1.台風対策
みかん畑の草刈りの合間に、少しずつ下水の設計を進めて、
一週間程で大略が仕上がった。
合わせて、風呂場や便所、洗面所等の設備関係の品を、
インターネットで調べる。
その後、クラフト作りや秋作の菜園準備をしていたら、
家作りに手がまわらない。
その内に、大きな台風が接近して来た!
屋根と外壁ができていても、開口部は、何もないオープン状態!
これでは、家が台風にさらわれてしまう。
大慌てで、園芸用のビニールシートやブルーシートを開口部にあてて、
桟木で留めたり、
ガラスのない古いガラス戸にビニールシートを留めつけて、はめこんだり、
古い雨戸を補修してはめこんだりと、
台風を横目ににらみながら丸一日かけて、開口部をふさいだ。
台風13号は、最悪のコースをとりそうであったが、
少しそれて潮まわりや時間帯もよかったので、
何事もなく無事通過してくれた。
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下水管の掘り始め 台風対策のブルーシートが見えている
2.ツルハシが擦り減った!
設計ができてから1ヶ月が経ってようやく作業に入る。
流末まで50mほどある。
ツルハシとスコップで、上流から掘り始める。
大三島のこの辺りは、花崗岩の風化土の真砂土地帯だから、掘るのは楽な方だ。
みかん畑や菜園でも、楽に掘れる。
ただし砂利や転石が混ざってしまうと、どこも固く締まるから掘りづらい。
この敷地も新屋の方は、
工事残土をいれているので砂利も多く、よく締まったところは大変固い。
1m掘り進むのに一時間かかった部分もある。
掘り幅をギリギリ狭くして掘削量を減らそうとしたら、
スコップの作業がしづらくなり、効率悪く,かえって遅くなった。
一番深いところで、胸あたりまで。
本管のある古家の方へ来ると、こちらは砂状でとても掘り易い。
しかし柔らかすぎて掘り穴が崩れるのが、やっかいだ。
掘り上がったと思って、先へ行っていると、
ドサリと音がして掘ったところが崩れてしまっていたりする。
ひたすらの穴掘りに4日間を要した。
ツルハシのとがった方の先っぽが、磨り減って不細工に短くなっていた。
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一番固い所を掘る
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枡と本管をつなぐ
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北側の配管
3.パイプをつなぐ">
下水パイプの塩ビ管は、
VU管を使う。本管にVU100 、枝管にVU75とVU50、枡用にVU150.。
これらの管を接続するのに、
90°や45°のエルボ、偏心ソケット、チーズ等の継手が必要だ。
また、枡も様々なタイプのものがある。
カタログを見ながら、詳細に図面を作り、
間違わないように材料を注文するのに、
かなり頭を使わなければならなかった。
それでも、最後の方には、変更や追加が出てきた。
管の取り付けは、枝管を先にして、それを本管につないでいく方法をとる。
この建物内の枝管がやっかいだ。
管勾配を気にしながら、継手を使って、
建物の基礎の下をくぐらせて、枡へつなぐ。
台所、トイレ、洗面所、風呂場と進めていく。
丁張りの水糸で、管底高を取りながら、枡と本管を設置する。
次第に深くなると作業が難しくなる。
接着剤は遅乾性のものを使用。
接着剤の量は、あまり多すぎても良くないだろうと、
最初にソケットだけに塗ったら、とても入りにくい。
「コリャ、ソケットと管の両方に塗るものなんだ。
管が入る時は、接着剤が潤滑剤の役目をするんだ。」と気付き、
次からは、スムーズに入ってくれた。
管の切断には、木材用の替刃式ノコギリを使い、
切断線はボール紙を巻き付けて、エンピツで印をつけた。
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枡と本管枝管の接続
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接続枡と点検枡
4.水が、、、
古家の横を掘っていて、2度も水道管を破ってしまった。
どこを通っているのか、はっきり分からなかったので、
注意して掘っていたのだが、やはりやってしまった。
1度目は、水が吹いたからすぐに修理をした。
2度目は、翌日になって土が濡れていたので、気がついた。
継手の横からもれていた。これも修理した。
塩ビ管をつなぐのは、旨くなったみたいだ。
この地域では、みかん作りがもっと盛んだった頃、
害虫や病気を防ぐために、薬剤を共同で散布していたそうだ。
共同防除と言って、
それぞれのみかん畑に配水パイプがはりめぐらされて、一斉に防除を行っていた。
このパイプを設置するのに、自分達でやったという。
パイプの接続ぐらいは、皆お手のものである。
借りているみかん畑で、草を刈っていると、古くなった塩ビ管がよく出てくる。
塩ビ管の接続が旨くなっても、村では、当たり前のことらしい。
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古家部分の配管
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埋め戻し
2006年9月.10月
付記; 妻・ひろより
下水管工事をしていた頃は、台風の一番よく発生する頃であった。
「台風シーズンが終わるまで、下水管工事は、待ったら」
という妻の忠告には、耳も貸さず、
「そんなことしていたら、いつまで経っても家が建たない」と
夫は、家の廻りに、深くて長い溝をドンドン掘りすすめていた。
おまけに、の神社の役をしていた夫は、
溝を掘ったまま、途中で、
秋祭りの準備や相談の為 始終出かけていた。
この深くて長い溝は、台風の高潮を、家に呼び込むようなものである。
妻は、この溝を眺めては、やきもきし続けていた。
台風も逸れてくれ、下水工事も無事終わったのは、
氏神様のご利益かもしれない。
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「一人で建てる木組みの家」のこれまでは、こちらをごらんください。
カテゴリー「一人で建てる木組みの家」をクリックしていただいても
ご覧いただけます。
みかん畑の草刈りの合間に、少しずつ下水の設計を進めて、
一週間程で大略が仕上がった。
合わせて、風呂場や便所、洗面所等の設備関係の品を、
インターネットで調べる。
その後、クラフト作りや秋作の菜園準備をしていたら、
家作りに手がまわらない。
その内に、大きな台風が接近して来た!
屋根と外壁ができていても、開口部は、何もないオープン状態!
これでは、家が台風にさらわれてしまう。
大慌てで、園芸用のビニールシートやブルーシートを開口部にあてて、
桟木で留めたり、
ガラスのない古いガラス戸にビニールシートを留めつけて、はめこんだり、
古い雨戸を補修してはめこんだりと、
台風を横目ににらみながら丸一日かけて、開口部をふさいだ。
台風13号は、最悪のコースをとりそうであったが、
少しそれて潮まわりや時間帯もよかったので、
何事もなく無事通過してくれた。
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下水管の掘り始め 台風対策のブルーシートが見えている
2.ツルハシが擦り減った!
設計ができてから1ヶ月が経ってようやく作業に入る。
流末まで50mほどある。
ツルハシとスコップで、上流から掘り始める。
大三島のこの辺りは、花崗岩の風化土の真砂土地帯だから、掘るのは楽な方だ。
みかん畑や菜園でも、楽に掘れる。
ただし砂利や転石が混ざってしまうと、どこも固く締まるから掘りづらい。
この敷地も新屋の方は、
工事残土をいれているので砂利も多く、よく締まったところは大変固い。
1m掘り進むのに一時間かかった部分もある。
掘り幅をギリギリ狭くして掘削量を減らそうとしたら、
スコップの作業がしづらくなり、効率悪く,かえって遅くなった。
一番深いところで、胸あたりまで。
本管のある古家の方へ来ると、こちらは砂状でとても掘り易い。
しかし柔らかすぎて掘り穴が崩れるのが、やっかいだ。
掘り上がったと思って、先へ行っていると、
ドサリと音がして掘ったところが崩れてしまっていたりする。
ひたすらの穴掘りに4日間を要した。
ツルハシのとがった方の先っぽが、磨り減って不細工に短くなっていた。
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一番固い所を掘る
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枡と本管をつなぐ
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北側の配管
3.パイプをつなぐ">
下水パイプの塩ビ管は、
VU管を使う。本管にVU100 、枝管にVU75とVU50、枡用にVU150.。
これらの管を接続するのに、
90°や45°のエルボ、偏心ソケット、チーズ等の継手が必要だ。
また、枡も様々なタイプのものがある。
カタログを見ながら、詳細に図面を作り、
間違わないように材料を注文するのに、
かなり頭を使わなければならなかった。
それでも、最後の方には、変更や追加が出てきた。
管の取り付けは、枝管を先にして、それを本管につないでいく方法をとる。
この建物内の枝管がやっかいだ。
管勾配を気にしながら、継手を使って、
建物の基礎の下をくぐらせて、枡へつなぐ。
台所、トイレ、洗面所、風呂場と進めていく。
丁張りの水糸で、管底高を取りながら、枡と本管を設置する。
次第に深くなると作業が難しくなる。
接着剤は遅乾性のものを使用。
接着剤の量は、あまり多すぎても良くないだろうと、
最初にソケットだけに塗ったら、とても入りにくい。
「コリャ、ソケットと管の両方に塗るものなんだ。
管が入る時は、接着剤が潤滑剤の役目をするんだ。」と気付き、
次からは、スムーズに入ってくれた。
管の切断には、木材用の替刃式ノコギリを使い、
切断線はボール紙を巻き付けて、エンピツで印をつけた。
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枡と本管枝管の接続
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接続枡と点検枡
4.水が、、、
古家の横を掘っていて、2度も水道管を破ってしまった。
どこを通っているのか、はっきり分からなかったので、
注意して掘っていたのだが、やはりやってしまった。
1度目は、水が吹いたからすぐに修理をした。
2度目は、翌日になって土が濡れていたので、気がついた。
継手の横からもれていた。これも修理した。
塩ビ管をつなぐのは、旨くなったみたいだ。
この地域では、みかん作りがもっと盛んだった頃、
害虫や病気を防ぐために、薬剤を共同で散布していたそうだ。
共同防除と言って、
それぞれのみかん畑に配水パイプがはりめぐらされて、一斉に防除を行っていた。
このパイプを設置するのに、自分達でやったという。
パイプの接続ぐらいは、皆お手のものである。
借りているみかん畑で、草を刈っていると、古くなった塩ビ管がよく出てくる。
塩ビ管の接続が旨くなっても、村では、当たり前のことらしい。
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古家部分の配管
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埋め戻し
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下水管工事をしていた頃は、台風の一番よく発生する頃であった。
「台風シーズンが終わるまで、下水管工事は、待ったら」
という妻の忠告には、耳も貸さず、
「そんなことしていたら、いつまで経っても家が建たない」と
夫は、家の廻りに、深くて長い溝をドンドン掘りすすめていた。
おまけに、の神社の役をしていた夫は、
溝を掘ったまま、途中で、
秋祭りの準備や相談の為 始終出かけていた。
この深くて長い溝は、台風の高潮を、家に呼び込むようなものである。
妻は、この溝を眺めては、やきもきし続けていた。
台風も逸れてくれ、下水工事も無事終わったのは、
氏神様のご利益かもしれない。
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「一人で建てる木組みの家」のこれまでは、こちらをごらんください。
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