思い出したくないことなど

成人向き。二十歳未満の閲覧禁止。家庭の事情でクラスメイトの女子の家に居候することになった僕の性的いじめ体験。

真っ赤なお尻(後編)

2011-06-05 14:46:24 | 8.夏休み恥辱編
 居間の床に飛び散った精液を四つん這いになって拭く。生まれたままの姿で、お尻の穴まで丸出しにさせられている。おば様は、竹刀でさんざん叩かれて赤く腫れ上がった僕のお尻のことが気になって仕方がないようで、
「やり過ぎは駄目よ。病院に連れて行かなくちゃならなくなる」
 と、Y美を叱るのだが、Y美はけろりとした調子で、
「病院なんて大袈裟だよ。すぐに元通り白くなるよ。ちょっと罰を与えただけ」
 と、口応えするのだった。
 その晩、僕はおば様と一緒にお風呂に入り、おば様の体を隅々まで洗わされた。自分の胸に石鹸を塗りつけてからおば様の体に密着させ、こする。お風呂から上がると、丸裸のまま二階の自分の部屋に上がる。Y美の部屋の電気が消えたら、忍び足で一階のおば様の寝室に向かうようにおば様に命じられていた。寝室では、おば様がネグリジェ姿で待っていた。うつ伏せに寝る僕の赤く腫れたお尻を冷やしてくれた。頻りに「可哀想にねえ」と言って僕の頭や背中を撫でるのだった。
 翌日は日曜だった。おば様が一晩中冷やしてくれたお陰で、もうお尻の腫れはほとんど引いていた。その日も午前中から鷺丸君の家でマジックの練習があるとY美が言った。パンツを出してあげるというY美の言葉に釣られて二階に上がった僕は、いきなり両手首を紐で一括りに縛られ、鴨居から吊るされる格好になった。昨日の夕方からパンツ一枚も穿かせてもらえない丸裸の身をじろじろと見つめて、Y美が、
「なんかむかつくんだよね。お前、お母さんに同情されようとして、わざと哀れな振りをしてんだろ? お母さんの寝室でお尻を冷やしてもらったんだろ? 私が気づかないとでも思ってんのかよ」
 と、怒りをぶつけると、赤みの消えたお尻を憎々しげに抓って、昨晩と同じように僕に手拭いを噛ませる。そして、竹刀を手に取り、
「もう一度真っ赤にしたいのよ。悪いけど打たせてね」
 と言って、僕のお尻に振り降ろした。痛い。激痛に体をぶるぶる震わせて、手拭いの間から呻き声を漏らす。噛まされた手拭いの間から漏れる声とY美を見つめる目だけで許しを乞うのだが、伝わらない。昨晩と違い、両手を吊り上げられているだけなので、叩かれる度に体が前後左右によく動いた。それでおちんちんの袋に竹刀の当たる回数が昨晩よりも多くなった。激痛に片足を上げて身を捻る。すると、Y美の竹刀が上げた太腿を狙い打ちするのだった。
 いつになったらこの責めから解放されるのか、まるで見当がつかないのも、苦しみを倍増させた。おば様が洗濯物を持って二階に上がってきた時には、僕はもう全身汗まみれで紐に吊るされてようやく立っているような状態だった。両手首に食い込んだ紐が解かれると、ぐったりとその場に倒れ込む。おば様もY美の激しい責めに驚き、
「やめなさいって言ったじゃないの」
 と、Y美を激しく非難する程だった。
「可哀想に。せっかく腫れが引いたと思ったのに、また真っ赤にされちゃって」
 おば様が僕のお尻を撫でながら、優しい言葉を掛けてくれた。
「ごめんね。鷺丸君のところでマジックの練習があるから、そろそろ出掛けないと」
 Y美は僕にではなく母親であるおば様に謝ると、僕の前に白いブリーフのパンツを差し出して、「穿きたければ穿いてもいい」と言った。パンツを穿くと、真っ赤に染まったお尻が隠れる。たった一枚のパンツだけど、これによっておちんちんやお尻を人目に晒さずに済んで一安心した僕は、依然お尻に残る激しい痛みに耐えて、更に肌を隠すための服を求めた。これから鷺丸君の家に行くのだから、服を着るのは当然だろうと思っていた。しかし、Y美の反応は冷ややかだった。
「どうせ向こうに着いたら裸になるんだから、服はいらないでしょ」
 パンツ一枚のまま僕を鷺丸君の家に向かわせようとしているのだった。昨日も同じ格好で帰宅したから行きも裸のままで行けるだろう、とY美は、彼女独特の意地の悪い楽観論で僕を納得させようとした。しかし、今日は日曜日で、昨日の夕方以上に人出がある。服を出すようにしつこく求める僕の乳首を抓って、Y美が言った。
「言う通りにしないと竹刀で叩くよ。今度はお尻だけじゃないから。お前がパンツ一枚で出掛けることを承知するまで竹刀で滅多打ちにする」
「いやです。もう許してください」
 竹刀で裸を叩かれる痛みは、その経験の恐らくないY美には想像もできないと思う。僕はY美を憎いというよりも軽蔑に近い感情で見つめながら、土下座をして許しを乞い、服を着させて欲しいと哀訴する。
「絶対駄目。お前はパンツいっちょうで鷺丸の家まで行くんだよ」
 Y美が宣言すると、僕は我知らずわっと泣き出してしまった。すると、さすがに見かねたのか、おば様が、
「いいよ。服が無いなら車で送ってあげるから」
 と、珍しく僕の味方をしてくれた。赤く腫れ上がったお尻の僕にこれ以上辛い目に遭わせるのは不憫すぎると感じたのかもしれない。
「仕事で車を出さなくちゃいけないから、ついでにね」
 奴隷以下の存在にしてある僕におば様が優しくすると、いつもY美は不満そうな顔をするものだから、おば様はほとんど反射的にY美の気持ちを汲んで、弁明をする。
「勝手にすれば」
 Y美は唇を尖らせて、ぷいと自分の部屋に入った。
 駐車場から車を取ってきたおば様が家の前で車を停めると、パンツ一枚の僕を助手席に乗せて出発する。会社の用事を先に済ませる必要があるとのことから、おば様は繁華街へ車を向けた。休日の人出は多く、信号待ちの間、歩道をたくさんの人が通り過ぎて、助手席で小さく縮こまっている僕に気づいた。雑居ビルの間の路地に車を停めたおば様が僕にここで待つように言い残して雑居ビルに入る。五分程して戻ったおば様は、僕に缶ジュースを渡してくれたが、飲み始める前に「私にも一口ちょうだい」と、いきなり缶ジュースをひったくると、ごくごくと喉を鳴らして半分以上飲んでから僕に返す。飲み口に口紅の跡があった。
 まだ寄らなくてはいけない場所があるから鷺丸君の家の前まで行けそうにない。そんなことをおば様が素気なく伝える。なんと返事をしたものか困っている僕を見て、おば様がにやにや笑った。繁華街から住宅街を抜けて、鷺丸君の家の裏手の山道に入ったところだった。おば様は車を停めると、ここからは歩いて行くように言う。昼間でも人通りの少ない道で樹木に囲まれた公園内の道を通ればすぐに分かるとのことだった。半ば強制的に僕を車から降ろすと、おば様の車が下り道のカーブに消えた。
 パンツ一枚だけの裸で心細かったけど、とにかく、おば様の言葉を信じて、歩くしかなかった。公園に入るまでは車も通る道を進む。車が通る時は、木々の間に隠れた。木々が欝蒼と茂り、昼間でも薄暗い道の奥に公園があった。公園も人の気配がなかった。遊具のある一画を通り過ぎると、多目的広場があり、少年たちがサッカーに興じていたが、外周には植えられて間もない細い木々と柵があり、パンツ一枚で歩く僕の姿を目立たなくしてくれた。コンクリートの道に散らばる砂粒を裸足の足の裏でちくちく感じながら進む。やがて、無数の蔓草が絡まる壁が見えた。壁の向こうは、丸太を横にして座る部分をくり抜いたベンチがあり、女の人たちが談笑していた。
「何、あれ?」
 とっさに自動販売機の陰に隠れたけど、遅かった。女の人と目が合ってしまった。彼女たちの会話が中断され、こちらに駆け寄ってくる。
「やだ。この子、パンツ一丁だよ」
 髪の長いその人は女の人ではなかった。腰回りが細くて、柔らかそうな体つきだけど、男の人だった。
「ナオス君じゃないの」
 意外、という顔をして話し掛けてきたのは、鷺丸君のお姉さんだった。
「何してるの、こんなところで」
 僕が事情を説明すると、お姉さんは傍らの二人に僕のことを紹介した。二人は、お姉さんの高校の友達らしい。ミニスカートの女の人は、男の人の腰に腕を絡ませながら、パンツ一枚でもじもじしている僕にじっと視線を注いでいる。
「マジックの練習の時は服を脱がないと駄目だけど、最初から裸でなくてもいいのに」
 非難するようにお姉さんが呟く。しかし、お姉さんは、僕が服を着させてもらえず、裸で外へ放り出されたことを知っているようだった。ミニスカートの女の人がお姉さんの耳にひそひそ話をすると、お姉さんは吹き出して、「いいね」と言った。
「あなた、これからうちに来てマジックの練習するんだよね?」
 お姉さんが僕に向き直って言った。すらりと伸びた足を組み換える。丸太のベンチは、見た目よりも座り心地が良いのかもしれない。
「はい」
 三人の好奇に満ちた視線を浴びて、もじもじしながら答える。足の裏に砂の粒がいっぱいあった。
「パンツを脱ぎなさい」
 お姉さんが命令口調で言うと、髪の長い女の人のような男の人が、くすくす笑って、ミニスカートの女の人の肩を叩いた。
「聞こえないの? パンツを脱ぎなさいって言ったんだけど」
 蝉の鳴き声が一際大きくなって、眩暈を覚える。まだお姉さんには、おちんちんを見られていない。Y美に折檻されて赤く腫れ上がったお尻も見られたくなかった。しかし、お姉さんだけでなく、ミニスカートの女の人も、女の人のような男の人も、僕にパンツを脱ぐように迫る。
「早く脱がないと、力ずくで脱がすよ。マジックの練習も丸裸ですることになるけど」
 泣きたい気持ちを堪えてパンツのゴムに手を掛けると、腰を捻って、パンツを下ろし、足首から抜く。お尻からおちんちんが万遍無く外の空気に晒された。おちんちんを両手で隠して、三人の前に立つ。
「とうとう真っ裸にされたのね。恥ずかしそう」
 ミニスカートの女の人が言うと、男の人が女の人のように髪の毛を指でくるくる巻きながら、うんうんと頷く。
「隠してないで、ちゃんとちんちん、見せなさい」
 お姉さんが怒った口調で命令し、手を頭の後ろで組まされる。
「ちっちゃいんだね。ナオス君のちんちん」
 呆れた、という顔をしてお姉さんが大きく息を吐くと、その息がおちんちんに当たった。お姉さんと髪の長い男の人が僕のおちんちんをじっくり眺めてから、皮を剝き、おちんちんの根元を指でつまんでぐるぐる回し始めた。髪の長い男の人はおちんちんの袋を揉みながら、お尻の穴の方へ指を伸ばす。
 ミニスカートの女の人が僕のお尻を見て、素っ頓狂な声を上げた。
「何、この子のお尻、真っ赤だよ」
 赤く腫れ上がった僕のお尻を髪の長い男の人が撫で回しながら、「可哀想に。苛められたんだね」と、息を吹きかける。お尻を隠そうとする僕の手を払いのけて、お姉さんが噴水までお尻を冷やしに行こうと提案した。言う通りにするからパンツを返してほしいと懇願したが、お姉さんは、
「いいじゃん。裸のまま行けばいいでしょ」
 と、突っ撥ねる。おちんちんは手で隠せるけど、お尻は丸出しになってしまう。猿のように赤くされたお尻は人に見られたくなかった。ミニスカートの女の人と髪の長い男の人が愚図愚図している僕の背中を押した。
「行っておいで。早く行かないと、マジックの練習も素っ裸ですることになるよ」
 メライちゃんの前で恥を掻きたくない僕の気持ちを利用する楽しさを存分に味わうのだとばかりにお姉さんが元気な声で僕を叱咤する。
「分かりました」
 どうせ知らない人ばかりだし滅多に来るところではないから、と自分に言い聞かせて覚悟を決めた僕は、片手でおちんちん、もう片方の手でお尻を隠すと、小走りで百メートル程先にある噴水に向かった。
 噴水は弱々しげに水を上げていた。その周りでは小さい子どもたちが水遊びをし、休日を公園で過ごす家族の幸せそうな声があちこちで聞こえる。僕は全裸の身を大きな欅に隠して、ためらっていたけど、思い切って飛び出した。噴水の周囲はたちまち静まり返った。膝までの深さしかない水の中に腰を沈めると、子どもを急いで噴水から上げる母親が鬼のような形相で僕を睨み付けた。
 水遊びの幼児たちですら、ほとんどの子が水着を着用していた。女児で水着を着ていない子は一人も見当たらない。水着でない子でも下着は身に着けていた。一糸まとわぬ素っ裸で水に浸かっているのは、一番年長の僕だけだった。ひそひそ話す母親たちの声と視線が矢のように僕の肌に突き刺さる。そばの看板には山の湧水を使った噴水だと書かれてあるけど、羞恥で火照る僕には全然冷たく感じられなかった。
「少しはお尻も冷やせたかな?」
 髪の長い男の人がミニスカートの女の人と腕を組んで、水の中で体育座りをする僕を覗き込んだ。椎の青葉を見上げて、ミニスカートの女の人が大あくびをする。噴水の水は、これから夏本番を迎えるというのに、もう暑さにへばってしまったかのようにだらしなく水を噴いていた。その力の無さ、ぼとぼとと天に向かって弱々しく水を放つ姿は、見る者に涼を感じさせるよりは、むしろ、蒸し暑さすら覚えさせる。
 突然頭の髪を掴まれ、水の中に顔を突っ込まれた。体全体が水中に押し込まれる。髪の長い男の人の仕業だった。ミニスカートの女の人とふざけながら、僕の顔を水の中から出したり沈めたりしている。飲み込んでしまった水の一部を吐き、鼻から出てくる水を手で拭う。と、髪の毛を引っ張られ、噴水の水溜めから出される。
 とっさに手で隠したけど、お姉さんとミニスカートの女の人がそれぞれ左右から僕の手を取り、引っ張るので、噴水前のベンチのお母さん、家族連れにおちんちんを晒してしまった。男の子の嘲笑、お母さんたちの忍び笑いが聞こえる。
「お尻、まだまだ赤いね」
 そんなに簡単に腫れがひく訳ないのに、お姉さんは殊更に困ったような声を出して、僕の体をぐるぐる回して、真っ赤に染まった恥ずかしいお尻をみんなに見せる。サッカーボールを蹴り合うお父さんと男の子の間を通って、お母さんたちがぞろぞろと来た。
「男の子いじめるのもいいけど、やり過ぎないでね」
 にっこり微笑んで一人のお母さんがお姉さんに注意した。四五人ほどのお母さんたちに囲まれて驚いたのか、お姉さんもミニスカートの女の人も僕の手を放した。急いでおちんちんを隠す。注意したお母さんの手を握る女の子が不思議そうな顔をして僕を見ている。と、サッカーボールが転がってきた。
「このお兄ちゃん、なんで裸んぼなの?」
「知らないよ」
 サッカーボールを追ってきた男の子は、幼い妹の問いにぶっきらぼうに返すと、僕を一瞥してドリブルしながら走り去った。女の子は、恥ずかしがる僕の様子をにこにこしながら見ている。お母さんたちは、しかし僕の体の向きを変えると、赤く腫れたお尻を撫でて、「長時間、相当強く叩かれたのね」「棒で叩かれたみたい」などと、真剣に観察する。一人が穏やかな微笑を浮かべながら心配そうな調子で言った。
「あんまり苛めない方がいいわよ。この子のお尻、真っ赤じゃないの」
「同級生の子に酷いいじめを受けたみたいだから、私たちが水の中に入れてお尻を冷やしてあげたの」
 お姉さんがそう答えると、傍らでミニスカートの女の人が「そうそう」と合いの手を入れる。
「可哀想に。何も丸裸にしなくてもよいのに」
 絶句するお母さんたちに、お姉さんが変なことを付け加えた。お尻を叩かれると性的に喜ぶなどと僕を指して言うのだった。
「変態なの?」
 恐る恐る訊ねるお母さんに、お姉さんが屈託のない笑顔で答える。
「そうみたい」
「いやらしいわね」
 最初に話し掛けてきたお母さんが不潔なもの、忌むべきものでも見つめる目で僕をじろじろ眺め回すと、ぷいと顔を背けて女の子の手を引きながら向こうへ去った。他のお母さんたちは、しばらくお姉さんに僕がどんないじめを受けたのか訊ね、お姉さんが面白半分に話を誇張して伝えていたが、やがて、「でも、いじめられるのが好きみたいだからね」などと口々に感想を漏らして、僕への同情を軽蔑に変えることで心を軽くしたのか、元気な足取りになって幼い子どもたちのいる方へ向かった。
 最初の広場に連れ戻された僕は、おちんちんはもちろん、一糸まとわぬ体を少しでも好奇の視線から隠そうとするように、両腕を体に巻き付けて腰を捻りながら、お姉さんたちの前に立ち、姉さんが先ほどお母さんたちに話した、お尻を叩かれると性的に興奮するということについて、ごく軽く抗議した。もちろん、本当は強く不満をぶつけたいところだけど、パンツを取り上げられた素っ裸の状態では、変態扱いされたくない僕の気持ちだけを伝えることに留めるしかない。お姉さんたちは、「分かった。ごめんね。冗談だよ」と、笑いながらではあったものの、とりあえず僕の意を受け取ってくれた。でも、髪の長い男の人は違った。顔が強張った。
「嘘はやめてよ。ほんとは感じてるくせに」
 ヒステリックにこう叫んだ男の人は、いきなり僕の腕を背中に回し、下手に動くと骨折する状態にして身動きを封じると、お尻を平手打ちするのだった。悲鳴を上げて助けを求める僕の口に丸めたハンカチを押し込んだ。香水の強い匂いがする。お尻に向かって腕が振り下ろされるタイミングを見計らって腰を前に突き出すのだが、激痛のあまり足が震えて、うまくできない。それに、腰を前に突き出すと、背中に回された腕が折れるのではないかと思われる程激しく痛む。
「この子の陰茎をよく見て。勃起するから」
 取られていない方の腕でおちんちんを隠していたけど、髪の長い男の人が僕のお尻を激しく叩きながら叫ぶので、ミニスカートの女の人が股間を必死で隠している僕の手首を掴み、おちんちんから引き離した。おちんちんは、もちろん勃起どころではなく、理不尽なお尻の肉の痛みのあまり、皮の中に小さく縮こまっていた。ミニスカートの女の人がそのことを告げても、男の人は信じようとしないのだった。
「嘘よ。嘘に決まってるじゃないの。勃起するからよく見なさいよ」
 背中に回した僕の腕を持ち替えて、平手でお尻を叩く。口に詰め込まれたハンカチはいつの間にか足元に落ちていた。痛みに耐えることで相当の体力を使っている。僕は溢れる涙で頬を濡らしながら、もう大きな声で助けを求める元気もなく、ただ悲鳴と呻き声を漏らし続けた。
「始まっちゃったね。こうなったらもう、勃起するまでお尻を叩かれ続けるよ」
 溜息をついたお姉さんが困ったような顔して男の人をちらりと見てから、僕に言う。
「お願いです。助けてください」
 もう男の人には幾ら哀願してもヒステリックなお尻叩きはやめてくれそうもない。お姉さんに最後の望みを掛けて懇願すると、お姉さんは意地の悪そうな微笑を浮かべて、
「だから、ちんちんを大きくさせないと、お尻叩きは止まらないって」
 と、説明する。この男の人はそういう性格なのだと、横からミニスカートの女の人が補足した。自分の特殊な世界があって、その世界を構成する思い込みと現実世界の間に食い違いが生じた場合、精神のバランスを崩し、自分の思い描いた通りになるまで現実世界に抗議をするのがこの男の人の抱える問題なのだった。自分の通う高校で教室の机や椅子を薙ぎ倒したこともあるという。
 背中で曲げられた腕は、お尻を打たれて腰が前へ動く度に折れそうな程痛むのに、その痛みに打ち重なるようにして、お尻を打たれる痛みが響く。髪の長い男の人は低い唸り声を発しながら、憑かれたように僕のお尻を叩き続ける。打たれて腰が前へ出ると、皮の中で小さく縮んだおちんちんがぷるぷると揺れる。とめてもらうにはおちんちんを大きくするしかないと聞かされて、僕は目の前に立つお姉さんに訴えた。
「もうやめて。痛い、痛い」
「馬鹿だね、この子は。だから、やめてもらうには、勃起しろって」
「無理です。そんなの」
「だったら、尻が裂けるまで叩かれてろ」
「お、おちんちんを大きくさせてください」
 破れかぶれになって叫ぶ。待ってました、とばかりにお姉さんが微笑む。僕の片腕を握っているミニスカートの女の人が「恥ずかしいねえ」と、呟く。お姉さんは、しかし僕がお願いしてもすぐには動こうとしなかった。何度も僕に恥ずかしいお願いを繰り返させてから、やっとおちんちんの前にしゃがみ込んで、手を伸ばした。
 ゆっくりとお姉さんの指がおちんちんの袋を撫で、おちんちんを這い回る。おちんちんの皮が根元にずらされ、外界の空気にびくびくする亀頭が剥き出しにされた。爪にピンクのマニキュアを塗った指が小さく震動する。
 かすかな指の震えがおちんちんに伝わり、おちんちんの袋をきゅっと引き締める。首から乳首にかけても扱きに似た動きがあった。ミニスカートの女の人が指を這わせて、時折乳首の上に指の腹を軽く押しつけるようにして振動させる。お姉さんがおちんちんの袋を手で包み込み、揉みしだきつつ、もう一方の五本の指でおちんちんに一定の圧力を加えたまま、おちんちんを指の先で突いたり、撫でたり、こすったりする。
 痺れるような感覚がおちんちんの袋からじわじわと全身に広がる。男の人は相変わらず僕のお尻を平手打ちしていた。お尻を叩かれると同時に腰を前へ突き出す。と、おちんちんをしっかり挟んだ指に擦られるようにしておちんちんも前へ出る。お尻の痛みとおちんちんの気持ちよさが激しくぶつかる。
 硬くなったおちんちんは、なおも扱かれ続けた。というよりも、お尻を叩かれる度に腰を前へ出してしまう習性によって、自らおちんちんを扱いているよう格好にもなった。お姉さんは指でおちんちんを支えているだけだった。いつの間にか、振動を加えることはしていなかった。
「この子、お尻を叩かれながら大きくしてる」
 ミニスカートの女の人が驚いたようにぽつりと呟き、おちんちんの濡れた先っぽを手で触る。お尻叩きが終わらない限り、おちんちんは扱かれ続ける。
「痛い。やめて。やめてください」
 僕はお尻を打ち続ける男の人に向かって叫んだ。お姉さんが僕に「もうちんちん大きくなったらやめてくださいって頼まなきゃ」と、アドバイスする。恥ずかしかったけど、その通りの言葉を並べる。男の人が聞き返し、恥ずかしい文句を何度も大きな声で繰り返させられる。ミニスカートの女の人が顔を赤く染めて笑う。
 射精の瞬間が近づいてきた。お尻叩きの激しい痛みがおちんちんの袋からじわじわと広がる快感の波にぶつかり、砕ける。お尻を叩かれてから腰を前に突き出しているつもりだったけど、お尻叩きとは関係なく腰を動かしていた。お姉さんが「この子、そろそろ精液出すよ。見たい?」と訊ねると、男の人は元気を取り戻したかのようにお尻を強く叩き、
「やっぱり感じてるんじゃないの。見たいわ、この子が射精するところ」
 と、答えた。
 もう僕の頭の中は何も考えられず、押し寄せる快感の波に体ごと運ばれるのをぐっと踏ん張って堪えるのが精一杯だった。お尻がぱちんと音を立てて叩かれる。僕の片方の腕は、男の人の強い力によって、相変わらず背中に取られたままだった。
「いく時には教えること」
 お姉さんが冷たい口調で命じると、
「もう無理。いきそうです」
 我慢に我慢を重ねる僕の口から喘ぎ声が漏れて、限界を告げた。精液の内圧に悶えるおちんちんへ、お姉さんとミニスカートの女の人がぐいと顔を近づける。射精の瞬間を見られてしまう、という羞恥の思いが頭をよぎった。

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6 コメント

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Unknown (女子中学生)
2013-05-18 14:16:42
ナオス君の昔の恐ろしい思いでが多いですね。大人になったナオス君!Y美が、死んだのにも関わらず未だに忘れられないのでは?Y美は、今頃、地獄でおなじようにお尻を叩かれて当然なんだよね。
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ab (0627)
2012-07-13 18:37:06
ホームレス中学生のほうがまだまし。
返信する
Unknown (mmm)
2011-06-06 00:54:56
毎回楽しみにしてます。
無理せず頑張って下さい!
でも、更新頻度が早いのは嬉しいです><
返信する
Unknown (Gio)
2011-06-05 22:24:27
最近更新頻度がはやくて歓喜しております。どうかお疲れの出ませんようにしてください。
返信する
追伸 ()
2011-06-05 18:11:13
それでも楽しく待ち遠しく読ませて貰っております!!
返信する
恐ろしいですね ()
2011-06-05 18:03:26
まともな食事、休息睡眠、学校に行く事も制限されての牢獄部屋での生活~連続性拷問。タフですね。縛られ猿轡されて竹刀で滅多打ち、およそ人間の心はない。Y美は精神鑑定受ける必要性あり。と第一犬を川に何度も投げてたと言うから・確か3ヶ月・の期限だから辛抱できるのかな?Mだからも?
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