<フィリピンでの調律について>
フィリピンには調律専門学校のようなものはなくて
経験だったり、会社が海外に研修に出したり色々なんですが、
音感が悪い人だと海外で学んできてても駄目だったりします。
今まで色々な調律師さんを試したんですが
なかなかいい人に出会えませんでした。
一人ずっと調律してくれていたおじいちゃんが居たんですが
数年前に亡くなられてしまい
その後、何人か試したんですが
調律したばかりなのに音がくるっていたりして・・・。
今回の人は調律について説明しながらやってくれて
調律だけでも4時間。
ピアノの構造の模型も持っていて
色々説明してくれました。
ハンマーから離れているのに寸法はどうするんですか、と聞いたら
この模型を持って長さを確認して実際に正確に打つように設定するんだとか。
でもかなり音が低かったので
調律した後からどんどん戻って行くので
結局、2日間かけて修理して
また調律したけどまだイマイチです。
近々また調律に来てもらって
その時に色々リクエストしようと思います。
やっぱり弾いてて突然不協和音が聞こえると
ど~んとテンション下がります。
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<フィリピン大学音楽部>
ところで、フィリピン大学音楽部の受験について面白い事を発見。
と言うのは、先日、オーディション(実技試験)をしてる高校生が沢山外の廊下で待っていたじゃないですか。
それでピアノの先生に聞いてみたのです。
そうしたら驚いたことに、
フィリピン大学の音楽部と美術部はフィリピン大学の入試を受けなくてもいい仕組みなんだそう。
もっとも受けてもいいらしいですが
入学には必要ないみたいです。
フィリピン大学の入試は「UPCAT」と呼ばれているんですが
全国のあちこちで受験出来るので
8万人くらい受験するんじゃないかしら。
結構難関です。
内申書が30%だか35%だかの成績になるので
公立校や小さい学校で良い点を出す学校から来た人は若干有利です。
その入試をしない代わりに
「College of music」で独自に試験をしているというわけです。
美術部(college of fine arts)もそれは同じと言ってました。
あ~だから以前、うちに下宿してた女の子がアテネオ大学からフィリピン大学に編入したいので
桃ちゃんのギターの先生に音楽教育科の入試について聞いたら
ソルフェージュ、聴音(聞き取り)、音楽理論、歌、楽器1つが弾けること(レベルは音楽教育ならそんなに高くないと言ってました)って言ってたんですね。
いわゆる普通の学科の試験はないみたいです。
ピアノの先生が言うには
カレッジと呼ばれてるけど実際には学士号は取らない仕組みで
とにかく最初にピアノ科とかギター科とかダンス科とか
(何故かダンス科がある)
一般教養を除いた
専門課程だけ全部終了して卒業証書(ディプロマ)を貰って
もうそれだけで就職することは可能だそうです。
そしてその時点で今度は学士の資格を取る為の一般教養を履修することを許されるので
それから1年かけて全部の一般教養を取るとか。
でもネットで調べたらフィリピン大学の入試を受けて合格していたら
最初から学士を取る一般教養を履修させてもらえると言ってる人もいて
ただその掲示板は2008年の書き込みだったので
実際にはどうなのか分かりません。
ディプロマ(卒業証書)は学士じゃないので
卒業してから修士とか博士号を取りたい人は取れませんから
将来の為に一般教養を履修して大学学士を取得する人もいます。
一般教養と言っても数学とか一番易しいレベルで
中学生レベルくらいだってその先生は言ってました。
息子の虎次郎は数学17と言うのが一番最初だったんですが、
と言うか虎次郎は夏休みに6時間のテストを受けてこの数学17は免除してもらったけど
そんな高度な数学は全然要らないのでやらなくていい仕組みになってるそうです。
普通は大学って最初に一般教養を取って
それから専門課程じゃないですか。
でも一般教養しなくても卒業出来るって変わってますよね。
専門学校みたいですね、と言ったら
まあ、そうよねと言ってました。
ただ「カレッジ」って呼んでるので
一応、卒業証書を見せたら大学卒業みたいに普通の人は思わないかしら。
修士とか取らないのであれば
それで全く問題ないとは言え、
ちょっとごまかされてる感じがしちゃいます。
多分・・・フィリピンの他の音楽部は一般教養が先の普通の大学形態を取っているんじゃないかと思うんです。
有名なところでサントトマス大学の音楽部と、
セントスコラスティカの音楽部があります。
「他の音楽部のピアノレッスン室はアップライトのピアノがあるだけで
しかも音がずれてるし、鍵盤もちゃんと鳴らないのでびっくりしたわ。」
とピアノの先生が言ってたんですが
私も昔、セントスコラスティカの音楽部に行った事があって
そんな感じでした。
そういう意味ではフィリピン大学の方がまだマシかも。
家で練習するのはアップライトでも
レッスンはグランドピアノが2台欲しいですよね。
なければせめて1台でも。
セントスコラスティカの音楽部で教えてるピアノの先生が
大学の管理部が良いピアノは鍵をかけて特別な日以外には誰も弾かせないようにしてるから・・と嘆いてたし。
弦は弾き過ぎても傷むけど
弾かなくても傷むんじゃないかと何となく思うんですよね。
あ、でもフィリピンの人でたまにピアノを叩いて弾く人がいるので
(有名なセシル・リカドってフィリピン人ピアニストもピアノに恨みでもあるかのような叩き方で彼女には繊細さがない)
そういう学生がバンバン叩いてると傷むかもしれません。
それと、日本のように音楽(楽器にしろ作曲にしろ指揮にしろ)をすることが一般的じゃない、
むしろ生きるのに精一杯で学校にすら行けないような子どもが多い
音楽がむしろ贅沢品のような国では
子ども達はクラシック音楽をやらせたら楽しくやると思うんですが大人に余裕がないので、
好きな人は多くてもレベルはそんなに高くない生徒が多いと思うのです。
それなのにさらに学力試験があると
実技が良い人が落ちてしまうかもしれないので
音楽部としては
本当に音楽が好きでやりたい人を合格させたいから
それで実技だけの入試なんでしょうね。
しかもフィリピン大学の学費はとても安いですし。
納税証明によって学費は6段階くらいに分けられているんですが
一番高くても私立の半分から半分以下です。
でも、そうなると、
家に下宿してたアテネオ大学から編入したい女の子は
表向きは編入だけど
一般教養がなくて専門の学科だけ最初に取る仕組みだと
1年生から始めるわけですよね。
彼女は国際学部ヨーロッパ学科だったので
一般教養以外は全く違いますし。
まあ将来、学士を取るなら
履修した教科の一部、又は全部が認められて
楽ですよね。
それも専門課程が終わってからのことですが。
彼女の場合、親がもうアテネオ大学の学費を払えない宣言してるので
私立の音楽大学だと授業料が大変だし
どうしてもフィリピン大学の音楽教育科に受かって欲しいんじゃないかしら。
ただ・・その子と私はフェイスブックで繋がってるんですが
やっぱりアテネオ大学ですよね、
富裕層の子ども達が殆どですし、
高そうなレストランで良い服着た友達と撮ってる写真とか載せられていて
女の子は凄いお化粧濃いですし、
彼女自身は特別に凄い富裕層の出身じゃないせいで
尚更、アテネオ大学に居たプライドが強くて・・・。
虎次郎の高校の同級生(今フィリピン大学在)のフェイスブックの写真なんて
そんなレストランの写真も
良い服着た写真もなくて
どっかの野原(多分キャンパス内)でGパンとTシャツ姿。
可笑しい顔してたり、生徒会に入ったから宜しくとか、
資金集めの為にTシャツ売ってるので皆買って~とか。
なんか見栄とか、作り笑いとか
お化粧とかあまり縁がない感じ。
でもアテネオ大学って先生も良い先生は多いし
(さすが私立)
教え方もきちんとした大学で
学生にストレスがないように1~4年生まで同じ学科同士の人は皆が殆ど同じ履修で
時間割も決まってるし、選択科目も少しはあると思いますが
同じ学科の皆で卒業まで足並み揃えて仲間意識も強くなるし
私個人としては全く悪くないです。
虎次郎みたいに履修するだけで朝5時から夕方5時まで並んで
それでも履修出来なくて
先生に直談判に行って、
それでも取れなかったら諦めるしかないけど
その教科がどうしても取らないといけない教科だと
大学のせいで取れないのに担任に履修しないで良い許可を取りに行かなきゃいけないし、
次の学期には絶対に取れるようにまた並んで、
それで今学期は前に取れなかった物理と、今学期の物理を2つ同時に取る羽目になってて。
何処に行っても相談になんてのってくれないのです。
私なんて心配で物理の先生に聞きに行ってしまい
「なんで本人が来ないんですか。もっとも本人が頼んでも、エンジニアからの要請だとしても、レジストラー(履修科)からの要請でも僕達が教えたくないと言ったら教えませんからね。」
みたいな返事されて、
やっぱり息子が言った通り、駄目な場合は粘っても駄目なんだ・・と納得でした。
翌日、息子も含めて大勢の生徒がその前の学期から履修出来てないと物理の教員室に押し掛けて
その人数を見て、じゃあもう1つ教室を開こうかってことになったらしいです。
そんなの大学の方で現在いる生徒が次に何を専門過程で履修しなきゃいけないか分かってるのだから
その人数に合わせて講座を設けておくべきですよね。
アテネオ大学はガイダンスカウンセラーも学生の勉強以外の管理や世話をしてくれて
海外と比較しても劣らない感じだと思うので
うちに下宿してた女の子、フィリピン政府の縮図みたいなフィリピン大学に行って大丈夫かしら・・・
とちょっと心配。
私立の音楽部の方がきっと慣れやすいんじゃないかと思うけど
本人はフィリピン大学というネームバリューに凄く惹かれてるので
月謝も安いし、そこで勉強したいみたいです。
ま、若いから順応性がありますよね、きっと。
うちに居た時は犬が嫌いだったので彼女は部屋に閉じこもってしまって
彼女も犬が好きな人なんて信じられないって感じだったので
うちの家族とは全然合わなかったんです。
うちは一番動物と関わってないのは息子だけど
そのせいで犬は息子のところに行くのが好きで
息子の膝に勝手に上がって寝てたりする時もあるんですよね。
桃ちゃんは可愛がるけどしつこいから犬も大変。
声楽科だったら受かるのは難しいかもしれないですが
音楽教育科だったら理論と実技だけだし
一緒に受験するのは15才~17才の高校生なので
(彼女は19才でアテネオ大学の合唱部でヨーロッパ遠征にも行ったし)
受かるんじゃないかしら。
競争率が分かりませんが。
たださっき見た掲示板には編入生よりも新卒を優先して取る傾向があるとは書いてありましたが、
それも一生徒が言ったことなので真偽はわかりません。
楽器や声楽科などは韓国人の留学生もちらほら見かけます。
外国人は授業料が違うので
大学としては良い収入源ですよね。
フィリピン大学音楽部の詳細はこちら(英語)で以下がその内容です。
COURSE OFFERINGS
UNDERGRADUATE PROGRAMS
CERTIFICATE IN MUSIC (CM)
A 3-year purely Music Program with concentration in the performing areas of Voice, Strings, Winds & Percussion.
.
DIPLOMA IN CREATIVE AND PERFORMING MUSICAL ARTS (DCPMA)
A 4-year course of study with a heavy concentration on the applied and theoretical arts. The major areas available are Asian Music, Band Conducting, Choral Conducting, Composition, Dance, Instruments (Strings, Winds & Percussion), Music Education, Piano and Voice.
BACHELOR OF MUSIC (BM)
A 5-year course of study with a wider coverage providing a well rounded preparation for a career in music. Major areas include Composition, Conducting (Band, Choral and Orchestral), Dance, Instruments (Strings, Winds and Percussion), Music Education, Musicology, Piano and Voice.
参考になった掲示板はこちらから(英語/フィリピン語)です。
卒業まで息つく暇もないほど大変だったと書いてる人もいましたが
その理由がやっぱり自分で何とかしないといけないからだとかで
これってフィリピン大学のカラーなのかもしれませんね。
音楽部がある大学は他にも結構あるみたいなんですが、
その中に含まれないラサール大学ベニルド校の「音楽プロダクション科」というのは
ネットで見た感じではなかなか良い感じがしました。
いわゆる音楽科ではなく
ステージ作りや音楽や劇などが関わるプロダクションの仕事が出来そうな感じで
テレビの歌やドラマなどでも働けそうな感じがしました。
ラサール大学は実践的な教え方をする場合が多い気がします。
桜は家から遠かったけどラサール大学に行って本当に良かったと思います。
彼女は国際学部だったんですが
国連や大使館関係に勤めたことのある先生達から色々なアドバイスを貰えて
世界観が変わったと思うので。
そしてラサール大学は桜の同期では100人くらい入学して3年で卒業したのはたった3人。
大学がスタンダードを下げないのは良い大学じゃないでしょうか。
あとやっぱり主人の友達でたまに家に遊びにくるハワイ大学の先生は
サバティカルで1年間フィリピンで教えようと思ってるのだけど
アテネオ大学とラサール大学では提示された給料の額が半分くらい違っていて
彼女はアテネオ大学の出身なので悩んでます。
私も昔、家庭教師や公文教室をやっていたので思うのですが
やはり自分の先生として価値は払ってもらえる金額で感じられると思うのです。
公文教室の時は住んでいる地域の生徒の9割以上の生徒が入ってくれて
定着率で賞をもらうほど高かった時にやっぱり自分の価値を感じられました。
フィリピんは公立教師の給料がうちの運転手の給料以下だったりしますが、
そこから改善しないといけないんじゃないかしら。
私立の学校は経営者が儲けるだけじゃなくて
先生の給料として反映させてあげないと
今のような暗記だらけで考える力を育てない教育になってしまいます。
やっと桃ちゃんの期末試験が終わって
月曜日に休んだ日の試験(英文法、英語リーディング、音楽)が終わったら夏休みです。
音楽は今回は聞き取りが主で、
多分混声合唱、大人の合唱、男性のソロ、女性のソロ、弦楽アンサンブル、ブラスバンド、パーカッションの聞き分けは大丈夫だと思うんですが、オーケストラの楽器を音で聞き分ける問題はもう一度おさらいしておかなきゃと思います。
とくにバスーンやチューバ、クラリネット、オーボエ、色々な種類のホルンなど聞いただけで楽器の書くのは
大人の私でも難しいです。
音楽と美術とキリスト教は点数をつけないでくれたらいいのに。