「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

日本と世界のリアル状況確認と僕の思索を書き留めるブログ。
重要なことはメルマガで展開していますので、ご購読下さい。

長井健司銃撃事件とマンハッタンの食料品店での会話

2008-01-22 02:10:43 | 長井さんの人柄
きょう引用させていただくのは、
僕に最近いただいたメールとその方のSNSでの日記からです。
お会いしたこともありませんし、はじめてメールを頂いた
関西在住の会社員の方です。

長井健司銃撃事件がというものなのか。
世界で、今
どういう受け止め方をされているのか。
他国にいるビルマ人がどう考えているのか。

それを聞いたふつうの日本人が何を考えたのか。

皆さんにも知っていただきたいので、二通のメールとSNSの日記から
一部編集して掲載いたします。
=========================

長井さんの事件について
私は特別な関心はありませんでした。
日本人のジャーナリストが
殺害されてしまったことへは憤りを感じておりました。
しかし一般に報道された以上のことは何も知りませんでしたし、
知ろうともしておりませんでした。

私は1月の第2週にニューヨークを旅してきました。
そして、滞在ホテル近くの食料品店で
レジ係として働くビルマ人から
突然長井さん殺害への謝罪を受けたのです。

観劇後に立ち寄った食料品店は
閉店間際で閑散としていました。
レジ打ちをしてくれた
東洋系の女性が「どこから来たのか?」と私に尋ねてきました。
「日本から」と私は答えると、
 彼女は自らを「ビルマ人」だと名乗ったのです。

そして、
「私の国であなたの国の人が殺された。申し訳ない」と
彼女は言いました。

真剣な表情で「I am sorry. I am so sorry」と彼女は繰り返したのです。

最初は何を言っているのかわからなくて・・・。
真剣な表情で真面目に謝罪していただきました。
私はただ驚いて、
長井さんの
事件の概要を思い出すだけで精一杯、といった対応しかできませんでした。
 
「私の国の現在のリーダーたちはクレイジーだ。
本当に申し訳ないと思っている。・・・
あんな国でも私にとっては大切なホーム。
私はビルマを愛している。ビルマに帰りたい・・」
と彼女は望郷の想いを異邦人の私に語るのです。
遠くを見るような目で訥々と語り続けるその姿は
「ずんっ」と私のおなかに響くものがありました。

ただ、このことは、
異国でのちょっと変わった経験といった認識しか
その時には、ありませんでした。
少し時間が過ぎて、
彼女の誠意を関係者に伝えたいと思うようになってきました。
バタバタしていたときには
そんなことは考えもしなかったのですが。
ミャンマー政府は間違っているかもしれない。
しかし普通のビルマ人はああいう事件に心を痛めています。
普通の人々は敬虔な仏教徒で、とてもやさしい人たちです。
自分たちの国の現在のありかたを恥じている人がいるということ。
そのことを伝えたいと思っています。

無名のビルマ人が無名の日本人に謝罪した。
ただそれだけのことで何の意味もないかもしれません。
しかしこういう経験をした者がいるということを
メッセージとして送信させていただきます。

私はこれから自分なりに
ミャンマーの現状について調べていこうと思っています。
世の中のすべての事象には「因果」があります。
原因があって結果がある、ということ。
同じ原因が同じ結果を生むとは限りません。
原因が同じでも「縁」というものが関わって結果は違ってきます。
彼女がビルマ人で私が日本人であったということが
原因なのかもしれません。
しかし他にも日本人は何人か店内にいたのです。
彼女は最後にレジに並んだ私に声をかけてきたのです。
いただいた「縁」を大切にしたいと思っています。

私は
インターネットというものを全面的には信じておりません。
便利で有用性が広い反面、
匿名の怖さや暴力性があるからです。
しかし私の経験は真実であり、
ご遺族に対して何の慰めにもならないかもしれないけれど、
ビルマ人の心のあり方は
伝える価値のあるものだと信じております。

そのビルマ人女性の背景を私は何も知らないけれど、
真剣な心情が溢れておりました。

当方は大阪在住の会社員です。事務の仕事をしています。
有名人でもなければ、
かっこいい仕事をしているキャリア人でもありません。
趣味の仲間との
ニューヨーク旅行での出来事でした。

 私は事件の真相を知りません。
あの兵士だって本意で
ミャンマー軍の仕事をしているとは限らないと思います。
親や恋人にこんなことをしている姿を見られるのは
イヤだと思いながら、不本意でその場所にいたのかもしれません。
日本の昔の特攻隊だってそうではありませんか。
事情があっての仕方のない志願が少なくはなかったと伝えられています。

 いろんなことを考えています。 想像することが大切だと思います。
憎悪からは何も生まれない。
起こってしまったことは元には戻らないけれど、
それでも最善のあり方を模索していくべきだと思っています。
 
 まさかこんなことを自分が考えるようになるとは思ってもおりませんでした。
このような機会を与えていただいたこと、
何かのご縁だと思って無駄にはしたくないと思っております。

 では、勝手ながらよろしくお願いいたします。

=============================
僕は来週には今治でご遺族ともお会いしますが、
こういう言葉の蓄積は
ご遺族にとっても、うれしいものだとおもいます。

長井さんの事件を通してどういうことを考え続けるのか。
それが署名活動にしても、このブログにしても
大切な役割だと認識しています。
ニューヨークの片隅でこのような会話が交わされているとしたら
長井さんは少し、ニャッとするかもしれません。



署名フォーム(クリック→)https://hal.sakura.ne.jp/syomeis/sign
携帯電話はこちら(クリック→) http://hal.sakura.ne.jp/sign.html
署名フォームはhttps使用のため、セキュリティアラームがでますが
安全上の問題は何もありませんので、先に進んで署名してください。
署名は未成年でも、小中学生でも、ぜひ署名してください。
もちろん日本国民のみならず、
他国の皆様の署名も歓迎しています。

なお、東京都内近郊を中心に、
署名活動にふさわしい場所がある方は教えてください。
また、まったく他のイベントを企画開催されている方で
会場の内外で署名活動に許諾、ご協力いただける方は
ぜひ会までメール下さい。



長井さん殺害事件の署名活動です。
署名の用紙のPDFファイル設置しました。
ダウンロードして手書きで署名する方のためにお使いください。
https://hal.sakura.ne.jp/shomei.pdf
http://hal.sakura.ne.jp/shomei.pdf
送付先は下記まで郵便かFAXで。
「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」
 〒1060032
港区六本木7-8-25永谷リュード六本木306  
FAX 03-5772-1127


肩書きは具体的な所属先でも、
「会社員」などの一般的なことばでもかまいません。
もちろんネット環境になんらかの問題がある場合は
メールやファックス、郵便物などで署名を頂いても結構です。
なお、会には電話も一応ありますが、
電話番をお願いしているだけの状態ですので
何かご連絡のある方は(メディアなども)
できるかぎりまずメールでご連絡をお願いいたします。

「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/(ブログ) 
nagaikenji20070927@mail.goo.ne.jp(メール)
 〒1060032
港区六本木7-8-25永谷リュード六本木306  
TEL 03-3746-0065
(平日10時から17時で対応)
FAX 03-5772-1127