集を組むとしたら、私が見たいのは、「大リーグ仕込みのすごさ」ではなくて「それをベースとしてさらに進化した黒田投手の投球がどのようなものか」をきちんと知らせてくれるような番組です。

【ただいま読書中】『剣客商売全集 第二巻』池波正太郎 著、 新潮社、1992年(98年3刷)

 「剣客商売」を1巻ずつこつこつと読むのは面倒だなあ、と思っていたら、2巻ずつの合本が出ていました。本書は「剣客商売」の第3巻「陽炎の男」と第4巻「天魔」です。
 登場人物は少しずつ変わっていきます。三冬は秋山大治郎に恋心を抱きます。秋山小兵衛が今から30年は生きることも明示されます。そして小兵衛は相変わらず好奇心の塊で、江戸をうろうろしています。40歳も年下の女房を可愛がることに熱心なのは相変わらずで、さらに食欲にも負けるようになり、鯰を食べ過ぎて腹痛で寝込んだりしています。まったく、煩悩の塊です。三冬の心が小兵衛から離れてしまうわけもわかるような気がします。
 ちょっと面白かったのが、男色の扱いです。最初は「気持ち悪いカップル」として描かれていた男色の二人が、実はそれぞれが見た目とは違う中身を持っていることが小兵衛の前に示されます。いやいや、人間と人生は、見た目だけで判断してはいけません。
 さすがに2巻分をまとめて読むと、少し満足感があります。次もこの全集で剣客商売を読むことにします。