フィリピン国際結婚・菜の花の主婦日記goo版

南国フィリピン便りー結婚しフィリピン在23年。22才長女、20才息子、9才末娘のお母さんである私の毎日ー

フィリピン国立美術館(写真多で長文)

2013年10月23日 10時28分55秒 | 芸術・音楽・バレエなど



<余談:子どもとネット依存>

今日のあさイチでネット依存についてやってましたね~。
子ども達はスマホからの情報が頼りで部活や学校の情報など10以上のグループに入ってるらしいので
今の子ども達って大変なんですね。

うちは虎次郎がちょっとパソコン依存って感じで
SNSやフェイスブックなどの情報関連ではなくて
ゲームですね。ネットゲームだったり、ゲーム機のゲームだったり。
寝ないでゲームしてることもあって長いと20時間とか。
特に私がやめさせようとしなくなった13才くらいからやりたい放題。

私が心配なのは健康。運動不足とか。
でも虎次郎に関しては成績が下がった事はないし、
学校を休んだりとか、宿題を出してないことはなくて
高校時代に金曜日の放課後から土曜日の夜までゲームし放題で、
日曜日の朝から宿題始めて月曜日の朝までかかって終わらせて徹夜で学校に行くって時もあって
だったら先に宿題やってからゲームしたらいいのに・・・とは思ったけど
言っても聞かないし・・
なんかこんなんで親子喧嘩したくないので放置。

小学校時代もゲームしてたけど
依存症になってある日、

「月曜日から木曜日まではゲームしない。」

と宣言して本当にやってなかった頃もあったんですよね。

テレビでも言ってましたが
ネット依存症をやめさせるのではなくて
ちょっとずつ別の事を紹介したりして他に楽しいことを作ったらいいのかもしれませんね。

わからないけどネット依存だって子どもの精神の健康を保つのに役に立ってるかもしれないです。
もっと他の問題を抱える子ども達だっているのですから。

上を見たらきりがないけど
下を見たら「うちはネット依存でまだ良かった」って思うかも??

昨日NHKでパウエル国務長官が学生に話しているのを聞いたんですが
彼は成績が悪くて落ちこぼれだった、
でも大学の軍事訓練で優秀だったので卒業後軍隊に入ったそうなのです。

だから子ども達には好きな事を一生懸命やらせるのがいいと言ってました。





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<フィリピン国立美術館>


旧マニラ市(実際にはメトロマニラ内のマニラ市)にある国立美術館
日曜日、行って来ました。

10月中は入館無料なのです。

私と主人は結婚する前から絵や美術作品を見るのが結構好きで
デートしてても絵画の話しなど気が合ったんですよね。

こういうのは好きずきなので興味がない方はないんですよね。
それが悪いわけではないですし
人それぞれですから。

芸術関連に興味のない息子虎次郎は来なかったし、
来たかった桜は用があって来れず
いつものように桃ちゃんと3人で。







こちらは国立博物館。

国立美術館の隣にあるんですが、やはり10月は入館無料。

規模は小さいんですが
ここで興味深いのは昔の貿易路地図。

時代によって貿易航路が変わるんですが
きちんと整理されてあります。

あ~だからフィリピン語にはヒンズー教(インド)の言葉や
インドネシア方面の文化や言葉が入ってるのか~とか、
メキシコ関連の文化が入り込んだ経緯も分かります。

カルマって言葉なんかは仏教用語じゃないかと思うんですが
毎日のように聞く言葉です。

「誰が見てなくても警察に捕まらなくても悪い事をしたらカルマがついていずれ自分に返ってくるよ。」

みたいに。













国立博物館に車を停めたんですが、
国立美術館まで歩いて数分。
遠くに見える塔は「マニラ市役所」。

マニラ市庁舎は1939年に時計台付きで建てられました。

カレッサという馬車が気になる桃ちゃん。
馬が大好きなんですよね。
















主人によると多くのフィリピン美術作品は個人の所有で
国立美術館にはそんなに多くの絵画はないそう。

こちらが一番大きな絵でした。

聖書の頃の話しらしい・・(多分)。
宗教的な絵画はフィリピンに多いですよね。

ちなみに写真撮影可です。













これは本当にあった話しを絵にしたもの。

スペイン統治時代、スペイン政府(当時はスペイン王)から任命されたスペインの総督(Government general)が一番上の地位だったわけですが、
この総督はフィリピン国民にとっては良い総督だったそうなのです。

それを不服に思ったドミニカン修道院の修道士らがある日、総督を暗殺。
ドミニカン修道士達も同じスペイン人だったんじゃないかと思うんですが、
階段の途中でよろけている様に見える方が総督で
後ろの白い服の修道士が首に縄をかけています。

当時の教会の立場は国民英雄のホセ・リサールが書いた2冊の小説を読むと分かります。
ホセ・リサールは医者でありながらも社会の様子を観察し小説を通して批判しました。
彼は暴力(ゲリラ活動など)をせず筆のみでスペイン統治政府と戦い
そしてスペイン政府に銃殺されました。













この絵がある部屋は結構残酷な絵が多くて
桃ちゃんは怖いので見たくない・・と座ってました。

首が鳥かごのような物に入れられて広場に並べられ、
一番奥の人の首がまさに切られようとしています。

残酷な絵なのに血なまぐさくなく淡々と描かれています。













イロカノ地方の反逆者達が南に護送される・・とありますが、
この「insurgente ( insurgent )」という多分スペイン政府に歯向かっただろう人たち、
どうしてこんなに大勢居るのでしょう。

主人のひいひいおじいさんはバルセローナから来たスペイン兵だったんですが
こういう風に人を捕まえる側だったのかしら。















兵隊達の後ろに見えるフィリピンの一般の家、
今も殆ど変わらない気がします。













これも処刑の絵です。
なんかこういうのが一般的だったのかしら。
そうだとしたら怖いですね。

















こちらがホセ・リサール氏。
スペイン政府は彼が(打倒スペインの)反逆者の頭脳だと判断して
彼を恐れたのかもしれません。












これはホセ・リサール自身が描いたベルリン前広場のスケッチ。
彼はスペインで医学を学び眼科医になりましたが
その後、ヨーロッパや日本に旅行しています。












こちらはのどかな自然を描いた絵が多かったのですが、
桃ちゃんが見つけた絵は・・・

















こちらの絵で、題が「フィリピン大学」です。
家の近くだし、虎次郎が通っていて
桃ちゃんもギターを習ってるので桃ちゃんには馴染みの場所。

私が結婚した頃はアテネオ大学だってトウモロコシ畑だらけで
大学にたどり着くまで畑の中を歩いてたんです。

と言ってもここまで田舎じゃなかったです。

















こうやって絵で残る・・って写真とは違う良さがありますね。














この部屋から日本兵による様子を描いた絵が多くて
こちらは「バタアン死の行進」らしいんですが、
主人の叔父達2人ともバタアン死の行進に捕虜として歩きました。
(バタアンからターラックまで歩いた後釈放された)

その叔父も亡くなってしまったので詳しい話しはもう聞けませんが
炎天下の中で歩いた為に熱中症などで亡くなる方が多かったようです。
映画で見るような残酷な扱いがされたかは今となっては分かりませんね。

その叔父達はアメリカ側についてボランティア兵として戦ったので
アメリカから永久ビザと年金が貰えました。












墓場(埋葬)の絵ですが、ここにも日本兵らしき人たちが描かれています。

















それでなのかこの絵に出てくる人たちの顔が怖い。



















教会が火事の絵。多分爆撃が原因。
















戦争で破壊された建物。

フィリピンにとっての第二次世界大戦の悲しみは
アメリカと日本軍がフィリピンの土地で戦ったこと。

当時アメリカの植民地だったからなのですが。

マッカーサーは最初にフィリピンで日本軍と戦った時は敗北し、

「I shall return.」

という有名な言葉を残してコリヒドール島からオーストラリアに退散。
その後、言葉通り、フィリピンに戻り日本軍と戦います。

コリヒドール島は戦争の爪痕がそのまま残されています。
ホテルもきちんとしているし
1泊2日でお出かけがお勧めですが日帰りも出来ます。

亡霊が出る・・と言う方も居ますが
多くの日本兵が亡くなった場所でもあり、
第二次世界大戦を肌で感じられる場所でもあります。

十字の形をしたアメリカ軍の病院が日本の空爆にあった建物も壊れたまま草むらの中にたたずんでいて
戦争ってどちらの側でも悲惨ですね。

















左の絵は「イントラムロス」と言う城壁の町の門。
ホセ・リサールの時代はこの城壁の町が中心になってたようです。

この門は今は修復されて観光に行くと見る事が出来ます。
城壁の町「イントラムロス」には美味しいレストランもあって情緒溢れるって感じなんですが
誰でも入れるので治安は他の場所と同じであまり良くないかもしれません。














これも日本兵が家族に悪さしようとしている絵ですが、
日本人の私としては何処まで本当だったのかちょっと疑問です。
画家がその場に居たわけではないでしょうし。














こちらも多分同じ画家です。















力強い筆のタッチが気に入った絵です。
フィリピンの木々ってこんな感じですよね。
















こういう田舎の田園風景って感じの雰囲気、いいですね~。











この部屋は銅像が多いんですがt
こちらはケソン氏(元大統領)の像。


















フィリピンはアメリカのコモンウェルスだったんですよね。













ボニファシオ氏はスペイン統治政府を打倒して
フィリピン独立宣言したかったのですが
いや、本当は独立宣言したらしいんですが、
後に初代大統領になるアギナルド氏が寝返ってアメリカにつき、
独立が認められず、
しかもアギナルドに暗殺されます。











これがボニファシオを裏切って暗殺し
自分が初代大統領になったアギナルド氏。
古狸って感じの顔ではないですか。















そして・・・博物館前に車を停めたので美術館から数分歩かなくてはならず
だったら馬車に乗って行きたい~と桃ちゃんおねだり。

歩いて数分の場所だけど馬車に乗りました。
凄く近かったので私と2人で50ペソ(120円位)。


まだ10月末まで数日あるので入館無料の間に是非お出かけ下さい。
5時に閉館なのですが4時半に閉まってしまう部屋もあるので
あまりぎりぎりに行かない方がいいと思います。
でも見るのは1時間あれば十分です。