どんな業界でも職場への不満はつきもの。心から満足できる職場というのは、なかなか難しいのかもしれない。けれども、職場への不満が募りそのまま我慢し続ける事で、昨今うつ病などの病気を発症するケースも増えてきていると言われている。2010年に発表された財団法人労務行政研究所の調査結果によると、回答のあった252社のうち、メンタルの不調で1カ月間以上休職している従業員がいる企業は63.5%となっている。職場への不満がメンタルの不調に影響を及ぼすとなれば、もはや他人事ではない。日本法規情報株式会社は、同社が運営するサイト『人事・労務・社会保険相談サポート』『社労士事務所・社会保険労務士事務所検索サポート』『法律事務所検索サポート』『弁護士事務所検索サポート』『企業法務と顧問弁護士検索サポート』の運用情報やユーザーへのアンケートを元に、就労環境問題に対する意識調査を行い、「労働問題に関する意識調査」について発表した。
◆「今の会社を辞めようと思ったことがある」人は72%
「今の会社を辞めようと考えたことがあるか」についてのアンケート調査の結果、「今の会社を辞めようと考えたことがある」と回答した人は全体の72%という結果となった。次いで「不満はあるが、辞めようと考えたことはない」と回答した人が21%、「不満はなく、辞めようも考えたことはない」と回答した人が7%という結果となり、実に9割以上の人が、現在の職場に不満を持っていることが分かった。
◆「職場への不満」1位は「賃金・給与」、2位は「職場の上司」、3位は「仕事内容」という結果に
「『現在職場への不満』の具体的な内容につい」のアンケート調査の結果、「賃金・給与に不満がある」と回答した人が最も多く、21%という結果となった。次いで「職場の上司に不満がある」と回答した人が20%、「仕事内容に興味が持てない」と回答した人が12%、「職場の同僚に不満がある」と回答した人が12%、「ブラック企業である」「仕事内容に満足できない」と回答した人がそれぞれ10%、「職場の部下に不満がある」と回答した人が8%、「職場内でいじめがある」と回答した人が5%、「職場の雰囲気が悪い」と回答した人が2%という結果となった。
◆「企業の体質への不満」の内容は「残業代不払い」「休日勤務が当たり前」「入社後2年以内の離職率が高い」など
「不満に感じる企業の体質とはどのような点か」についてのアンケート調査の結果、最も多かったのが「残業はして当たり前で、しかも請求出来ない」という回答で、28%に上った。次いで、「社員の吊るし上げ、イジメがある」という回答が18%、「入社後2年以内の離職率が高い」という回答が15%、「パワハラが日常的に行われている」という回答が12%、「休日勤務が当然で、特別な手当てがない」という回答が14%、「派遣社員やバイトを使い捨てのように扱う」という回答が8%、「福利厚生がない、またはあっても機能していない」という回答が5%という結果となった。中には、1年間の間に10人以上離職があった部署があるにも関わらず、企業側が職場の問題として認識・対処するシステムがないといった回答もみられた。
個人が労働法に関する正しい知識がないまま、企業側と交渉をしても、その交渉するまでの間に企業側に証拠隠滅されてしまい、いざ交渉する段階では「証拠が本人の証言だけしかない」という事例もある。大切なのは、「うちの会社、おかしいな」と思った時点で弁護士から適切なアドバイスを受けることだ。早目に法律のプロのアドバイスを受けることで、労働問題を解決出来る可能性が高くなる。
また、企業側としても労務トラブル・労働紛争を未然に防止するためには、就業規則を中心とした社内ルールを決め運用をすることが会社の発展につながり、従業員満足度を高めることにもつながる。企業体質の見直しを早目に検討し、弁護士や社会保険労務士にアドバイスを受けることで、労働紛争の予防と紛争事案対策をたてることが可能になる。
有効回答数:631名(男性:331人 女性:300人)
アンケート期間:2015-03-08~2014-03-25
約7割の人が「今の会社を辞めようと思ったことがある」